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第1回予算特別委員会第2分科会

平成21年03月25日

小野寺委員

 それでは、時間も時間ですので、淡々と質問を行ってまいります。
 
まず、道教委における特別職非常勤の再就職についてでございますが、私は、昨日、同じ質問を知事部局にしたところでございますが、道職員の退職後の再就職に対して、道民は非常に高い関心を持っております。
 
道職員OBが、関与団体や、道から仕事を受注している会社へ再就職するということが問題になっておりますが、ここでは、道教委職員の道立施設への再就職について質問をします。
 
道職員OBが道立施設に再就職することは、再就職取扱要綱に規定をされておりませんが、そんな非常識な再就職はないということで、想定外のことであるとい うことにほかならないと思っております。しかし、実際には、昨日も質問をしたのですが、知事部局では1カ所ございました。
 
そこでお伺いしますが、道教委では、どれぐらいの職員OBが道立施設に再就職をしているのか、お伺いします。
戸沢総務課長
 職員の道立施設への再就職についてでございますが、近代美術館など五つの道立美術館の館長と、道立生涯学習推進センターの所長に、道教委を退職した職員を特別職非常勤として任用しているところでございます。

小野寺委員

 知事部局では1カ所であったものが、道教委では6カ所も道職員OBが天下っているということで確認をさせていただきます。
 
次に、その道立施設に再就職した職員の前職及び勤務形態並びに給与はどのようになっているのか、また、その給与はどのように決定をされたのか。
 
例えば、近代美術館では、なぜ、週2日勤務となっており、日給制ではなく、月給制をとっておられるのか、そこら辺のことについてお伺いをいたします。
戸沢総務課長
 道立施設の特別職非常勤職員についてでございますが、近代美術館の館長には、道教委の前教育長を任用しているほか、ほかの五つの道立施設の館長等には、いずれも、道教委の局長級の経験者を任用しているところでございます。
 
勤務形態につきましては、近代美術館以外の五つの道立施設の館長等は、週4日勤務を基本としているところでありますが、近代美術館の館長につきましては、組織体制などを勘案いたしまして、週2日勤務を基本としているところでございます。
 
また、これらの施設の館長等の報酬につきましては、北海道特別職職員の給与等に関する条例に基づきまして決定をしておりまして、例えば、近代美術館の館長 につきましては、その職責ですとか、他の同様の職との均衡等を勘案いたしまして、月額42万5000円としているところでございます。

小野寺委員

 週2日ということでございましたが、正確には週13時間30分で、年間510万円をもらえるというのは、道民の感覚からしても破格だというふうに私は思 うわけでございますが、なぜ2日にしたのか。私は、この2日ということに非常に意味があるというふうに思っております。それは、この館長が非常勤であれ ば、ほかの仕事も兼務できるからであります。
 
このような勤務形態により、複数の場所から多くの報酬を得ていると思いますが、これは道民の目を欺く行為であると私は考えております。道教委の見解を伺います。
戸沢総務課長
 近代美術館館長の勤務形態についてでございますが、他の職の兼務を前提としたものではなく、組織体制などを勘案するとともに、民間人であった前館長の勤務形態も参考に、週2日勤務を基本としているところでございます。
 
なお、勤務日以外の日に他の職につくことについては、道教委が規制することは難しいものと考えております。

小野寺委員

 ただ、この前教育長がほかの勤務によって多額の報酬を得ている場合、本当に、週2日、年間510万円でいいのかというのは、しっかり検証する必要があると思いますし、それが皆さんの道民に対する責務だというふうに私は思っております。
 
特別職非常勤といったところで、道職員でございますから、その先のことはわからない、兼務の仕事で幾ら報酬を得ているのかはわからないという話にはならないと思いますので、しっかりと対応をしていただきたいというふうに思うわけでございます。
 
次に、道立施設の特別職非常勤職員の報酬等についてでございますが、給与については独自縮減をした額なのかどうか。また、これらの方々は、給与や年金など、いろいろな収入があると思いますが、年間幾らもらっているのか、もう一度お伺いをしたいと思います。
 
これらの方々は、道の特別職非常勤職員でありまして、道としても、知らないというわけにはいかないと思いますので、御答弁を願います。
戸沢総務課長
 道立施設の特別職非常勤職員の報酬額などについてでございますけれども、館長等の報酬額につきましては、道の財政状況にかんがみて、平成18年度から、額の見直しを行っているところでございます。
 
なお、近代美術館館長につきましては、他の職にもついていると承知はしておりますが、教育庁等職員の再就職に関する取扱要綱の適用団体ではないこと、ま た、道教委に対して人材紹介要請があったものでないことから、道教委としては、個人の報酬額を把握する立場にはないというふうに考えております。

小野寺委員

 再就職取扱要綱の適用団体でなくても、この職員は現に道職員であるわけですから、その給与総額を知らないということにならないと私は思います。答弁で は、わからないということで、それは、それで納得せざるを得ないのかもしれませんが、知事部局の方では独自縮減をしておりませんでしたので、その部分はよ しとしますが、実際、独自縮減をした額で、月に42万何がしのお金をもらっているということです。
 
規定で決められている月額47万5000円が 非常勤特別職では満額の金額でございまして、ほぼそれに近い金額を週2日の勤務でもらっていたということは、やはり問題にせざるを得ないということで、こ の部分はしっかりと皆さんに認識をしていただきたいというふうに思います。
 
次に、近代美術館館長の任用についてでございますが、例えば、なぜ、 道立美術館の館長のポストを空席にして──前教育長がどれだけ美術に造詣が深いかは私は存じ上げませんが、しょせん、美術に関しては素人の道職員OBをな ぜ館長にしてしまっているのか、私は全く理解のできないところでございまして、この部分に関しましては、道教委の見識を疑っているところでございます。
 
