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決算特別委員会

平成21年11月12日

小野寺委員

 それでは、通告に従いまして、アイヌ政策について、順次質問をしてまいります。
 
さきの決算特別委員会の第2分科会での経済部との議論の中で、アイヌ協会釧路支部は、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構から、さまざまな支援を受けていることがわかりましたが、私のところに来ている情報の多くが、不明朗な行為に関するものでした。
 
この機会に、すべての疑惑を解明した上で、決算に対する判断をしたいと考えたものですから、アイヌ文化振興財団の事業について、知事にお伺いをしてまいります。
 
まず最初に、私は、本年の第2回定例会において、アイヌ文化振興財団の事業運営上の不備を指摘し、アイヌ政策が、今後、全国展開される中にあって、主要な役割を担うはずの当団体の現状を考えると、その役割をこの団体に担わせてはいけないということを申し上げました。
 
それに対し、知事は、いやしくも批判や疑いを招くことのないよう、財団事業の運営全般について、改めてしっかりと指導していかなければならないと答弁をされました。7月以降、道は、財団に対し、どのような指導を行ったのか、まずお伺いいたします。
高橋知事
 アイヌ文化振興財団に対する指導についてでございますが、第2回定例会終了後、直ちに、担当の環境生活部に対し、委員から御指摘いただいた事項を含め、すべての事業について総点検し、改善作業に入るよう指示をいたしたところであります。
 
担当部では、財団事務局と数度にわたり協議を行い、各種審査委員を公表することや、工芸作品コンテストの受賞作品の買い上げをやめること、また、伝統工芸 複製助成事業に関し、事業採択者への経費の一括払いや、材料の購入方法、講師の選定方法、材料費の上限額を見直すことや、各種事業の実施結果につきまして は、報告書の確認ばかりでなく、現地の実態を正確に把握するため、抽出により実地検査を行うなどして、事業が適正かつ効果的に行われるよう、改善を求めて きているところであります。
 
なお、財団におきましては、事業運営委員会に諮り、順次、改善に取り組むことといたしておりますので、その改善が確実に実行されるよう、引き続き指導してまいる所存であります。
 
以上であります。

小野寺委員

 私は、アイヌ文化振興財団が、平成9年に設立以来、10年間以上にわたり、アイヌ文化の振興や保存伝承に貢献してきたことについては否定するものではありません。
 
しかし、2定においても指摘したとおり、事業の運営が明らかにずさんであり、まだまだ不明朗な行為があるという情報、特に金銭にまつわる情報が多くあるのも事実であります。
 
例えば、けさの新聞でも報道されておりましたが、私がアイヌ政策の調査を進めていくうち、平成15年度の国際文化交流助成事業で、春採アイヌ古式舞踊釧路 リムセ保存会に、タイとの交流事業を行うために325万2000円の助成決定がされたにもかかわらず、そのうち、162万9000円が過大請求とみなさ れ、返還命令されていた事例があることを突きとめました。なぜ、このようなことが起こってしまったのか、お教え願えませんでしょうか。
 
また、助成金は、既に何かに使われてしまっており、5年がかりでやっと返還をされましたが、道は、この事実を知っていたのかもあわせてお教えください。
 
また、果たして、こんな状況で、知事の改善指導が着実に実行される保証があるのでしょうか。保証できないのであれば、法人としての使命を果たす能力がないというふうに私は考えますが、知事は、この点をどのようにお考えになるのか、お教えください。
高橋知事
 財団に対する改善指導の実効性についてでございますが、まず、平成15年度の助成金の返還事例は、国際文化交流の派遣事業で、架空領収書による旅行代金 の水増しが発覚し、財団が事業者に返還を求めたものであり、財団からは、平成16年6月の決算書提出の際に、道に説明があったところであります。極めて不 適切な事案であると考えております。
 
申すまでもなく、アイヌ文化振興財団は、アイヌ文化の振興や、アイヌの伝統、文化に関する知識の普及啓発を行う全国唯一の法人であり、また、今後、全国展開されるアイヌ施策推進の中核的な役割を担う組織であります。
 
