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平成24年 第4回北海道議会予算特別委員会第1分科会

平成24年 第4回北海道議会定例会 予算特別委員会第1分科会(環境生活部所管)
平成24年12月18日(火)

(注:文章については、その趣旨を変えない範囲で読み易く訂正をしております)

一 アイヌ政策について

(一) アイヌ文化等について

1 縄文文化とアイヌ文化について

小野寺委員

 通告に従いまして、淡々と質問をしてまいります。

 まず初めに、アイヌ政策、アイヌ文化等についてですが、縄文文化とアイヌ文化についてお聞きします。

 現在、道環境生活部において、アイヌ政策を担当しているほか、北東北3県と縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた取組も推進しているものと承知しております。

 アイヌ政策において、アイヌ文化への理解が重要であり、その文化の成り立ちについては、いろいろ議論があるところであると思うのですが、研究者の中には、縄文時代に北海道に住んでいた人々が、そのまま時代を重ねてアイヌになったと言っている方々も現れています。

 私の見た論文の中には、道の研究機関の肩書きのある研究者の方が、そのような発言をしている、というのも承知をしておりますが、これについて、縄文遺跡群の世界登録遺産への取組を推進している道の認識を、まずは伺います。
文化・スポーツ担当局長
 縄文文化とアイヌ文化についてですが、縄文文化は一般的に、15,000年前から3,000年前に日本列島に展開したと言われており、一方、アイヌ文化は、12~13世紀頃に北海道を中心とした地域において成立した文化であるので、両者にはおよそ2,000年の時間差が存在しています。

 その間、北海道に居住している人々と、大陸から北海道に移住してきた北方民族との間に交流があったことが明らかとなっているところです。

 北海道の縄文文化とアイヌ文化は、北海道という同じ風土の中で、自然と調和しながら成立・展開したものであり、その精神性に共通する要素もあると考えられておりますが、小野寺委員ご指摘の見解については、アイヌ文化の成り立ちについていろいろな議論があり、道としては、先ほど申し上げたとおり、他の民族集団からの影響も考えられるものと認識をしているところです。
2 縄文の人々とアイヌの人々について

小野寺委員

 言いたいことがあるのですが、あとで言います。

 もう一つ、縄文時代に北海道に居住していた人々が、そのまま世代を重ねてアイヌの人々になったのではない、という理解でよろしいのかを確認させてください。
文化・スポーツ担当局長
 縄文の人々とアイヌの人々についてですが、DNA分析などの最近の科学的知見によると、『アイヌの人々は縄文の人々の単純な子孫ではない』とする学説が有力であり、大陸から北海道に移住してきた北方民族に特徴的な遺伝子なども多く受け継いでいることが判明してきているところです。

小野寺委員

 『単純な子孫ではない』ということで、関係ないということだと思います。

 縄文文化の展開とアイヌ文化の成立には2,000年もの隔たりがある、ということですが、道立アイヌ文化研究センターの委員なる方が実際に「北海道の縄文人はアイヌの祖先だ」というふうに言っていますし、教育委員会で主催したシンポジウムにおいて、【語ろう縄文人】というようなものがあり、そこでも、「縄文人は虫歯が少なくて、虫歯が少ないのは、アイヌの食文化と似ていて、これはアイヌ文化ではないか」というようなことをその方が言っておりました。

 これは非常にこじつけだと思いますが、さらにアイヌ文化振興財団、ここでシンポジウムをやっており、そのシンポジウムの基調講演を北海道大学の名誉教授の方がされているのですが、この方の発言も実際に、「北海道の縄文文化はその時代のアイヌ文化である」というふうに言い切っておりまして、しかも、「DNA信仰は非常に危険である」というふうに言っております。

 私がなぜこの方を問題にしているかと言うと、この方の発言に全て現れているのですが、もしも縄文時代からこの北海道がアイヌの土地であった、ということになると、どのようなことが起こるかと言いますと、この方によると、「鮭の水揚げの半分はアイヌのものにすればよい。これはアメリカ、カナダですでにやっている。北海道の国有林、道有林、国立公園、道立公園、世界遺産等の自然管理権の回復、土地使用料などを徴収すればよい」というふうに言っております。

 また、「北海道の土地を一度アイヌに返還させ、リースをすればよい」という、これはマオリ方式というらしいのですが、このようなことを、アイヌ文化振興財団の事業の中で、しかも北大の教授が発言しているということは、私は非常に重たいと考えております。

