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平成22年第1回食と観光対策特別委員会

平成22年 第1回 食と観光対策特別委員会会議録
平成22年1月6日(水曜日) 於 第10委員会室

小野寺委員

 それでは私の方から数点、質疑をさせていただきます。
 ただいま、新たな食の安全・安心基本計画とどさんこ食育推進プランの策定の報告がございましたが、この中で、地産地消や食育の推進は、道民が、食の安全・安心や健全な食生活を確保する上で極めて重要であり、特に、本道の未来を担う子どもたちを対象とした学校給食の果たす役割というのは非常に大きいものがあるというふうに私は考えております。
 しかし、その推進に当りまして、多くの課題があります。その解決に向けた積極的な取り組みが必要であるということから、以下、数点について質問をします。
 まず、この計画における学校給食の位置づけでございますが、地産地消や食育の推進に関して、学校給食は重要な意味を持っております。この二つの計画において、学校給食をどのように位置づけをされているのかお教えください。
小野塚食品政策課長
 計画における学校給食の位置づけについてでございますが、学校給食については、地場産物を取り入れることにより、児童・生徒が、地元の産業や流通への関心を深め、郷土を愛する心をはぐくむとともに、望ましい食習慣の形成に向けた指導の実施など、学校における食育を推進する上で、重要なものとして位置づけております。
 以上でございます。

小野寺委員

 学校給食の位置づけがわかりました。
 それではお聞きしますが、学校給食は、子どもたちの健全な心身を養っていく上で、安全で安心のものが重要であるというふうに考えますが、本道の学校給食においては、いまだに、環境ホルモンであるビスフェノールAが溶出していることが問題になったポリカーボネート製の食器が使用されている現状があるというふうに聞いておりますが、その利用実態がどのようになっているのかお教えください。
小野塚食品政策課長
 ポリカーボネート食器の利用実態についてでございますが、平成21年5月に道教育委員会が行った調査によりますと、完全給食及び補食給食を実施しております172市町村のうち、5市町においてポリカーボネート製食器が使用されておりまして、小学校は1230校のうち、21校、中学校は645校のうち、13校となっていると承知しているところでございます。
 以上でございます。

小野寺委員

 今回、道のほうで食の安全・安心基本計画というものを出すに当たって多分この食器を使っている保護者の方ですとか、児童・生徒は非常に不安な思いを抱えているというふうに思いますが、道はこの学校給食の安全確保に向けて、このような状況をどのようにとらえて、今後どのように対応していくのかお教えください。
北村食の安全推進局長
 今後の対応などについてでございますが、環境ホルモンにつきましては、成長期の児童・生徒に悪影響を及ぼすことが懸念されましたことから、該当いたします市や町に対しまして、「北海道の化学物質問題に関する取組方針」に基づきまして、ポリカーボネート製の食器などについては、直ちに使用禁止等の措置を講ずる必要はないものの、化学物質の摂取量をできるだけ軽減させる観点から、これらの容器の使用や洗浄等に際しては、商品の特性に配慮した適正な取り扱いを図ること、また、食器の更新時期に他の材質の食器に取りかえることについて指導してきたところでございます。
 しかしながら、ビスフェノールAのこの健康への影響につきまして、近年、動物の胎児などに対しまして、これまでの毒性試験では有害な影響が認められなかった量よりも、極めて低い用量の投与によりまして影響が認められたことが報告されたことなどを踏まえまして、現在、国の食品安全委員会がリスク評価を実施しているところでございまして、道としましても、こうした情報を地域に提供するなど、ポリカーボネート製食器の他の材質への切りかえができるだけ早期に進むよう、道教育委員会と連携し取り組んでまいりたいと考えております。

