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平成22年第13回水産林務委員会

平成22年9月7日(火)

小野寺委員

 それでは、私のほうから質疑をさせていただきます。今、平成21年度、海外資本が所有した道内の森林についての報告がございましたが、一つお聞きをしたいのが、市町村にお願いした2200社に聞する調査はどこの海外資本が所有をしていて、どこの自治体なのか、この報告がなかったので、まずそれをお教えください。
森山森林計画課長
 海外資本による森林の所有についてでございますが、道内で、水土保全林を所有する企業約2200社の調査で海外資本であることが明らかになりました1社につきましては、市町村からの情報などによりまして、中国の企業が出資していることを確認しているところでございます。また、この1社が所有する森林の所在地につきましては、後志総合振興局管内の倶知安町でございます。以上でございます。

小野寺委員

 はいわかりました。次に、これらの森林を所有した外国人・外国資本は、国土利用計画法に基づいてですね、北海道知事のほうに、なぜ、森林を取得しようとするのか、その理由を明記した届出書、これを提出をしているわけであります。
 
そこでお伺いしますが、道が調査したこの7件につきましては、どのような理由でこの所有者が森林を所有しているのか、どういう届出書であったのかをお教えください。
森山森林計画課長
 森林の取得理由などについてでございますが、平成21年の調査により判明しました、所在地が海外となっております企業等が取得した森林につきまして、その利用目的を国土利用計画を所管しております総合政策部に問い合わせましたところ、平成21年の山林の売買のうち、届出の住所や氏名により、外国人あるいは海外資本によるものと推察される山林につきまして、その届出書による利用目的は、資産保有、現況利用、牧草地となっているところでございます。

小野寺委員

 この届出書の理由なんですけれども、リゾート開発等がないと。まあ資産保有、現況利用、牧草地という目的が本当に国土利用計画法にのっとった目的として、認めていいのかなという疑問もありますし、なぜこのような目的で所有しているのかがよくわからないんですが、そこでですね、これらの森林について、どのような性格の森林であったのかということをお教えください。
森山森林計画課長
 これらの森林の性格についてでございますけれども、これら7ヵ所406ヘクタールの森林についてでございますが、保安林の指定はございませんが、水土保全林が5ヵ所355ヘクタール含まれているところでございます。

小野寺委員

 7ヵ所406ヘクタールのうちですね、355ヘクタールも水土保全林だというのは驚きですけれども、この5ヵ所に関して、この5ヵ所の森林の面積がどれくらいで、その5カ所に関して355ヘクタールが水土保全林であったという説明がほしいので、5ヵ所の面積をお教えてください。
森山森林計画課長
 先ほどお答えいたしました5ヵ所の森林面積でございますが、5ヵ所トータルで368ヘクタールとなっているところでございます。以上でございます。

小野寺委員

 ということは、368ヘクタールのうち、355ヘクタールが水土保全林というこの割合がですね、異常に高いというふうに感じざるを得ないなと。もしかして、これは危惧であればいいんですけれども、もしかすると水土保全林をねらい撃ちしている可能性があるなというふうに率直に感じるわけでございます。
 
次の質問に移りますけれども、現在、水産林務部は2200社の調査を市町村に依頼をして行っているわけでございますが、今の質問で私が言ったようにですね、実は別の道の組織内におきましては、国土利用計画法による1ヘクタール以上の森林の売買についての情報は持っているはずでございます。であるならば、両部でこの情報を共有していれば、すべてとは言いませんけれども、現在、行っている2200社に関する情報を市町村に提供してくれという調査は無意味というか、やる必要はない調査であったというふうに私は思うわけであります。
 
もし、仮に道庁のこの国土利用計画法を所管している部が、個人情報保護法等によってこの情報を共有できないというように勝手に判断をしたということであれば、これは非常に重大な問題だというふうに私は考えますが、なぜこのような2200社の調査を道が行わなければならないことになったのかをお教えください。
森田森林計画担当局長
 調査の経緯についてでございますが、本年4月に林野庁より、海外資本による森林売買に関し情報収集に努めるよう通知が出されたところでございますが、国土利用計画法に基づく「土地売買等届出書」につきましては、「土地の利用目的を審査・把握するためのものであり、届出者の国籍を審査・把握するためのものではない。」との考えが示されているところでございます。
 