私といたしましては、アイヌ文化振興財団が、こうしたみずからの役割をしっかりと踏まえ、正すべきものは正しながら、国民、道民の皆様方の信頼を得ることができますよう、今後とも引き続き、財団を指導してまいる考えであります。
 
以上であります。

小野寺委員

 実は、財団には、このほかにも未収金がございます。これらも大きな問題だと思っております。
 
例えば、ある支部に150万円の概算払いをしていたのに、作品ができ上がる見込みがなく、そのために、返還命令をかけても、いまだにお金は一銭も返ってきていないという詐欺まがいの事例もございました。これは、釧路とは別の支部の話でございます。
 
また、ハワイとの国際文化交流助成事業においても、旅行代理店から、航空代金の支払い訴訟が支部に提起され、その代金の立てかえ払いを、なぜか北海道ウタ リ協会本部が行っておりました。道は、この事実を、財団からも、ウタリ協会からも聞かされていなかったのでしょうか。これも、釧路支部とは違う支部の話で ございます。
 
先ほど、知事は、答弁の中で、架空領収書による旅行代金の水増しが発覚したと答弁をされましたが、これは、れっきとした犯罪でござ います。財団の対応は本当に適切だったのか、私は大きな疑問を持っているところでございます。道は、もっと毅然とした態度をとるべきだということを指摘さ せていただき、次の質問に移ります。
 
今も申し上げましたが、不適切な事案への財団の対応について伺いますが、財団は、ずさんな事業採択を行い、いいかげんな事業報告を承認している、そういう団体でございます。私は、この団体には大きな問題があると考えております。
 
例えば、平成15年の国際文化交流助成事業において、アイヌ弁論大会に参加したことがあるという、アイヌではない方が、助成を受け、スイスのジュネーブに行っておりますが、その事業報告書は、絵日記のような、ひどい内容のものでした。
 
しかも、この事業では、35万円の通訳料を支払っていることになっておりますが、事業報告書に添付された領収書の金額欄には、「35万」という、通貨単位 のない数字のみが記入され、なぜか、ジュネーブ在住の通訳の方が発行した領収書には、御丁寧にも200円の収入印紙が張られておりました。
 
また、平成16年の奨励研究事業においては、年齢が同じなので、多分、双子の姉妹の方だと思いますが、2人とも同じ研究を行い、それぞれの方に約43万円を助成しておりますが、この方たちは、この助成金を使い、新品のパソコンを購入しておりました。
 
民主党の鳩山総理が、税金のむだを1円でもなくすとおっしゃっておりますが、こんなに大盤振る舞いをしている事業があるということをお伝えしたいぐらいであります。
 
さらに、会場費が上限額を大幅に超える200万円以上のイベントを行うために、5人の方が、同じ期間、同じ場所での事業申請を行い、イベントを5人展として、5人の方がばらばらに会場費を請求し、上限額以上の会場費を使っている事例もございました。
 
アイヌ文化振興財団は、いいかげんな事業申請も、適当な事業報告書も、平気で承認しているのであります。こんな事例はまだまだたくさんございます。
 
知事、我々道民は、こんないいかげんな財団に年間で3億円以上も拠出をしているのであります。財団の体質自体に問題があると私は考えますが、いかがでしょうか。知事の見解をお聞かせください。
 
また、これら、財団において疑わしい事業があれば、道として再度チェックをする必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 
さらに、北海道として、今後、財団に対してどのように指導し、どう対応していくのか、具体的にお教えください。
高橋知事
 アイヌ文化振興財団の不適切な事案への対応についての御質問でございますが、ただいま、委員から、財団が行っている国際文化交流助成事業や研究助成事業 などにおいて、大変不適切な事例がある、このような御指摘をいただいたところでございますが、私といたしましては、改めて、詳しく財団から事情聴取をし、 問題があれば、必要な措置を講ずることとしたいと考えているところであります。
 
また、第2回定例会において委員から御指摘を受け、現在、財団に対し改善を要請している事項に加え、助成対象経費を見直すほか、不適切な事案の関係者については、助成対象から一定期間除外するなど、厳しく臨むことが必要である、このように考える次第であります。
 
