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平成24年 第4回北海道議会予算特別委員会第1分科会

平成24年 第4回北海道議会定例会 予算特別委員会第1分科会(総務部所管)
平成24年12月19日(水)

(注:文章については、その趣旨を変えない範囲で読み易く訂正をしております)

一 外国政府への道有地の売却について

(一) 中国政府の購入目的などについて

小野寺委員

 昨今、中国政府による国内の土地購入について、いろいろ騒動が起こっております。

 例えば平成22年には新潟中国総領事館の用地として新潟市が市有地を売却しようとして問題になりましたが、住民の反対運動によりこれが凍結されております。

 しかし最終的に中国政府は1.5ヘクタールもの民有地を購入し地元ではさらに大きな問題となっていると認識しております。

 また、東京や名古屋でも同様の騒動が起こっておりますが、私は中国政府に特化してこの問題を追及しようというのではなく、実際に外国政府が日本の国土を買うのであれば、国がしっかり対応すべきであろうということで、この観点で質問して参りたいと思います。

 道では、平成15年に中国政府に対し道有地を売却していると承知していますが、その時の中国政府の購入目的は何だったのか、さらに売却額はいくらだったのかお示し下さい。
財産担当課長
 道有地の購入目的などについてですが、平成13年春に駐札幌中国総領事から、ビザ申請の受付場所を設置するため、総領事館の敷地に隣接する道有地の無償貸付等の意向が示されたところです。

 道としては、無償貸付は難しい旨を伝えた結果、有償で購入したいという意向が示されたことから、いわゆる袋地であった当該道有地についての今後の利用計画の有無や隣接所有者の取得の意思の有無を確認するとともに、在札の国の機関にも照会した上で、平成15年1月に道有地216.63㎡を535万円で売却したものです。

(二) 国に対する問い合わせについて

小野寺委員

 私は道が外国政府に道有地を売却する際は、道も国も慎重に対応すべきと考えております。

 外国政府に対し土地を売却する際には、「外国政府の不動産に関する権利の取得に関する政令」により一種の規制がかけられておりますが、道は当時、国に対して、中国政府に道有地を売却することについて、どのような問い合わせをしたのかを伺います。
財産担当課長
 国に対する問い合わせについてですが、駐札幌中国総領事から取得意向が示されたことを受け、北海道財務局に対して、土地売却の問題点などについて照会を行ったところ、同財務局からは、外交関係、領事関係に関するウィーン条約の規定に照らし、問題はない旨の回答があったほか、札幌法務局に対して、移転登記のための不動産登記上の手続きなどについて問い合わせを行ったところです。

(三)外務省に対する手続きについて

小野寺委員

 この件に関して政令第311号に違反するのではとの声もあるのですが、私も昭和二十七年の衆議院委員会の議事録等を調べ、その疑いはないと思ってはおりますが、国がこのように言っているのだなと驚いています。

 外国の政府に関する事項は、国では外務省が所管していますが、当時、道としては外務省に対しては特段の手続きは必要なかったのかを伺います。
財産担当課長
 外務省に対する手続きについてですが、当時、北海道財務局との照会などを通じて、中国総領事館への土地売却は特段問題がないとの回答や、外務省への報告などの指導もなかったことから、特にそうした対応はしていないところです。

 なお先般、外務省に照会しました結果、「外国政府への売却であっても、私法上の契約であり、特段、外務省の承認、報告などの手続きを要するものではない。」旨の、回答を得たところです。

(四)現行制度に対する道の考え方について

小野寺委員

 ということは実際に外国政府が日本の土地を買う場合、外務省が与り知らないところで買っても問題はない、と外務省が回答したということに非常に驚いておりますけれども、もう一度、道の見解を伺いたいのは、「外国政府の不動産に関する権利の取得に関する政令」において、「外国政府」とは、財務省の告示に掲げられた国以外の「財務大臣の指定した国の政府又は政府機関」となっており、外国政府に土地を売却する場合は財務大臣の承認が必要となっております。