道といたしましては、このような状況を踏まえまして、今回実施した約2200社の調査におきましては、「土地売買等届出書」を利用せず資本の状況などを含めた企業情報を把握するため、対象となる森林の所在市町村に、情報の提供をお願いしたものでございます。
 
しかしながら、委員御指摘のとおり、国土利用計画法に基づく「土地売買等届出書」には、森林所有者名や取得目的等が記載されており、企業情報を把握する上で重要な資料と考えておりますことから、その利用につきまして関係部局との協議を進めているところでございます。

小野寺委員

 この質問を水産林務部にするということ自体はおかしいのかなと思ってですね、私は本当は水産林務部に情報を提供しなかった担当の部なり、担当のセクションに本当は聞きたいわけでございますが、その担当のセクションがですね、本当に法制文書課等とですね、議論をしながらどこまでなら情報を共有できる、ここは情報共有できないというようなことをしっかり議論をしてですね、そして今回調査をするしないという判断に至ったのかどうか、これは非常に重要だというふうに思っておりまして、まあ市町村からみると道が知っている情報なのになぜ市町村に調査をかけるんだということで、もしかすると各市町村に北海道の縦割り行政の非常に恥ずかしい部分を露呈してしまったという、私はそういう結果になったと思いますが、あえてもう一度お聞きをしますが、本当に情報共有はできないのか、法制文書課はどのように答えているのか、それをもう一度教えください。
沓澤林務局長
 情報の共有についてでありますが、国土利用計画法を所管しております総合政策部によりますと、国土利用計画法は、土地取得の際の利用目的が土地利用計画と適合しているかを確認し、適正かつ合理的な土地利用を確保することを目的としておりますことから、国土法の担当部局といたしましては、届出書の閲覧につきましては、目的以外に利用することはできないものとして、処理を行ってきたところでございます。
 
しかしながら、昨年5月に、国土利用計画法の所管省庁であります国土交通省が監修しております「国土利用計画法一問一答・改訂7版」が発行され、その中では、「届出書の閲覧の求めに応じて協力できるかどうかは、協力を求められた官公署等の判断に係るものであり、官公署等の情報公開条例・個人情報保護条例等による。」との新たな見解が示されたところでございます。
 
道の個人情報保護条例では、原則として、情報を目的以外に利用することは認められておりませんが、例外といたしまして、必要な限度で利用し、かつ、利用することについて相当の理由があるときには、目的以外の利用ができるものとされており、これら条例や行政実例の趣旨を踏まえ、庁内関係部局との必要な情報の共有が図られるよう検討してまいりたいと聞いているところでございます。

小野寺委員

 まあ、その答弁が良かったんですけれども、簡潔にいうとできるということだというふうに思いますし、ここの部を怒っても仕方がないんですけれども、もし情報共有できていればですね、2200社の調査というものもですね、行わずにもっとスピーディにできたということですね。これは担当部でなく、その所管の部にですね、きっちりと文句を言いたいなというふうに思っておりますが、ここでは次の質問に移りたいと思います。
 
現在行っている今の2200社の調査についてでありますが、必要ないとは言いましたけれども、ただ必要ないなりにもやったことによってですね、いろいろな実態が明らかになってきたという部分があります。それでですね、この調査において、実態がない会社があったり、連絡がとれないといった幽霊会社があったりですね、まあ倒産をしているというような会社もあったというふうに思いますが、現段階でどういう状況になっていたのか、それがわかったのかをお教えください。あわせて、市町村が売買に関わる申請等のデータによって把握している森林所有者の情報と、水産林務部の森林調査簿における所有者の情報の間に乖離はなかったのか。それを確認できたのか、できなかったのか、お教えください。
森山森林計画課長
 2200社に関する調査結果についてでございますが、今回の市町村への聞き取り調査の結果、市町村におきましても所有企業の把握が困難な森林は、現時点で回答をいただいている1836社、3万5788ヘクタールのうち、798社、1万1386ヘクタールとなっているところでございます。森林所有者の中には、倒産した企業や廃業した企業などもあり、今回の調査におきましては、倒産などによる46社につきまして、市町村の情報と森林調査簿の情報が一致しなかったところでございます。
 
