第3回予算特別委員会第2分科会

平成19年10月02日-04号

小野寺委員

 それでは、2点にわたりまして質問をいたします。

 まず1点目は、教育推進計画についてでございます。

 この教育推進計画を見た私の感想でございますが、率直に言わせていただくと、道教委が何を目指して計画を策定したのかがわかりづらい。総花的で焦点が定まっていない。この計画のもとに学んだ子供がどのような社会人になるのか、想像するのが難しい。本道教育で起こっている問題に正面から向かっていない。予算規模すらわからないという、非常に薄っぺらい印象を受けるものであります。

 そこで、一番重要な点についてお伺いをいたします。

 「新生北海道・第Ⅱ章」で、北海道の教育については、北海道らしい教育の推進がうたわれておりますが、教育計画の中で、どの施策が他府県とは違う北海道らしい教育を推し進める施策なのかがよくわからないので、まずそこをお聞きしたい。

 さらに、北海道らしい教育を行うことは、児童生徒にとってどういう学習効果があるのか、あわせてお示しください。

金光教育政策課長

 北海道らしい教育についてでありますが、道教委といたしましては、本道の豊かな自然や歴史、文化などを生かしながら、地域の特性を踏まえた教育を進めることが、北海道らしい特色ある教育を推進するものであると認識しているところであります。

 このような認識のもとで、このたびの計画原案におきましては、本道の恵まれた自然や地域の人材を活用した環境教育の推進、身近な地域の自然や歴史、伝統、文化などへの理解を深め、地域への愛着や誇りをはぐくむ「ふるさと教育の充実」、本道の基幹産業である農林水産業や観光産業などを担う人材を育成する「産業教育の充実」、児童生徒の実態等を踏まえ、地域の特色を生かした多様な教育活動の展開を推進する「特色ある学校づくりの推進」など、身近な教育資源を活用した特色ある教育の推進に向けた施策を盛り込んでいるところであります。

 こうした施策を推進することにより、北海道の子供たちの、みずからが生まれ育った地域あるいは現在住んでいる地域への理解が深まり、ふるさとを愛する心や態度が培われ、よりよい社会を築いていこうとする態度が育成されるものと考えております。

小野寺委員

 全くわかりません。ほかの府県でやっていることと全く同じことだと思いますが、次の質問に移ります。

 この長期計画の策定に当たって、現状の分析を行うと同時に、前の長期計画の検証結果をしっかりと反映させて計画をつくる必要があると思っております。この長期計画においては、第3次教育長期総合計画の検証が反映され、また、その現状の分析もしっかり行われた上でこの計画が策定されたと私は到底思えないわけでございます。

 第3次教育計画について、道で行っているようなPDCA──プラン、ドゥー、チェック、アクションという検証をしっかり行った上で、問題を洗い出して、この計画をつくったのか、甚だ疑問でございますが、その点についてしっかりと認識した上で計画をつくったのか、お伺いをしたいと思います。

金光教育政策課長

 現行計画の課題等についてでありますが、現行計画におきましては、2年ごとに推進状況を把握し、目標の達成度や施策推進上における主な課題、今後の対応方向などについて評価分析に努めてきたところであります。

 また、外部有識者で構成する北海道教育推進会議におきまして、計画の推進状況や政策評価の結果などについて御意見をいただくなどして、課題の把握に努めてきたところであります。

 こうして評価分析した課題等を踏まえ、昨年10月に策定した北海道教育ビジョンにおきまして、子供たちの学習意欲や学習習慣に関する課題、基本的な生活習慣の未確立など家庭や地域の教育力に関する課題など、子供の教育にかかわる現状や、少子化、高齢化の進行、グローバル化の進展など社会状況の変化などについて、「現状と認識」として取りまとめたところであります。

 また、このたびの計画原案におきましては、ただいま申し上げました教育ビジョンに掲げた課題などを踏まえながら、各施策項目ごとに、現状及び施策の対応方向につきまして個別の課題を取りまとめたところであります。