 この方は最後に、「アイヌ研究、アイヌ文化にはいくらでもお金を出すが、アイヌ利権の回復に繋がることにはびた一文、政府はお金を出さない」と言っておりますが、そのようなことを主張している方がいるのだとしたら、『アイヌの方々は、縄文人の末裔ではない』ということを一度確認する必要があると考えてこの質問をしたということを、皆さんにはご理解をいただきたいと思います。

(二) アイヌ政策を考える懇談会について

1 アイヌ政策を考える懇談会委員の選任等について

小野寺委員

 次の質問に移ります。

 アイヌ政策を考える懇談会についてですが、この懇談会は、国の有識者懇談会の設置に合わせ平成20年から道で開催しているものと承知をしておりますが、この懇談会が先週13日に開催されたというふうにも聞いております。

 この懇談会の委員はどのような方を選任し、どれくらいの頻度で開催してきたのかお伺いいたします。
アイヌ政策推進室参事
 アイヌ政策を考える懇談会についてですが、この懇談会は、国において、アイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組むため、平成20年に「アイヌ政策に関する有識者懇談会」を設置したことから、道として、この懇談会の審議に合わせながら、アイヌ政策に関する情報交換や道の施策に関するご意見をいただくために設置したものです。

 懇談会の委員は、知事及びアイヌ協会理事長のほか、国の有識者懇談会の委員を務められた方を中心に、合わせて6名で構成しておりまして、平成20年度、21年度につきましては年二回開催し、平成22年度以降は年一回開催しているところであります。
2 懇談会委員の選任の考え方について

小野寺委員

 年に一回だけしか開催しないような懇談会の重要性を理解しかねるのですが、重要性が解らないまでも、さきの第3回定例会の予算特別委員会において、私はこの懇談会には相応しくない委員がいるということを指摘させていただきました。

 この委員が作成、配布した文書を見ると非常に問題がある文書だというふうにも指摘をしたのを受け、この委員は自ら辞任したものだと私は思っていましたが、先日の懇談会にも平気で出席をしているということでした。

 今後もこの委員を選任するお考えなのかお伺いいたします。
アイヌ政策推進室長
 委員の選任についてですが、この懇談会の委員が関わった奨学金の取扱について、文書の記載内容などに不適切な面があったことから、道として、大学に対し是正について強く申入れを行った結果、制度の改善が図られたところです。

 この委員は、国が設置しているアイヌ政策推進会議政策推進作業部会の委員として、国の政策検討にも関わっている方であることから、道としては、引き続き、懇談会において専門的見地からのご意見を伺って参りたいと考えています。

小野寺委員

 この方は、札幌大学の副学長ですけれども、実際に、ある制度を知り尽くした上で、その制度を悪用するような文書を配布していたということで私は指摘をいたしました。

 その内容ですが、札幌大学では『ウレシパ奨学金制度』なるものがあり、アイヌに関わる子弟の方に奨学金を払っている制度だということなのですが、副学長が出した文書は、「札幌大学のウレシパ奨学金制度の奨学金額は授業料、初年度は入学金も含むと同額です。入学後に受け取った奨学金は、ただちにその場で大学に納めることになり、自分の手元には残りません。つまり、実際には授業料、入学金の免除を意味します。しかし、授業料、入学金免除制度にすると、北海道が設けているアイヌ修学資金を利用できなくなります。なぜなら道の修学資金は学費納入を支援するための貸付制度だからです。以上の理由から、本学では奨学金制度という形を取りましたが、実際に奨学金が給付される訳でないということをご理解ください」というものです。

 もし私がこれを正面から追及すると、学生からお金を返してもらわなければならないということになるので、そこまでの追及をしませんでした。

 それでこの副学長さんともお話をしましたが、副学長は「子どもたちは悪くない、悪いのは私である。私はどうなってもいいので子どもたちを守ってくれ」と言いました。

 学生は悪くないということで追及は差し控えられたにもかかわらず、この副学長は、制度を知り尽くした上で先ほど述べた文書を出しているということに対して、何ら反省をしていないから、先日の懇談会に出れたのだなと思っておりますし、道から辞任を求められないのだとしたら、今後は選任しないという方法もありますので、ご検討ください。
3 懇談会の必要性について

小野寺委員

 次の質問に移ります。

 この懇談会の必要性ですが、知事を座長として国の会議のメンバーと同じ方々をそろえ、年に一回だけ開いているということですが、本当に必要性があるのかということを伺います。