また、再就職した道教委職員OBは、教育長という特別職に上り詰めた人物でありまして、本道の教育を担っていた、そういう人物が、道民の理解が到底得られないような再就職を行っていたこと自体、私は、嘆かわしいと言わざるを得ないわけでございます。
 
そこで伺いますが、なぜ、道民が理解しづらい、このような人選までして、前教育長を、非常識な高給で館長に雇わなければならなかったのか、道教委の見解を伺います。
 
あわせて、この再就職に関して、道民が本当に納得しているとお考えなのか、お聞かせください。
倉島総務政策局長
 近代美術館館長の任用についてでありますが、近代美術館を初め、五つの道立美術館には、道立施設として効率的な運営が求められており、施設のあり方について、独立行政法人化の研究や監視業務の民間委託化など、さまざまな視点からの検討が必要な状況にございます。
 
このような状況の中で、道立美術館が直面いたします課題に適切に対応していくため、五つの美術館の中心的役割を担う近代美術館の館長には、豊富な行政経験を持つ者の任用が必要と考えまして、前教育長を任用したものであります。

小野寺委員

 たしか、近代美術館の初代の館長は美術の専門家であったというふうに記憶をしてございまして、今の説明では、本当に館長としてふさわしかったのかということは、説明できていないというふうに私は思っております。
 
また、道民が納得すると思うのかという部分に関して、お答えをいただけませんでしたが、私は、絶対に納得していないと、これは断言することができます。
 
さらに質問を続けますが、近代美術館についてでございますが、なぜか、六つの天下りの施設の中で、北海道立近代美術館の特別職非常勤について、顧問とい う、わけのわからない役職が設置をされております。その人物にまで給与を払っていたわけでございますが、なぜ、この施設だけが、意味不明な役職を設けて給 与を払い続けていたのか。道が行財政改革を行っている中で、私は理解できないところでございます。
 
この役職が本当に近代美術館に必要なのか、この美術館の顧問という役職の必要性を抜本的に見直すべきと考えますが、見解を伺います。
倉島総務政策局長
 近代美術館の顧問についてでありますが、近代美術館において、より質の高いサービスの提供など、管理運営のあり方について総合的に検討し、必要な措置を講ずるため、専門的立場からの助言を受けることを目的に設置したものでございます。
 
顧問には、民間企業の経営に従事された方を委嘱し、民間企業経営者の視点から、魅力ある美術館事業の展開や効率的な施設運営に関して助言をいただいてお り、特に、近代美術館職員が組織した検討会議におきまして、これからの美術館サービスのあり方に関し、意見や助言をいただいたほか、広報戦術について指導 助言をいただいているところであります。
 
なお、顧問の職につきましては、設置から3年が経過し、この間、一定の成果を得ることができましたことから、今年度をもって委嘱を終えることとしているところであります。

小野寺委員

 近代美術館についてですけれども、先ほど申し上げましたように、館長は週2日しか勤務しなくていいという勤務形態になっております。顧問を置いたことに よって、館長の仕事量が非常に減ったということになれば、道は、二重のお金を支出して、道民の税金をむだに使ったと指摘せざるを得ません。多分、道民の目 にはそう映るというふうに私は思います。
 
顧問の職については、もうやめるということで、それはそれでよしとしますが、税金をむだに使っているのだという認識はしっかりと持っていただかなくては困るというふうに指摘をさせていただきます。
 
次に、道民から見たら、道教委が道立の美術館や施設に、その分野では素人の職員OBを再就職させ、2日足らずの勤務で年500万円以上の給与を払っていた ということは、非常に驚くことであるというふうに思いますが、道教委は、このような形態で所管の施設に道職員OBを再就職させて、一体、年間幾らのお金を 使っていたのか、お示しください。
戸沢総務課長
 道立施設の特別職非常勤職員の報酬についてでございますけれども、六つの施設の館長等の今年度の報酬総額は2600万円となっております。

小野寺委員

 ということは、道職員OBの給与を税金から毎年2600万円捻出していたということになります。これも、道民にとって到底納得ができないことであるということを指摘させていただきます。
 
最後の質問でございますが、北海道経済が不況の真っただ中にある中、道教委職員OBが、勤務実態に照らしても明らかに高過ぎる給与をもらいながら、道立施設へ再就職しているという状況を一刻も早く改善すべきであると私は思っております。
 
この問題は、行革の観点から見ても、その理念に逆行するものであります。道教委が所管する美術館の館長の仕事が非常勤で済む程度の仕事であれば、なおさら 見直しをかける必要があるというふうに思っております。道教委は、今後どのようになさるおつもりなのか、お聞かせください。
吉田教育長
 ただいまは、道立美術館の館長につきまして、その報酬でありますとか勤務形態から、道民の皆様方の生活感覚に照らしてどうであるかという御趣旨のもとで御指摘をいただいたものだと、このように受けとめております。
 
もちろん、道立美術館の館長は、館の運営の責任者であるということもありますし、対外的には館の顔というようなことでもございますので、私としては、大変 大事なポジションであるというふうに思っておりますが、道立美術館といえども、他の道立施設と同様、道の厳しい行財政環境というものを踏まえまして、道立 施設として、より一層効率的な運営が求められているということでございますので、事務事業の見直し、民間開放の推進など、行政改革にしっかりと取り組んで いかなければならない、このように考えております。
 
このようなことから、道教委といたしまして、御指摘のございました道立美術館館長の報酬額や 勤務形態、さらには、道の退職職員が道立施設に再就職している任用の形態について──これは私どものところばかりの問題ではございませんので、知事部局と 十分連携を図りながら、そのあり方について検討を進めてまいりたいと考えております。

小野寺委員

 終わります。