小野寺委員

 さて、ここからが本題でございます。

 教育計画は、本道教育の課題を踏まえたものであると答弁をいただきました。

 そこでお伺いをいたします。

 ただいま、本道におきましては、北教組から返還される主任手当による混乱がございますが、これは北海道以外では存在していない問題でございます。また、道教委が問題であると認めている四六協定についても、道教委は、これを早期に解決する必要があると議会で答弁されております。道において教員の勤務評定を行っていなかったこと等もマスコミで問題となっております。他自治体と比較しても突出している教員の不祥事の問題もあるはずであります。しかし、現状分析でその点には一切触れられておりません。

 現状の分析は、子供たちの分析、家庭、地域社会の現状分析のみを行っておりますが、なぜ学校教育現場の現状を分析しなかったのか、お伺いをします。

 新しい教育計画において、「信頼される学校づくりの推進」が大きな柱の一つであり、教職員に対する信頼性の向上を目指そうとするなら、現状の分析は当然必要であるはずです。もしそうであるならば、例えば、教職員の資質向上の目標指標を、「外部の専門家等を講師として招き、校内研修を実施している学校の割合」などという安易な目標にするはずはないわけでありまして、本当にこの点を問題として計画をつくったのか、お伺いをいたします。

金光教育政策課長

 学校及び教育現場に関する現状の分析についてでありますが、このたびの計画原案におきましては、「教職員の資質・能力の向上」及び「管理職のリーダーシップによる学校組織の活性化」の各施策項目におきまして、学校教育の成否は、児童生徒の教育に直接携わる教職員の資質、能力に負うところが極めて大きく、子供の人格形成に大きな影響を及ぼすことから、教職員の資質、能力をより一層向上させていくことが必要であること、自主的、自立的な学校運営が行われるためには、責任者である校長や教頭などの管理職がリーダーシップをより一層発揮していくことが必要であることなどの現状分析をお示ししており、これらの課題に対応するため、ただいま申し上げましたそれぞれの施策項目におきまして、教職員研修の充実や教職員の服務規律の徹底、学校における組織・運営体制や指導体制の充実などの取り組みを盛り込んでいるところであります。

 なお、目標指標につきましては、これまで道教委や国が実施してきた各種調査を活用しながら、可能な限り、教育施策の効果や成果を数値として把握できる指標を設定しようと考えているところでありまして、今後、広く道民の皆様から御意見を伺いながら、具体的な指標項目や目標とする数値の設定について検討を進めてまいりたいと考えております。

小野寺委員

 質問に答えていないわけでございます。なぜ学校現場の分析を行わないのかという質問には答えておりません。

 そこでお伺いをさせていただきますが、本道教育を今よりよくしたいという思いがあるのであれば、学校教育現場の問題、課題を認識した上で、それを分析して計画を立てるというのが本筋であるというふうに思いますが、この点についてどういうふうに考えているのか、お伺いします。

金光教育政策課長

 このたびの計画原案におきましては、「教職員の資質・能力の向上」及び「管理職のリーダーシップによる学校組織の活性化」の各施策目標におきまして、それぞれ分析を行ったところでございまして、これに基づき施策をお示ししたところでございます。

小野寺委員

 では、先ほど私が言った一連の教職員の問題等につきましては、どのような分析を行い、どういうふうな問題点の認識をしたのか、お教えください。

平山教育次長

 小野寺議員の再質問についてでございますが、教職員の不祥事などにかかわってでございますけれども、まず、教職員の懲戒処分の事例などの不祥事につきましては、現状分析に記述するまでもなく、また、事の大小にかかわらず、あってはならないというふうに考えているところでございまして、これらに対しましては、個々の事例について、法令にのっとり厳正に対処するとともに、教職員の服務規律の徹底について今後とも不断に取り組みを進めていくということにしているところでございます。

 なお、教職員の服務規律の徹底及び再発防止のために、こうした処分事案につきましては、事故の要因などを記載した事例集などを作成し、すべての道立学校、市町村教育委員会に配付しているところでございます。