 現在、我が国が国交を結んでいる国のほとんどが財務省の告示に掲げられていることから、これらの国は「外国政府」にあたらず、財務大臣の承認なく不動産を取得できることになっています。

 こうしたことから、道有地の中国政府への売却も、政府の特段の関与もなく進めたものと認識するところです。

 私は、財務省の告示にある国であれば日本政府の特段の関与なしに不動産が取得でき、財務大臣の承認があれば、例えば北朝鮮でも不動産取得が可能であるような現在の政令は問題があると思っております。

 今の規定であれば、国の関与なしに道有地が無制限に買われてしまうという危険もあるわけですが、このような現行制度について、道ではどのように考えるのかを伺います。
財産担当課長
 現行制度に関します道の認識についてですが、外国政府が領事館等に使用するために、道有地を取得する場合には、委員ご指摘のとおり、日本と国交があり、財務省の告示に掲載されている国に対しては、財務大臣の承認なく、道の判断だけで売却が可能となっているところです。

 この制度は、昭和20年代に政府として、外交政策上必要と判断して定められたものと認識していますが、昨今では、外国の政府が取得する土地の広さなどに関し、国の関与の度合いが適切かどうかについて、国会でも議論になっているものと承知しているところです。

小野寺委員

 これは民有地にも言えることですが、外国政府が民有地を誰にも報告せず誰の許可も得ず、自由に取得できる状況を私は異常であると考えており、穿った見方をすれば外国政府間同士で転売も可能であると思います。

(五)地方税に対する道の考え方について

小野寺委員

 外国政府が不動産を取得した場合ですけれども、不動産取得税などの地方税が非課税となっています。

 そこでお伺いしますが、外務省は外国の公館の不動産の非課税の申請、これがあるので、国としては、外国政府の公館等の所有状況をしっかりと把握しているというふうに聞いておりますが、実際には、地方税法上における「外国政府」の範囲は広く、地方の貴重な財源である地方税が非課税になっているということもしっかりと考える必要がありますが、このような地方税に関する制度については、道はどのように考えているのかをお教えください。
課税担当課長
 地方税法における外国政府の不動産取得についてですが、地方税法では、外国の政府が、我が国において取得する領事館等の用に供する不動産については、非課税となっており、これは、ウィーン条約の規定や国際慣習を踏まえた、国の外交政策上の必要性から設けられたものと認識しています。

 非課税となる外国政府の範囲については、地方税法には明文上の規定はありませんが、財務省の告示に掲載されている国と「外国政府の不動産に関する権利の取得に関する政令」に基づき財務大臣の承認を得た国が対象になるものです。

小野寺委員

 確認をします。

 先ほどからウィーン条約という文言が出ておりますけれども、実際ウィーン条約があるから外国政府が日本の財務大臣の承認無しに日本の国土を買えるという状況になっているのでしょうか。
行政改革局長
 外国政府への土地の売却についてですが、外交や領事関係に関するウィーン条約により国では外国政府に対する土地売却を容認していると考えております。

小野寺委員

 それでは例えばウィーン条約の規定に反することがあれば問題であるということで、ここは押さえさせていただきます。

 地方税、不動産取得税等の非課税の問題を質問させていただきましたが、実際に北海道にあるロシア総領事館の建物と土地の所有者は誰か、お教え下さい。
財産担当課長
 領事館の所有者につきましては、ソビエト連邦。

 今の実質的な領事館の管理者については、ロシア連邦です。

小野寺委員

 登記でソビエトという国が持っているとすれば、本当にこんなずさんな対応でいいのかと私は思う次第です。

 ウィーン条約の話がありましたが、ウィーン条約においては必要以上に広い土地、公館に関してはしっかりと判断しなければいけないと書かれていると思いますが、いかがでしょうか。
総務部次長
 外国政府への土地を売却する場合の、土地の広さの範囲ですが、土地の用途、当外国の大使館または総領事館の職員数等を勘案する必要があると考えております。