道といたしましては、今後、これらの調査結果を踏まえまして、倒産した企業や廃業した企業等につきまして登記簿謄本を確認するなどいたしまして森林所有者の特定に努め、森林調査簿の精度向上を図ってまいる考えでございます。

小野寺委員

 とりあえず、中間地点でございますけれど、それでも1836社のうち、798社がどのような企業なのか調査ができないというようなことは、非常に危惧する状態だというふうに思いますし、実際に道が持っているデータの中で、倒産などによる46社があって、森林調査簿と市町村の情報が一致しなかったというのも非常に大きな問題だというふうに思います。
 
次にお伺いしたいのはですね、売買の実態についてでございますけれども、多分、外国人、外国資本のほうが急に北海道、日本に来てですね、森林を買おうとしたところで非常に大変な問題があるというふうに思います。実際に売りたいという所有者を探すのも困難であると思いますし、国土利用計画法にのっとって書類をつくるですとか、売買契約を結ぶ等々かなり高いハードルがあるというふうに思いますし、実際にその森林に水土保全林が含まれているかどうかという情報を入手するのは非常に困難だというふうに思います。
 
そこでお伺いいたしますけれども、これらの森林はどのように外国資本、外国人に売買されたのか、例えば、個人から個人に移ったのか、それともブローカー等のような企業があっせん・仲介をしていたのか、どういう実態であったのかをお教え願います。
 
また、転売目的で所有されている疑いの強い森林というのは、調査の中で浮き彫りになったのか、なってないのか、そこもあわせてお伺いをいたします。
森山森林計画課長
 森林売買の実態についてでございますが、所在地が海外となっております企業及び個人が取得した森林につきましては、登記簿謄本を取得するなどして売買の状況につきまして調査しているところでございます。
 
この登記簿謄本の記載内容によりますと、会社が森林を買い上げた後に、転売が繰り返されたケースや、不動産会社が複数の所有者の森林を買い上げ、それらをまとめて売買したケースなどを確認しているところでございます。
 
また、約2200社を対象とした調査におきまして、不動産会社が所有している森林が、現時点で129件、約2800ヘクタールございまして、今後、こうした森林の売買動向を注視していく考えでございます。

小野寺委員

 多分私も、ブローカーというような役目を果たしているような企業があるやに感じています。まあこの不動産会社がですね、本当にこの森林を必要としているのか、129社、2800ヘクタールが不動産会社によって所有されているということでございますが、本当にこの森林が変な場所に転売されないことを願うばかりでございますので、しっかりと監視をしていただきたいというふうに思います。
 
最後の質問ですけれども、この2200社の調査については、市町村に依頼をしているということでございますが、それでもスピード感を持って行うべきであるというふうに考えておりますが、いつまでを目途にこの調査を終えて、今後、どのようにしていくおつもりなのかお聞かせ願います。
野呂田水産林務部長
 今後の調査についてでありますが、本道の森林を将来にわたって適切に管理していくためには、海外資本による森林売買の動きも含め、森林所有者の情報を適確に把握し、森林の整備につなげていくなど、しっかりとした森林資源の管理体制の構築が必要と考えているところでございます。
 
このため道では、約2200社の調査に当たりましては、今後とも、市町村への聞き取り調査の結果を踏まえまして、倒産した企業等につきましても、登記簿謄本等により確認を行うとともに、土地売買等届出書の利用につきまして関係部局と協議を進めながら、森林所有者情報の精度の向上に努めてまいる考えでございます。
 
さらには、ダイレクトメールにより企業の概況や森林整備の意向などの調査を行う予定であり、これらの調査結果につきましては、当面10月末を目途に取りまとめる考えでございます。
 
道といたしましては、こうした森林所有者情報の把握を通じまして森林整備に向けた課題を改めて整理し、国への提言や施策への反映などに努め、本道の貴重な水資源の保全など重要な役割を担う森林の適切な整備と管理につなげていく考えでございます。