 知事は国の会議において、それぞれの委員の意見を聞くことで対応できるというふうに考えているのですが、道の考えを教えてください。
アイヌ政策推進室長
 懇談会の必要性についてですが、この懇談会においてはこれまで、道から国の有識者会議に提出する意見書や、道におけるアイヌ施策の取組に関する意見交換などを行ってきたところです。

 今後においても、国のアイヌ政策の推進に関連して、道として、国の事業への参画が求められることや、国の推進する施策に対して、具体的な意見や提言を行うことなどが想定されることから、この懇談会を活用し、国における議論に参画されている委員の方々からご意見や提言をいただくことは、大変有意義であると考えているところです。

小野寺委員

 年に一回しか開催する意味がないんです。

 そもそも、アイヌという定義があいまいなまま全国展開もされようとしていまが、それすら明確にしておかないで、何の会議をやっているのかと私は思います。

 もっともっと議論することがあると思いますし、北海道としてアイヌ政策をどうしていくのかもはっきり見えておりません。

 国に任せていいという話ではなく、道としてもっとしっかりと、自主性を持ってこの議論をしていただきたいと思っております。

 ただ、先ほど言ったように自らこのアイヌ政策の策定に関っている者が、その制度を知り尽くし、その制度の悪用を促すような文書を出している委員がいるという段階で、もうこの懇談会は終わっているなというふうに私は思っておりますが、実際に、本当に知事が全国展開をしたいと強く思っているのだとしたら、全国展開に堪えうる政策をしっかりと議論していただきたいということを申し添えておきます。

(三) 北海道アイヌ協会の組織のあり方について

1 アイヌ民俗文化財保存・伝承活動事業の再確認について

小野寺委員

 次に、アイヌ民俗文化財保存・伝承活動事業(ABC講座)の再確認をさせていただきます。

 北海道のアイヌ協会本部担当者からの聴取では、会計指導の一環であって問題はなかったというような話がありました。

 一度国庫の返還命令があって、もう一度おかしいものがあるということで調べたと。

 調べた中で、ある支部は、実はアイヌ協会本部から指示を受けて報告書の改ざんを行ったというような情報があったと。

 それで、道教委の担当者がこれを調べて、そういう事実はあったかもしれないけれども、はっきり分からないという、うやむやな形にしたというものでしたが、本当にこれですむのかと私は考えております。

 そこでもう一度お伺いしたいのが、担当の課ではありませんけれども、アイヌ協会を所管する課として、この問題についてどのような調査をして、どう認識しているのかを伺います。
政策推進室参事
 アイヌ協会に対する事実確認についてですが、道教委においては、平成22年のアイヌ民俗文化財保存・伝承活動事業に係る調査結果に基づき、北海道アイヌ協会に対し、委託料の一部返還を求めたところですが、平成24年第1回定例会において、この調査で不適切な事案が確認されなかった支部の中にも不適切な取扱があったとの指摘を受け、今回再確認を行われたものと承知しています。

 調査報告書の中には、アイヌ協会本部からの不適切な指示などの疑いがあったと指摘されていることから、私どももアイヌ協会本部に出向き事実確認のための聴取を行いましたところ、不適切な指示はなく、事務的な指導であった旨確認したところですが、今後、アイヌ協会本部において、こうした疑いが持たれることのないよう、適切な運営を図っていく必要があるものと考えています。

小野寺委員

 まあこれからは大丈夫だろうみたいな、厳しく指導したらどうにかなるみたいなことでここまで来ちゃったのですよ。全然だめなんです。

 この国庫の返還をした事業で、問題の無い支部がいくつかあったと言われていますが、その支部の事業報告書を見たら実は改ざんされており、私が改ざんしましたというようなことを証言する方も現れた。

 私も実際に、道教委の職員を交えて証言者と問題の帳簿を目の前にして話しました。

 本当は、何十人もでどこかに食事に行ったのに、同じ日の別の領収書では、その方はあるところに調査活動に行っていて、JRだとかバスを乗り継いで研究をしているということになっている。同じ日の領収書が二つあって、最初は私はこっちを出したんだけど、こっちは駄目だこっちにしろというふうに言われたということなんですよ。

 それで、本部が知らないと言ったから多分何もないんだろうみたいな話にはならないんです。

 そう考えると、今後どう対応していくのかということを、もっとしっかり道に考えてもらいたいと思っております。これは道教委の事業ですけれども、今まで一事が万事このようなことだったので、こんなことが続いて本当に全国展開できるのかと。

