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こんな馬鹿げた話が・・・(コラム版)

2009 年 10 月 16 日(金)21:00 | コラム | 1 Comment |

 万が一・・・、医療施設として届出をしていない建物の中に、授業料を取らない学習塾のような教室があり、医療行為を行ってはいけない“元校長”が、その場所で児童らに勉強を教え、建物を所有する医療法人が、元校長の行為に対し「公的保険機関」へ保険請求を行い、医療費を得ていたとしたら・・・、これは「保険医療制度」の根幹を揺るがす大問題のはずです。

 今年の道議会第2定例会で、僕は「その疑いがある事案」の質問をしました。その後、病院に北海道厚生局(注1)と北海道が調査に入り、僕はその報告を道側から受けました。
(注1:厚生労働省の出先、以下・・道厚生局)

 その調査結果ですが、「道議会での質問と指摘を受け、道厚生局と道が調査を行った。病院の書類は全て確認した。それらの書類から無資格者が医療行為を行っていた事実も、無診療リハビリテーションの事実も確認出来なかった。適正を欠く行為もあったが、それらの問題点は全て改善されており、返還すべき診療報酬も病院が返還をすることになっている。よって処分はせずに指導に止めた。患者調査も監査も行わない。これで調査を終了する。ただし、医療法上疑わしい部分もあるので、その所管である札幌市に情報提供をした。」というものでした。

 つまり、簡単に言うと「病院側に聞いたら『そんなことはしていない』と言っている。調査で違法な行為も出てきたが、我々が注意をしたら、病院はそれを止めた。だから処分しない。患者側には何も聞かない。でも、怪しいから札幌市には教えた。」ということなのです。こんな馬鹿な話があって良いんでしょうか・・・。

 さて、この調査結果には「数え切れない程の問題点」があるのです。

 まず最初の問題点です。この調査に入る前、道厚生局と道に道民の方々から「具体的な情報提供」があったはずです。しかし、それらの情報が「調査結果」には全く記載をされていないばかりか、この調査が「僕の議会での質問」によって行われたことになっています。それは何故なのでしょう。

 次の問題です。この調査において、果たしてどれだけの事実が判明したのでしょうか。道厚生局と道は、患者の調査は行わず、病院側の主張しか聞いていないのです。また書類の調査も、病院側が提出したものに目を通しただけです。病院側が、スタッフの口裏とレセプト等の書類の辻褄(つじつま)さえ合わせてさえおけば、たとえ不正な行為を続けていても絶対にバレないのです。何故、厚生局も道も「患者のへ調査」をしないでしょう。健康保険法においては「患者調査」の規定はあるはずです。複数の患者と病院の言うことが全く違えば、おかしな話になるはずです。ちなみに、道に具体的な情報提供をした方が「患者の保護者」である事実は、非常に重たい意味を持っているはずです。

 さらに、子供と一緒に「この教室」に通っていた保護者の方が「お金を払ったことが無い」と証言していることも問題です。これは、医療機関が患者からの一部負担金を徴収していなかったということであり、百歩譲って「有資格者」が対応していたとしても、この病院は長期間に亘り、医療費をディスカウントをしていたということなのです。この事実は、病院側も認めています。

 また、この施設が医療施設として無届であったという事実も問題です。現に、道厚生局も道も病院側に医療費の返還を指示したはずです。長期間、このような場所で行った行為に対し「保険請求」をし続けてきたのは大問題なのです。

 あと、前出の保護者の方は「それぞれの子供には担当が決まっていた。もし元校長先生が担当であれば、全ての時間は元校長が一人で子供に勉強を教えていたし、担当以外の人に会うことは殆んど無い」と、道に証言をしていたはずです。しかし、調査結果は「書類上、最初から最期まで医療行為が行える者が子供と一緒に居たことになっている。元校長はその者の補助を行い、保護者からの教育面の相談を受けていたに過ぎない。問題は確認できなかった。」というものでした。しかし「同じ建物に一緒に居た」と「同じ部屋に一緒に居た」では、天と地の差です。また、保護者の方が校長に教育面の相談をしていた時間をどのようにカウントし、どのように保険請求から除外していたのかも疑問が残ります。

 加えて、この施設内で行われていた行為も問題なのです。この保護者の方は「全ての時間、算数のドリルだけを使用していたことがあった。」と、道に証言をしていますが、これは「医療行為」と言えるのでしょうか。例え、医療行為が行える者が一緒に居たとしても疑問が残りますが、校長しかいなかったのであれば、問題は更に大きくなります。また「教室で行われていることは医療行為だ」という認識が、保護者の方には全く無かったのです。こんな不自然なことがあるでしょうか。