以上であります。

小野寺委員

 わかりました。
 
次に、アイヌ協会釧路支部の、平成20年度におけるアイヌ文化振興財団からの助成事業について伺ってまいります。
 
さ て、平成20年度のアイヌ協会釧路支部の事業決算書──これは、総会資料であり、実際に道アイヌ協会で保管されていた資料でございますが、この資料では、 アイヌ文化振興財団からの四つの助成事業が決算書に計上されておりますが、これらの事業についてお伺いをさせていただきます。
 
一つ目が、イタオ マチプ──舟の複製事業でございます。伝統工芸複製助成事業で105万2000円、二つ目が、国内文化交流助成事業の音別ウタリ物故者イチャルパで58万 8000円、三つ目が、第38回コタン祭で74万3000円、四つ目が、第27回カムイチェップ祭で81万7000円の事業収入となっております。
 
このうち、三つの事業について不明朗な点がございます。
 
まず、伝統工芸複製助成事業のイタオマチプについてでございますが、財団から支部への支出は210万4000円であるのに対し、支部の収入は105万2000円しか計上されておりません。
 
しかし、支部から財団への実績報告は、証拠の領収書が添付されて、210万4000円で財団に提出されている事実も押さえております。残りの105万2000円はどこに行ったのか、疑問が残ります。
 
二つ目ですが、国内文化交流助成事業のカムイチェップ祭です。これも、財団から支部への支出が86万7000円であるに対し、支部の収入は81万7000円となっており、5万円の差異があります。
 
まず、この二つについて伺いますが、このように、支部の決算の収入と財団の支出に差異があるのは大問題であると考えますが、事実関係はどうなっているのか、お伺いをします。
高橋知事
 アイヌ協会釧路支部の伝統工芸複製助成事業等についてでありますが、平成20年度にアイヌ協会釧路支部において行われた伝統工芸複製助成事業について、 アイヌ文化振興財団がアイヌ協会釧路支部に助成した額と、アイヌ協会釧路支部が決算書の収入として計上した額には、委員が御指摘のとおり、差が見られると ころであり、国内文化交流助成事業のカムイチェップ祭についても同様でありますので、今後、現地調査を行うなどして、事実関係を正確に把握した上で、必要 な措置を講じていかなければならないと考えております。
 
以上であります。

小野寺委員

 これはしっかりと調査をしていただきたいというふうに思います。
 
最後の一つでございますけれども、国内文化交流助成事業のうち、音別ウタリ物故者イチャルパについても問題があります。
 
参加者として記載されている人物の一部に、実際には参加していない者が記載され、謝金を受けているなど、明らかにおかしい部分が多々見られるのですが、平成20年度の事業と、本年完了した事業において、その事実関係はどうなっているのか、お伺いをします。
高橋知事
 音別の慰霊祭についてでございますが、事業完了報告書によりますと、この慰霊祭には、古式舞踊の踊り手として47名の方が参加したとして、謝金が支払わ れているわけでありますが、委員から御指摘をいただき、一部調査をいたしましたところ、実際には参加していないとの証言や、領収書の中にも疑わしいものが あったところであります。
 
この事業についても、参加者数のみならず、事業全体について現地調査を行うなどして、事実関係を正確に把握した上で、助成金返還を初め、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
 
以上であります。

小野寺委員

 次に、財団における事業運営について伺いますが、私は、ほかにも、財団において不明朗な行為が長年にわたって行われてきたのではないかと危惧しております。知事と担当部は、このような事実をしっかりと把握してきたのか、お伺いします。
 
また、先ほど触れた助成金返還命令が出た事例でございますが、本日の新聞報道で、財団は、個別案件について、道に対して報告義務はないと、正式にコメント を出しておりました。財団がこんな態度だから、不適切な事案が次々と発生してしまうことになっていると私は思うのです。
 
私は、この財団の発言に怒りを覚えました。北海道は、財団に毎年3億円以上もの道民の血税を拠出しているのです。にもかかわらず、財団のコメントは、道民を愚弄するものであります。
 
私は、このような団体に税金を拠出したくないとまで思うのですが、この財団の不見識な姿勢を早急に改める必要があると考えますが、知事はいかがお考えでしょうか。
高橋知事
 財団における事業運営についての御質問でございますが、アイヌ文化振興財団における事業運営につきましては、これまで、委員から、財団職員の発言なども含めて、さまざまな御指摘を受けたところでございます。
 