(六)今後の対応について

小野寺委員

 規模については、領事事務に必要な規模であるかどうかしっかり注視するということ、適当な施設を入手するのであればそれを手助けするということで、あまり広すぎるということは治外法権のエリアもできるということになりますので、これはしっかり対応すべきだろうと思いますし、この件に関して、ロシア総領事館の所有者がソ連だということが分かりましたし、実際にはウィーン条約をたてにとって国が主張していても、新潟では1.5ヘクタールの土地を領事館用として購入している。

 東京の大使館に至っては25,000㎡の土地を購入、名古屋では30,000㎡以上の土地を購入しようしていたとういうことを考えますと、本当にこれで適切なのかと、個人で、道で判断するということに、国があまりに無責任であると思わざるを得ませんし、さきほどロシアの総領事の土地は所有者が違うことは、政令にも違反する可能性があり、さらに無税にしているということは、地方税法これにも違反している可能性があります。

 このような国のずさんな外国政府の土地の所有の動きに関して、道として前回道有地を売却ししっかりと分かっているはずなので、国に制度の見直し等申し入れをする必要があると思いますが見解を伺います。
総務部次長
 外国政府への道有地の売り払いについてですが、平成13年度に中国政府から道有地の取得希望があった際には、国に照会を行った上で、取得目的や面積などを確認し、特に問題がないと判断し、平成15年1月に売却したところです。

 国家間で定めますウィーン条約において、外国の政府が領事館等の事務所として土地を取得する場合は、その入手を助けなければならないとしておりまして、道においても、国交のある国に対しては、協力は必要と認識しているところでございます。

 今後、外国の政府が領事館等の用地として道有地を取得したい旨の申し出があった場合には、その用途や必要面積などを確認するとともに、再度、その時点で国の考え方も十分に確認しながら、慎重に検討を行って参る考えです。

 また、小野寺委員ご指摘のソビエト連邦という現在は存在していない国が登記されたままになっている問題や、道有財産の売り払いにあたっては国の同意が必要ないこと、面積の判断基準がないままに売却できること、国防上重要な土地を外国政府が直接取得できることなど、いくつかの問題があると考えておりまして、道としても国の考え方を確認した上で、是正すべき点は申し入れて参りたいと考えております。

小野寺委員

 ありがとうございます。

 実際には外国政府が日本の国土を購入しようとすれば、自由であれば、みなさんは道有地所管の方なので道有地の話をしましたが、これは民有地についても同じで、是非、道の庁舎内で連携をして北海道の土地を守るんだということで連携してほしいということと、実際外国政府が(有り得ない話ですけれども)もし尖閣諸島を中国政府が直接地権者から買おうとしていたら買えたという話です。

 しかも日本政府に言わないで買っていたと、そのエリアをですね領事館用の建物等を建てるための目的としていたら治外法権になっていたということで、もしそうなっていたらどうなっていたんだろうと私は考えますし、今の国の制度は非常にずさんで穴だらけだとしっかり認識してほしい、これは北方領土を有する北海道だからこそ強く言っていく必要があるということを指摘をさせていただきます。

二 私立学校の運営について

小野寺委員

 私立学校の運営についてお伺いをいたします。

(一)現在の検討状況について

小野寺委員

 私は前回の道議会の一般質問の中で、道は、私立団体と意見交換しながら、学校における不適切な事案に適切に対応していくよう検討を進めるというような話をいただいたところですが、現在、その話し合いはどのようになっているのか、お教えください。
学事課長
 検討状況についてですが、私立学校において生徒への指導方法などに関して問題事案が発生した場合、私学の自主性ということを尊重しつつ、こうした問題をより適切に解決していくための方策について、私学関係団体と意見交換をしながら、検討を進めております。

(二)今後の対応について

小野寺委員

 これは、帯広のある私立高校において、チアリーディング部の生徒、当時二年生の女子生徒が、全員が特待生として入っていた子どもたちですが、教頭先生にセクハラを受けて、全員がやめるという事態になったという話がきっかけです。