 最後に(本当はまだ沢山問題はあるのですが・・・)、道厚生局と道はどうして「患者調査」も「監査」を行わないと決めて、調査を終えたのでしょう。保険請求に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるときは、保険医療機関に対して「監査」を行う必要があるはずです。実際に「疑い」などというレベルではなく、「不正」や「不当」があったのです。そして、その数も一つや二つではありません。その上、道に通報した方の話と病院側の話が180度違うのですから、道は「この事案に関しては不正や不当の疑いがある」と考えて当然なのではないでしょうか。  
 
 最近「札幌市の歯科医による無料診療」のニュースが世間を騒がせましたが、皆さん覚えていますか?最終的に、あの歯科医は保険医登録を取り消されることになり、歯科医院は保険医療機関の指定も取り消されました。

 僕は道職員との意見交換で、「この歯科医の事件」を引き合いに出しました。僕は、「あの歯医者は免許を持っていた。にも拘らず、歯医者への処分があれほど重かったのは何故か?」と尋ねました。道職員の答えは「あの歯科医は、『無料診療は止めるように』という国と道からの指導を無視したからだ。しかし、今回は病院側が指導に従い、問題を改善したので処分しなかった。」というものでした。ということは、「どんなに悪いことをしても、役所の指導どおりに問題を改善すれば処分はされない」と考えて良いのでしょうか。

 この件に関しては、まだまだ問題点があるのです。僕は、「こんな馬鹿な話があって本当に良いのか」と、憤りを覚えているのです。この件については、さらに議会で追求する必要があるかもしれません。

 しかし、もしこの件を追求するのであれば、これから「健康保険法」だの「医療法」だの「医師法」だの・・・多くのことを調べる必要があるのです。そう考えると、正直な話「いい加減にしろ!問題が山積みで、こっちも忙しいんだ!」と、役所に対して頭に来てしまうのです。そうそう、僕は昨日のブログ(→リンク)で「道の対応が甘い!」と怒りましたが、僕の怒りの矛先は「北海道」と「国の厚生労働省の出先機関」になりそうです。

 でも、公務員って一体何を考えているんでしょう・・・。国民が払った保険料がどんな使われ方をしていようが、「自分のお金じゃないから、知ったことじゃない」って感覚なんだと改めて実感をしました。

 僕は、議員になって「日本の医療制度が欠点だらけ」であることを知りました。道議会議員として医療関係の質問を作成する過程で、制度に多くの問題や矛盾があることに気付きました。実際に、この欠陥だらけの制度を悪用し、巨額のお金を手にした「悪党」が存在していることも解りましたし、制度上に欠点があるために、議員としてその悪党を最期まで追い詰めることが出来なかったという「悔しさ」も味わいました。この時も、国の出先機関である「道厚生局」の対応に激怒をした記憶があります。

 僕は政務調査を通して、「制度上の欠陥を利用し、逮捕されずに医療費を不正に手に入れる方法」を知ってしまいました。しかも、驚くことにその金額が「巨額」であればあるほど「逮捕されない仕組み」になっていたりするのです。また、誰からも訴えられませんので、逃げたり隠れたりする必要は無く、今まで通りの生活を続けることが出来るのです。

 勿論、皆さんにその方法をお教えすることは出来ませんが、こんな馬鹿なことが実際に起こっているのです。ちなみに僕の住んでいる帯広でも・・・です!

 今の医療制度に重大な欠陥があるのは間違いありません。それらを早急に洗い出し改善する必要があるのです。僕がこの悪事に手を染める前に、是非とも制度の改善をお願いしたいものです(笑)

コメント

  1. やるしかないおじさん より:

     「悪を許せない」
     法律、医療制度の不備・盲点をついて悪がはびこっているのですね。 医療でなくても多々あることでしょう。
     役人が手をつけたがらないのは、それが発端で隠している部分に陽が当たることへの恐怖心か、天下りが閉ざされることへの不安か、悪者になりたくない・仕事を増やさない(ないない病か)、役人になり初任給を手にした時のやる気、正義信は消え果てた亡国の輩が多すぎる。 「悪い奴が得をしすぎている」  与野党の国会議員だって、これらの悪があることは分かっているはずだが、落選が怖くて口にチャックをしている亡国議員がいるはずだ。 共産党だってお抱え病院の隠している不明朗さが暴かれるデメリットがあるから知らんふりをしている。  この問題を解決するために「悪徳元校長・医者」「道職員」を道議会に呼んで「証人喚問」することはできないのでしょうか。 レセプトは保存期間が5年ですから破棄される前に調査権を行使してコピーしておくことも必要です。 そして喚問前に悪人から病院、自宅で再聴取するときには複数人で行くことが重要です。 場合によっては「子供の保護者」から自宅で「証言」してもらい裏ずけするとか。 私は過去に何度か国などの「各種法規類集」に接しており「省令第何条第何項何号の・・・」「難解な法律用語」に悩まされましたが順序を追って何とかした経験がありますし「粘り」が身上です。 この件で何かお手伝いできることがあれば遠慮なく使って下さい。 整理して時系列に資料を作成します。 何回でも図書館に通います。 全てボランティアでやります。

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