 アイヌの一般の人たちは迷惑だというふうにはっきり言っています。こんな問題が次々起きて、アイヌってそんな奴なんだというふうに言われて。でも一般の人たちは関係ないのですから。

 それは、道がしっかりと対応しないからかもしれませんよ。
2 北海道アイヌ協会役員の責任について

小野寺委員

 そこで伺いますが、アイヌ協会の役員はまったく責任を取ろうとしません。

 実際にこういった問題が起こっても、記者会見の一つをすることもなく、納税者に対して詫びたという記憶が私はございません。新聞各社、マスコミ各社も、大きくこれを取り扱いません。

 ほかの公益法人がこのようなことをしたら大問題なのに、協会役員が責任を取った覚えも有りませんが、どのような責任を今まで役員が取ったのかをお教えください。
政策推進室参事
 アイヌ協会における責任の取り方についてですが、平成22年の二回に及ぶアイヌ民俗文化財保存・伝承活動事業に係る不適切事案に関する調査結果に基づき、アイヌ協会は、業務を担当した本部事務局員に対し減給処分を行うとともに、不適切事案が発生した支部長には、文書による厳重注意を行い、さらに改善策を策定するなどして、組織一丸となって取り組んできたところです。

 しかしながら、今回の道教委の調査では、これまで不適切な取扱いの認められなかった支部にも不適切な事案があったことから、協会として、これら支部の支部長に対して、改めて文書による厳重注意を行うこととしたところです。

小野寺委員

 協会と支部に厳重注意と言われますが、これは協会事業ですよ。協会が誰かに厳重注意されなきゃだめなんじゃないですか。

 厳重注意で体質が直るものだと思っていたら大間違いだと思いますし、減給処分といったところで、三人のプロパー職員で一ヶ月の減給じゃ足りないと思いますよ。

 やると言った事業をやらずに、二回も国庫を返しているのですよ。

 事業をやっていなかったことがばれてお金を返しているというのは、減給一ヶ月で済む問題なのでしょうか。

 それを考えると、道の対応はあまりに甘いと言わざるを得ません。その団体が、別の団体だからという問題じゃないですよ。所管しているのですから。
3 北海道アイヌ協会の姿勢について

小野寺委員

 最後の質問になります。

 北海道アイヌ協会の姿勢というのは本当に甘い。自分たちの不正に対して非常に甘すぎる。

 協会には自浄作用がまったくないと考えておりますが、今後道はこの団体にどう対応し、どう指導していくのかをお伺いします。
環境生活部長
 改善策などに係る状況把握、今後の指導についてですが、アイヌ協会においては、アイヌ文化振興財団助成事業等の実施に係る不適切な事案の再発防止に向け、新たに倫理規程を策定し、支部長の責任などについて規定するとともに、「協会組織のあり方検討委員会」において改善策の実施状況と今後の対応方策を定め、取り組んできたところです。

 また、さらに今回のいわゆるABC事業に係る不適切事案を受け、新たな改善策として、講師等の謝金等の支払いについては、事業の実施を確認後、協会本部から各講師等の口座に直接払い込むこととし、資金管理は協会本部で行うこととしたほか、各支部における事業の中間報告の提出を義務づけるなど、チェックシステムの強化を図るなどの対策を追加したところです。

 道としては、道教委における、ABC事業に係る指導等と調整を図りながら、アイヌ文化振興財団の助成事業に係る改善策などの取組状況について、現地確認などを行いながら、しっかりとチェックを行い、改善策が着実に実施されるよう指導して参りたいと考えています。

小野寺委員

 部長、それでは無理です。

 あと、アイヌ文化振興財団についても、これもあまりにひどすぎます。

 私が何回か追及し、改善策を出して、もうこのようなことは二度とないということでしたけれども、その改善策を出した後の事業で、明らかにおかしい部分がたくさんあります。

 これは後ほど皆さんに説明し、期間中にいろいろ調べたいと思っていますが、アイヌ協会とアイヌ文化振興財団を徹底的に追及する質問は、選挙で勢力地図も変わるだろうということで、それを見据えて次回にジャンプをいたしております。

 幸か不幸か、衆議院選挙の結果、アイヌ議連の議員はほとんど落選をしていることから、新しいアイヌ議連が立ち上がる可能性があるということで、その議連の方々と連携をしながら、少し厳しく、この問題を追及していきたいと思っておりますので、今日はこの辺にしておきます。

 ありがとうございました。