 また、労使間における課題につきましては、日々臨機に取り組む事項であり、労使間で解決すべき問題であるというふうに考えてございまして、一方、教育計画につきましては、中長期的な視点に立って、道教委として北海道における教育施策を推進していくための基本的な理念や方向性などをお示しすることを目的に策定するものでありますことから、私どもとしては、記述にはなじまないというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

小野寺委員

 そうしたら、最初から、そういうふうに答弁していただければいいわけでございます。

 教育ビジョンの中で、「子どもたちの現状」として、「本道の子どもたちの体力・運動能力については、平成15年度の調査によれば、全体的に全国平均を下回っている状況にあります。」などと分析をした上で、この計画が、体力をつけるべきだ、学習能力を上げるべきだという計画になっているはずで、この中に学校のそういう問題が出ていないということ自体が問題で、実際にそういう問題もしっかりと検証した上で計画を立てている、そういう姿勢が欲しいということでこの質問をさせていただいたと理解していただきたいと思います。

 次の質問に移ります。

 国際理解教育の充実についてでございますが、北海道の教育推進計画でお聞きしたいことはたくさんございますが、その中で、国際理解教育についてお伺いをします。

 計画において、「ふるさと教育の充実」として、児童生徒に対し、我が国及び北海道、そして自分の生まれ育った地域を知り、理解を深め、郷土に対する愛着や誇りを持ち、国際社会においてよりよく生きようとする自覚を深める教育を行うとしております。

 また、「国際理解教育の充実」として、諸外国の人々と、お互いの文化、習慣、価値観などを理解し合える教育をするとしているところでございます。

 そこでお伺いしますが、私は、国際社会において活躍できる国際人とは、いろいろな国の人と理解し合うことができ、相手の国に敬意を表することができる人物であり、自国の歴史や文化、風習に誇りを持ち、日本人としてのアイデンティティーをしっかり持った人間でなければならないと考えております。

 であるならば、自国の国旗・国歌についてもしっかりと教育をして、諸外国において──特に、アジア諸国との交流を求めている議員もいるやに聞いておりますが、それならば、韓国、中国等アジア諸国でもよろしいのですが、世界において、その国の国民は自分の国の国旗・国歌に対してどのように振る舞っているのかをしっかりと教育する必要があると考えております。

 あわせて、道教委は、本道において、児童生徒の全員が国歌をしっかりと歌えるぐらいに教育をしているとお考えなのか。例えば、時間が足りなくなったとの理由で、生徒にしっかりと国歌を教えることができなかった学校があるのかないのか、そういう調査をしているのか、お伺いをいたします。

菅沼義務教育課長

 国際理解教育の充実についてでございますが、国際社会においては国旗と国歌が重んじられていることに気づかせるとともに、諸外国の国旗・国歌についても互いに尊重し合う態度を育てることなど、さまざまな観点から、発達段階に応じて、国際社会に生きる日本人としての自覚や資質を育成することは極めて重要であると考えております。

 また、国歌の指導の状況につきましては、平成15年度までは、指導が十分なされていない状況も見られましたが、平成16年度以降は、すべての小学校において音楽の授業として教育課程に位置づけられており、すべての児童が歌うことができるよう、音楽の授業や入学式あるいは卒業式の練習等で歌詞及びメロディーの指導が行われている旨、すべての市町村教育委員会から報告を受けているところでございます。

小野寺委員

 指摘をさせていただきますが、例えば、本道の学校の卒業式において、教員が着席のままであったり国歌を歌わない、その点に対して私は言及はしませんが、そのような態度をほかの諸外国でとると、とんでもなく失礼な人物ということで、国際人はおろか、尊敬もされない人間になってしまうということで、そこら辺の教育はしっかりとしていただきたいということを要望いたします。

 次に、聾教育についてお伺いをいたします。

 まず、聾学校における手話の位置づけについてでございますが、札幌聾学校では、一部の先生と保護者の間で混乱が続いております。なぜこのような混乱が起きてしまったのか、しっかりと整理する必要があると考えております。

 そこでお伺いします。

 学習指導要領の中で手話の重要性が明記をされたのはいつか、それを受け、道教委はどの時期から手話の重要性を認識していたのか。

 そして、その間、手話を使えるとはいっても、授業で使えるレベルではない教員を含め、手話を使える先生が12%にも満たなかったという事実を踏まえ、道教委は本道の聾教育において何を行ってきたのか、お伺いします。