 実際には、事実確認を全くしないまま学校側は記者会見をして、そのような事実はないというような発表をしたことから、問題が大きくなった。

 私は道の学事課に厳しく対応するようにということを求めましたが、いろいろ法や制度を調べると、学事課には権限がないということも分かりましたし、ただ、実際にこういう事例があるのだとしたら、しっかりと、何かできる方策はないのかということで、学事課に難しい宿題を出したというふうに私は認識をしておりましたが、しっかりと対応していただいているということで確認をいたしました。

 それで、実際に今後の対応についてですが、私学関係団体の協力を得ながら、継続的に検討を行っているということでしたが、今後、道としてどのような対応を考えているのか、お教えください。
法人局長
 今後の対応についてですが、私立学校での生徒への指導方法などに関わる様々な問題の中には、学校側の対応が十分ではなく、生徒や保護者の方々の理解が得られない場合も想定されますことから、各私立学校におきまして、あらかじめ、問題事案が発生した場合の対応の方針などを定め、これに沿って適切に対応することが望ましいと考えております。

 このため、道としては、問題事案への対応に当たっての基本的な考え方や留意事項などをまとめた、「問題事案に関する対応例(仮称)」を私学関係団体の協力を得ながら作成をいたしまして、これを各学校に周知することにより、各学校が問題事案への対応方針などを定めるよう促して参りたいと考えています。

(三)他都府県の状況について

小野寺委員

 今、各学校における問題事案の発生に備えて、道として、「問題事案に関する対応例」のようなものを作成していくというような答弁でしたが、このようなものは他の府県では、あるのかないのか、それだけお聞かせください。
学事課長
 他都府県の作成状況についてですが、各都府県に私立学校における問題事案への対応例等の作成状況を照会いたしましたところ、都府県としてこうした対応例等を作成しているところはございませんでした。

(四)「問題事案に関する対応例」の内容について

小野寺委員

 ありがとうございます。

 実際に、「問題事案に関する対応例(仮称)」には、具体的にどのようなことを盛り込もうとしているのか、教えてください。
学事課長
 対応例の内容についてでありますが、セクシュアル・ハラスメント事案や生徒への体罰などの問題事案への対応に当たっての基本的な考え方をはじめ、初期の対応、事実確認、生徒や保護者への対応、医療機関や警察など関係機関との連携などの学校として留意する事項のほか、学校で定める対応方針等の例などについて、盛り込むことを検討しておりまして、道教委作成の事例集を参考にするなど、道教委とも連携しながら作成してまいります。

(五)各学校における「問題事案に関する対応例」の作成について

小野寺委員

 ありがとうございます。

 最後の質問になりますが、各学校における「問題事案に関する対応例(仮称)」、これを学校が、受け入れるか受け入れないか、なのですが、すべての北海道にある学校において、対応方針等を作成するということが、私は望ましいというふうに考えております。

 しかし作成を働きかけるだけで、実際には作成されないということも想定されるということも考えられることから、どのように作成を各学校に促していくおつもりなのか、お教えください。
総務部長
 問題事案への対応方針の策定に関する学校への働きかけについてですが、信頼される学校づくりのためには、問題事案が発生した場合に備えまして、あらかじめ対応方針を定めておくことが望ましいと考えておりますので、全国に先駆けた取組として、各学校に、その作成を働きかけていくとともに、私立学校の経常費への助成に当たりまして、学校の取組を考慮することを検討するなど、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。

小野寺委員

 ありがとうございます。

 私は、学事課に対して、ここのところ非常に厳しく当たってきたと自分で自覚をしております。

 私は実際に、セクハラにあってやめた女子生徒全員に会いました。

 その中で、女子生徒の方々が、同じようなことがまたあったら、嫌だと、自分たちだけで終わりにしたいというような話をしたものですから、そのとおりであるなと。

 実際に行政として何ができるのかということで、いろいろ無理難題を出して、非常に申し訳なかったなというふうに思っておりますが、結果としてこのような素晴らしい対応をしていただいたということで、深く感謝を申し上げて、私の質問を終わります。