これらの事案につきましては、事実関係をしっかり調査した上で、必要な措置を講じていかなければならないと考えているところであります。
 
なお、財団に対しましては、不適切な事案が発生した場合には、遅滞なく道に報告をするよう、改めてまいります。
 
以上であります。

小野寺委員

 ありがとうございます。
 
半分が道民の血税で、そのお金で運営されているということを十分に向こうに理解させていただきたいと思うものでございます。
 
次に、アイヌ協会本部の対応についてでございますが、これも極めて不適切だと私は考えております。
 
私が指摘した事業は、アイヌ文化振興財団の助成事業ではありますが、助成を受けているのは、アイヌ協会の釧路支部であります。先ほども申し上げましたが、 私は、ほかにも、アイヌ支部の中で不明朗な行為が長年にわたり行われてきたのではないかと危惧しておりますが、アイヌ協会本部は、支部に対してどのように 指導してきたのか、お教え願います。
 
また、協会体制強化のためにも、平成15年度まで道が行ってきた事務局長派遣を再開してはいかがかと考えますが、見解を伺います。
高橋知事
 アイヌ協会本部の対応についてでありますが、アイヌ協会では、必要の都度、事務局長や事務局次長が現地に赴き、指導をしておりますほか、地区別懇談会を 開き、情報の共有や指導助言をしており、また、理事会において討論した内容を、役員を通し、各支部に伝達するなど、支部の事業運営が適切に行われるよう、 対応していると伺っているところであります。
 
また、アイヌ協会の事務局長への道職員の派遣について、ただいま委員から御提案をいただいたところ でございますが、アイヌ協会の事業運営については、基本的には、協会みずからの責任において考えていただくべきものであり、その手法などについて、アイヌ 協会と相談をしてまいりたいと考えております。
 
以上であります。

小野寺委員

 今、知事から、アイヌ協会の事業運営については、基本的には、協会みずからの責任において考えていただくものであり、相談するとのお答えをいただきまし たが、私は、そんな悠長なことを言っている場合ではないというふうに思っております。アイヌ協会やアイヌ政策の存続にまでつながる大きな問題に発展する可 能性があるからです。
 
そこで、もう一度、知事にお伺いしますが、私は、アイヌ協会の支部でのこのような不適切な事案が発生するというのは、道の 公益法人の指導監督という点にも問題があったと思っております。これに対する見解をお伺いするとともに、道として、アイヌ協会に対し、今後どのように指導 監督をしていく考えなのか、お伺いをいたします。
高橋知事
 アイヌ協会に対する道としての指導監督についてでございますが、今回御指摘をいただいている問題につきましては、アイヌ協会の本部が、各支部の事業や会 計を十分に把握しておらず、支部まで含めた内部統制が十分機能していなかったことに加え、これまでの道の指導も十分でなかった点がある、このように反省を しているところであります。
 
道といたしましては、今後、支部運営のあり方や定款の見直しを初め、法人運営体制の抜本的な改革について、早急に指導助言をしてまいる考えであります。
 
以上であります。

小野寺委員

 道として、支部運営のあり方や定款の見直しを初め、法人運営体制の抜本的な改革について、早急に指導助言してまいるという前向きな答弁をいただきましたので、次の質問に移ります。
 
私は、第1回定例会からきょうまで、修学資金の問題や、羅臼での会員急増の問題、大学等修学資金の貸付制度における24億円の減免の問題、委託業務を受け た札幌支部における機動職業訓練のずさんな運営の問題など、アイヌの人たちに係る多くの施策について問題を提起し、いろいろな角度から指摘をしてまいりま した。
 
なぜかといえば、アイヌの人たちへの施策が、平成22年度以降、全国的に展開されることを目前にし、現在、北海道で行われている政策が余りにもいいかげんで、このままでは、全国的なお手本にはなり得ないという危機感を持っているからであります。
 