内海特別支援教育課長

 聾学校における手話の位置づけについてでありますが、平成11年に告示された学習指導要領において、聾学校小学部、中学部、高等部の各教科の指導上の配慮事項では、補聴器等の利用により、児童生徒の保有する聴覚を最大限に活用し、効果的な学習ができるようにすることと示されており、高等部につきましては、あわせて、生徒の聴覚障害の状態等に応じ、音声、文字、手話等のコミュニケーション手段の適切な活用を図り、意思の相互伝達が正確かつ効率的に行われるようにすることと示されております。

 また、学習指導要領の解説におきましては、幼稚部から高等部を通じ、自立活動の指導について、障害の状態や発達段階を考慮して、手話も含めたコミュニケーション手段の適切な選択、活用に努めることの大切さが示されております。

 こうした中、道教委といたしましては、これまで、高等部におきましては、聴覚口話法に加えて手話も活用した指導を、また、幼稚部から中学部の段階におきましては、聴覚口話法を基本とした指導を進めてきたということもあり、手話を使える教職員の割合も少なく、手話を活用した指導という面では、他府県に比べ、取り組みがおくれている実態にあると考えているところでございます。

 このため、道教委といたしましては、聴覚口話法に加えて手話を活用した指導の積極的な導入を図ることとし、昨年度から、各聾学校において手話の研修を行うとともに、今年度からは、手話を活用した指導に関する実践研究の取り組みを始めたところでございます。

小野寺委員

 あわせてお伺いしますが、学習指導要領に、手話を適切に使うことが書かれたのは8年前ですよね。この8年間、札幌聾学校の保護者は、学校に、授業で手話を使ってほしいという要望をずっと繰り返してきました。

 道教委は、いつからその要望が始まり、その8年間、学校がどのような対応をしてきたのか、しっかりと情報として収集をしてきたのか、保護者の本道教育に対する要望や批判を道教委はどのように受けとめてきたのか、把握していたのかいなかったのか、お伺いをいたします。

内海特別支援教育課長

 保護者の要望に対する対応についてでありますが、手話を活用した指導について保護者の一部が学校に対して要望されていることにつきましては、以前から、学校訪問指導などを通じて承知しており、保護者の話をよく聞くこと、学校の考え方などについて保護者に十分説明し、理解を得ることなどについて指導してきたところでありますが、道教委がイニシアチブをとっての積極的な指導という面では十分ではなかったと受けとめているところでございます。

 道教委といたしましては、今後、学校とも連携しながら、幼児、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援が行われるよう取り組んでまいります。

小野寺委員

 何年間にもわたり、学校側は、手話は大切だと保護者に言ってきたという事実があります。本道において、聾学校側が意図的に、それでも手話を使わないようにしてきたというのは、全道平均でも12%に満たない数しか手話を使えないという数字でも明らかでございます。

 学習指導要領で手話の活用が明記され、道教委も学校も手話が大切と主張してから8年がたっているわけですが、その間、手話に関する進展は何らございませんでした。

 ある先生は、手話は大切だから、最近、一生懸命習い始めた、もう少しで授業で使おうと思っていたのに、保護者から手話ができない先生だと言われた、自分なりに一生懸命努力しているのにと言っており、こういう幼稚な自己弁護を繰り返している先生たちもいるやに聞いておりますが、その先生たちが、8年間、一体何をやってきたのか、私は本当に不思議でならないところでございます。

 長年にわたる聾学校及び教職員の手話に対する姿勢について道教委はどのように考えているのか、見解を伺います。

内海特別支援教育課長

 学校、教職員の手話に対する姿勢についてでありますが、これまで、本道の聾学校におきましては、聴覚口話法を基本とした指導を進めてきたこともあり、手話を活用した取り組みについての教職員の意識は必ずしも十分ではなかったと受けとめているところでございます。

 このため、道教委といたしましては、手話を活用した指導に対する教育的ニーズの高まりや議会議論を踏まえ、昨年度から、手話研修の手引を各聾学校に配付するなどして、教職員の意識改革を進めるとともに、手話の校内研修の促進に努めるほか、今年度からは、手話を活用した指導に関する実践研究の取り組みを始めたところでございます。

小野寺委員

 先日の道議会の文教委員会の質疑の中で、あたかも、聾学校内において、モンスターペアレントが、一生懸命手話を学ぼうとしている教職員たちに無理難題を押しつけ、例えば、謝罪をさせ、担任を外したり他の学校に飛ばしたりしている、しかも、その運動の中にとんでもない道議会議員が介入しているという旨の質疑があった、そのように私が印象を受けた質問がございました。

 しかし、私は、今回の質疑の中で、手話は大切と口だけで8年間も言い続けてきて、しかも、アクションを何も起こさなかった学校側に実は問題があったということを明らかにするために、この質問に立ったわけでございます。親の願いは8年間ずっと無視され続けてきたということをはっきりさせたかったという思いであります。

 札幌聾学校のある児童は生徒会長であったわけでございますが、体育祭の生徒会長のあいさつのときに、自分の両親が聾者だから、手話を交えて生徒会長のあいさつをしたいと言ったときにも、札幌聾学校はその使用を禁止しました。それにより児童は傷つきまして、中止をさせた先生は、その児童と保護者に謝罪をしたわけですが、その謝罪すらも、実は、モンスターペアレントと道議会議員がわざわざ謝罪をさせてしまったように歪曲された話になっております。

 そもそも、ここに問題があると私は思うわけでございまして、しっかりと事実を把握していただきたい、道教委にも問題をわかっていただきたいというふうに思っているわけでございます。

 私は、聴覚口話法を否定したことは一度もございません。議会議論もそうでございます。私は、聴覚口話法で教育を受けられる生徒と同じように、手話で学びたいと望む生徒に──先ほど、機会均等について質問がありましたが、その機会を提供したい、そのために質問をしているだけでございます。

 手話で自分を表現したい、手話でコミュニケーションをとりたい、手話で学びたいという声に対して、そのチャンスすら与えてこなかった学校側と道教委にもっと責任を認識してもらいたいと思うわけでございます。

 次に、学校の対応についてお伺いをいたします。

 今回、札幌聾学校で体罰事件があったという報道がありました。私は、保護者が、当時、学校の校長と教頭に要望書を渡す場面に同席しておりましたが、まさにその場面で体罰が行われております。

 そのとき、体罰が行われたという話があったにもかかわらず、管理職は、その場にい続けて、その事実を確認しようとすらせず、私が、こんなところに座っている場合じゃないのじゃないかと言って、それで初めて、けった先生のところに行って事実を確認するという、余りにもお粗末な対応をしたわけでございます。

 さらに、夏休み期間中も、目撃した保護者にその事実確認も全くせず、ずっとほったらかしでいた学校はどのような感じなのかと思いますが、この対応の遅さ、まずさについて道教委はどのように感じているのか、お聞かせください。

穂積学校教育局長

 学校の対応についてでございますが、学校からは、教員の体罰と思われる行為に対し、謝罪がおくれたこと、また、保護者等に対する事実確認について夏季休業期間を挟んだことから、保護者への協力要請を控えていたことなどから、その対応について保護者の理解がいまだ得られていないとの報告を受けているところでございます。

 学校としては、管理職としての初動対応が必ずしも十分でなかったものと考えておりますが、いずれにいたしましても、保護者に対して速やかに謝罪や事実確認を行うべきであったというふうに考えてございます。

小野寺委員

 まず、保護者の不信感を買ったのがこの1点で、もう一点は、マスコミの取材に対する対応でございます。

 学校側が、目撃者から情報を収集していなくて、事実確認が終わっていない段階にもかかわらず、教員の一方的な主張を事実としてマスコミに発表したことも、保護者たちの不信感をさらに増大させる結果となっております。