アイヌの人たちへの支援は無論必要ですが、甘い取り扱いや過剰なサービスは、到底、国民の納得を得られるはずはないのであります。
 
有識者懇談会の報告では、教育の重要性、国民理解の重要性に関して多くの記述がありますが、制度をないがしろにする一部の人のために、アイヌ民族全体に悪 影響を与えたりしないよう、財団も協会も、みずからを厳しく律してもらうことが、国民の理解を得るものであると考えております。
 
先ほど、知事 は、平成20年度の伝統工芸複製助成事業と国内文化交流助成事業の音別ウタリ物故者イチャルパ、第27回カムイチェップ祭についても、あれだけの問題があ り、事実関係を調査するとお答えになったのであれば、これを必ず実行していただくとともに、北海道アイヌ協会の支部における事業で疑わしい事案があれば、 その事実関係を徹底的に解明する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
高橋知事
 不適切事案への今後の対応についてでありますが、先ほどもお答えを申し上げましたとおり、伝統工芸複製助成事業など三つの事案につきましては、事実関係を早急に調査し、必要な措置を講じていきたいと考えております。
 
委員が御指摘のとおり、今後、アイヌ施策を円滑に進めていくためには、国民、そして道民の皆様方の理解が何より大切でありますので、まずは、不適切な事案 が発生しないよう、アイヌ協会本部からの指導を徹底してもらうとともに、私といたしましても、事実関係の解明に向け、徹底した取り組みを進めていかなけれ ばならないと、改めて考えている次第であります。
 
以上であります。

小野寺委員

 最後の質問であります。
 
私は、本道において、本当にアイヌの人たちのためになる施策が正しく展開されることを願わずにはおられません。高橋知事の決意をお伺いしたいと思います。
高橋知事
 今後のアイヌ施策の実行に向けての私の決意についての御質問でございますが、アイヌの人たちが誇りを持って生きていく社会を築いていくためには、アイヌ協会とアイヌ文化振興財団が、車の両輪の役割を担っていく必要がある、このように考えているところであります。
 
アイヌ協会が各支部を含めて一丸となること、そして、アイヌ文化振興財団の事業が、多くの人たちの理解のもとで有意義に活用されることによって、アイヌ文化の豊かさ、奥深さを世に広め、広く国民の皆様方との共生が実現されていくものと考えているところであります。
 
このことは、昨日、道のアイヌ政策を考える懇談会を開催したわけでありますが、この席上で、私からアイヌ協会の理事長などにもお話をさせていただいたところであります。
 
このたび委員からいただいたさまざまな御指摘は、私ども、そしてアイヌの人たちへの応援と受けとめさせていただき、今後とも、二つの団体には、みずからを厳しく律するとともに、道と常に連携を密にしていただきたいと考えているところであります。
 
道といたしましては、今後とも、アイヌ施策を着実に推進するよう努めてまいりたいと考えているところでありますので、委員におかれましても、ぜひ御理解をいただきたいと存じます。
 
以上であります。

小野寺委員

 私の一連の指摘について、知事は、道庁とアイヌの方々への応援であるとお答えになってくださいました。
 
私は、道議会において、アイヌ政策の問 題をずっと追及してきました。幾らタブー視されている問題だとしても、そこに本当に問題があるのであれば、我々議員は、それらをなくすために働く責務があ ると信じているからであります。そして、それらの問題によって苦しんでいる方がいるのであれば、なおのことだと思っております。
 
そもそも、なぜ我々はアイヌ政策に関する議論をタブー視してきたのでしょうか。道庁や道民、そしてアイヌの方々が力を合わせて、すばらしいアイヌ文化や歴史をどうやったら守っていくことができるのか、きちんと議論してこなかったことが原因だと私は考えております。
 
アイヌ政策にこれだけの問題が生まれた原因はどこにあるのか、行政やマスコミ、そして我々議員の責任も非常に重いものであると考えております。
 
それは、今日まで、アイヌ政策に問題があることを知っておりながら、見て見ぬふりをし続けてきたばかりか、アイヌ政策を必要以上に美化し続けてしまったからです。そして同時に、私は、現在のアイヌ政策に関与してきた研究者や学者の方々にも責任があると考えております。
 
臭い物にふたをし続けてきた結果、アイヌ政策がこのようになってしまったわけですから、知事には、一からアイヌ政策を立て直すという勇気と気概を持っていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。