 最初に受けたマスコミの取材と最後に受けたマスコミの取材では学校側の発言が変わっていることを道教委は認識しているのか、それについてどう考えるのか、お伺いをします。

穂積学校教育局長

 報道への対応についてでございますが、学校における報道に対する対応の詳細については把握してございませんが、保護者も含めた事実確認がなされていない段階で、学校が把握している範囲において報道に対してコメントしたと聞いているところでございます。

 道教委といたしましては、事実確認がなされていない段階での報道への発言につきましては、誤解を招くことのないよう慎重に行うべきものと考えており、報道が保護者の方への不信感につながったとすれば、まことに遺憾でございます。

 今後、こうした事態に至ることがないよう留意を促すなど、学校に対しても指導してまいります。

小野寺委員

 学校における報道に対する対応の詳細は把握しておりませんと答えておりますが、把握するようにすればよろしいのです。新聞記事を読んでもわかります。

 前校長は、最初に取材を行ったマスコミと日時が経過してからのマスコミへの発言が変わっていると言いましたが、最後の方は、体罰を行った教師は手話を使ってその児童に注意をしたが、言うことを聞かなかったので軽くけっただけだと、校長がマスコミに事実として発表をしておりますが、複数の保護者の目撃者は、手話など一切使っていなかった、力を入れてけっていたと言っている、それが私が聞いている事実でございます。

 しかし、これもまだ事実確認がはっきりしていませんので、断言することはできませんが、そういうような目撃証言がある中で、なぜ、一方的な発言をマスコミにしてしまうのか、これが、もう一つ、保護者が学校側に不信感を持った原因でございます。この2点をしっかりと保護者に謝罪していく必要があるということを指摘しておきます。

 保護者等への事実確認についてでございますが、多くのマスコミに出た体罰を行った教員の処分を行うためには、事実確認をする必要があります。そのためには、目撃をした保護者や被害児童への事実確認が必要でありますが、その作業は、この2点を踏まえて本当にうまくいっているのかどうか、お伺いをします。

穂積学校教育局長

 保護者等への事実確認についてでございますが、体罰と思われる行為があった場合、学校は、速やかに当事者に対して聞き取りなどを行い、事実関係を把握した上で、事故報告書を提出するとともに、指導体制の見直しなど、適正な学校運営を確保するための措置を行うことが重要でございます。

 今回、体罰と思われる行為を行ったとされる教員につきましては、本人からの事情聴取を行っており、事実関係の正確な把握のため、体罰を受けたとされる児童及びその保護者等からの聞き取りに向け、何度も協力要請を行ってきておりますが、いまだその場を設定する状況に至っていないところでございます。

 その理由としては、依然として、学校に対する保護者の不信感があるのではないかと考えておりますが、この間、学校の対応について十分な配慮がなされていなかったと考えており、このことについては、道教委としても申しわけなく思っているところでございます。

 今後、早急に事実確認をするため、関係者の皆様には聞き取りに御協力をいただきたいと考えているところでございます。

小野寺委員

 保護者に、事情聴取というか、事実確認にまだ応じてもらっていないというのは本当に大きな問題で、その先生に対して処分も行えないという状況は異常事態だというふうに思っております。本当に保護者の不信感を取り除くためには、先ほど言った2点に尽きると思いますので、誠心誠意謝罪をして、保護者の理解を得ていただきたいと思います。

 次に、保護者への回答についてお伺いしますが、札幌聾学校の当時の校長先生は、やめる理由について、学校に混乱を来した責任をとるためにやめるとおっしゃいましたが、実は、その前に、問題を起こした先生が謝罪しないために私がやめるのだ、そういうような文書を保護者に発送しているというふうに聞いております。それは事実かどうか、お伺いをします。

平山教育次長

 7月24日に、一部の保護者から、日本手話による早期からの教育環境の整備、教員に対する手話に関する理解を進めること、手話についての保護者に対する不適切な発言や体罰を行ったとされる教員の担当の変更を行うことなどについての要望書が出されたところでございます。

 これに対し、当時の校長から、要望書の中にあった教員の不適切な発言や体罰に関して、そうした事実の確認ができなかったことから、保護者に対し当該教員に謝罪させることはできないと判断したものでございますが、教員を指導する立場にある校長として、教員にかわり謝罪するとともに、その意を形としてあらわすために職を辞することとしたことなどの旨の文書が出されたというふうに承知しているところでございます。

 道教委といたしましては、当時の校長に対し、みずから責任を持って事態の解決に当たるよう指導してきたところでございますが、事態の収拾に至らない中で辞職という形になったことは、まことに残念であると認識しているところでございます。

 以上でございます。

小野寺委員

 つまり、この校長先生は、自分がやめる理由についても、マスコミに対して違う理由を言っていたということで、私は本当に驚く限りでございますが、事実をしっかりと把握していただきたいと道教委に求めておきます。

 次に、聾教育におけるインクルーシブ教育の考え方についてお伺いしますが、今の世の中の流れとして、インクルーシブ教育が本当に重要だという主張がございますが、聾教育に対してはそうではないというように世界ろう連盟の方で主張しております。

 実際にインクルーシブ教育を受けるときには、その聾唖者が母語の手話をしっかり使うような環境があって初めて導入できるものだという主張をしておりますが、この点に関して、今後、道教委は聾教育におけるインクルーシブ教育をどのように考えていくのか、お伺いいたします。

穂積学校教育局長

 聴覚に障害のある幼児、児童生徒の教育の考え方についてでございますが、障害者の権利条約の採択に向けた議論の中で、世界ろう連盟などから、同じ障害を持つ仲間と教育を受ける場も必要であるといった趣旨の声明が出されていることは承知しております。

 道教委といたしましては、聴覚に障害のある幼児、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援を行うためには、聾学校はもとより、地域の小中学校等においても、障害に応じた、専門性に基づく指導や支援が行われるようにすることが大切であると考えているところでございます。

 また、聾学校においては、一人一人の幼児、児童生徒の障害の状態や発達段階に応じた適切なコミュニケーション手段を選択、活用できるようにするという観点から、聴覚口話法だけでなく、手話を活用した指導の充実を図ることが大切であると考えているところでございます。

小野寺委員

 最後になりますが、道教委として、今の聾教育をどのような形ですばらしい方向へ持っていこうとしているのか、教育長に決意をお伺いして、私の質問を終わります。

吉田教育長

 本道の聾学校におきましては、これまで、主に聴覚口話法を基本とした教育が行われてきたところでございますが、一人一人の幼児、児童生徒の障害の状態や発達段階に応じた適切なコミュニケーション手段を選択、活用できるようにするという観点から、聴覚口話法とともに、手話を活用した指導の充実を図るということが大切であると考えているところであります。

 このため、道教委におきましては、昨年度から手話の研修をスタートさせるとともに、昨年の3定でございましたけれども、小野寺委員の御質問にお答えをいたしましたように、本年度からは、3校の聾学校を研究実践校として指定いたしまして、教員の手話活用能力の向上と、日本手話も含めた手話を活用した指導方法の充実について研究を行っているところであります。

 言うまでもありませんけれども、保護者はもとよりでありますけれども、それぞれの学校の教職員も、皆、子供たちのためにどうしたらいいのかということを真剣に考え、取り組みを進めているわけでありますが、そうしたさなか、まさに研究実践校であります札幌聾学校において、一部の保護者と学校の信頼関係が損なわれ、いまだそうした状況が改善されていないということは、まことに残念のきわみでございます。

 原因につきましては、さまざまなことが複雑に絡み合っているというように思っておりますが、一連の経過を見ますと、学校の対応が十分でなかった、このように思っておりますし、また、道教委といたしましても、学校に対し、もう少し踏み込んだサポートが必要であったと考えております。

 私といたしましては、聴覚障害のある幼児、児童生徒の自立や社会参加に向けた、一人一人の教育的ニーズに適切に対応する教育を推進するため、教員の手話研修に引き続き努力をいたしますとともに、現在行っております実践研究の成果を聾学校の教育に生かしていけるよう取り組みを進めるなどいたしまして、着実に実践を積み重ねて、本道における聾学校の教育の一層の充実を図ってまいりたい、このように考えております。

小野寺委員

 終わります。