小野寺委員

 今、答弁でもありましたけれども、極めて低い用量の投与でも影響が認められたと、こういう報告があったことでもかなり不安な心理になるのかなと思いますので、できるだけ早い対応をしていただきたいというふうに要望をします。
 次に、学校給食における地産地消についてお伺いをいたしますが、このたびの二つの計画で触れられている地産地消の推進について、学校給食における地産地消の利用に関して、道教委は道産の農林水産物の利用促進を図るという観点に立っております。
 私は地産地消を考える場合には、道産という大きなくくりではなく、例えば、十勝なら十勝産といったように地元の産物の消費を進めていくということが、食育の観点からも重要であるというふうに考えております。地産地消のあるべき姿これがそういう姿であると思っておりますが、このことについて、道はどのように認識しているのか。また、道教委と考えを統一して取り組んでいく必要があると思いますが、見解と取り組みをお伺いします。
北村食の安全推進局長
 地産地消に関します認識についてでございますが、地産地消は、健康で豊かな食生活の実現や地域経済の活性化を図る上で大きな意義がありますとともに、安定的な販路の確保やフード・マイレージの縮小によります環境負荷の軽減にも資する大変重要な取り組みであると考えてございます。
 道におきましては、米チェンの取り組みなど、道内におけます道産農林水産物の消費拡大に取り組んでいるところでございますが、地域におきましては、できるだけ地元のものを利用していただくということが地産地消の考え方にかなうものと考えてございます。
 特に、学校給食におきましては、児童・生徒が郷土に関心を深めますとともに、農業など地域の産業について学ぶなどの教育的効果も期待できますことから、地元の食材を使用していただくことが一層望ましいものと考えてございます。
 道教育委員会では、地場産物の利用実態を道産農林水産物というくくりで把握することとしておりますけれども、道といたしましては、学校給食におけます地場産物の利用拡大に当たりましては、地元食材の積極的な活用が図られますよう、道教育委員会と十分連携して取り組んでまいりたいと考えております。

小野寺委員

 今、答弁でもありましたけれども、道教委では例えば稚内の児童が函館でとれた魚を食べても地産地消としてカウントしているということです。私はちょっとずれているのではないかと思いますので、しっかりと見解を統一していただきたいというふうに思います。
 次に、野菜などの洗浄に関する文部科学省のマニュアルについてお伺いをしますが、食育は、さまざまな体験や地産地消の実践などを通じて、食やその源である農林水産業などについて理解を深め、健全な食生活を実践していくために大切な取り組みであるというふうに考えておりますが、今回、道が示した食育と地産地消の取り組みは、現実には整合性が取られていない面があるというふうに考えております。
 学校給食は食育を進める場として非常に重要な場ですけれども、給食で地産地消を進めようとしても、それを阻害している大きな要因があるというのも事実でございます。
 学校給食における衛生管理に関しては、文部科学省と厚生労働省の二つのマニュアルが混在をしております。これも非常に問題だと思いますが、実はこの二つのマニュアルに整合性のとれない部分が多々あるということも、問題であるというふうに思っております。例えばでございますが、学校の給食で提供するミカンなど皮をむいて食べる果物に関しても皮のついたまま3回洗わなければならないというのが文部科学省のマニュアルには書かれておりますが、これは加熱する野菜についても同様なんですけれども、こういう我々の常識を超えた対応がマニュアルに書かれていることで、給食をつくる現場では非常にこれが労力になって、地産地消に進んでいかない、そういう要因になっているというふうにも聞いているところでございます。このことについて、道は、どのように考えておられるのかお伺いします。
小野塚食品政策課長
 野菜などの洗浄に関する文部科学省のマニュアルについてでございますが、委員から御指摘ございましたとおり、大量の給食を調理する施設におきましては、調理時間や作業量に制約があるため、現在、野菜や果物について、その利用の方法等にかかわらず3槽シンクで流水により洗浄することとされているこのマニュアルの取り扱いは、地場産物の積極的な活用を進めづらくする要因となっている面もあるというふうに考えてございます。

小野寺委員

 僕もミカンを買って3回洗ってから食べるということはしません。多分、文科省のマニュアルは非常に行き過ぎている部分もあるというふうに思っております。
 ミカンの産地であります和歌山県や愛媛県では、学校給食で地場のミカンを活用促進するために、ミカンの洗浄回数について、実情に応じた対応を可能とするよう取り組みを進めているというふうに聞いておりますが、食料の主産地、農業王国の本道においても、このようなことにしっかりと対応していく必要あるというふうに考えておりますが、見解をお伺いします。
小野塚食品政策課長
 野菜などの洗浄に関する今後の対応についてでございますが、学校給食における地場産物の利用を促進するためには、食材の適切な衛生管理による安全性の確保を前提とした上で、給食施設における洗浄などの作業負担をできるだけ軽減することが望ましいと考えております。
 このため、厚生労働省のマニュアルにおいて、3回以上の洗浄が求められていない加熱する野菜・果物や分割・細切りされずに皮つきで提供されるミカン等の果物の洗浄につきましては、地場産物の活用促進等の観点から、厚生労働省及び文部科学省のマニュアルを参考としつつ、保健所とも連携し、安全性が確認された場合には、実情に応じた地域の自主的な取り組みが進めやすくなるように、適切に対応してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。

小野寺委員

 はい、わかりました。
 最後でございますが、学校給食という食育の現場では、以上指摘した件を初め、地産地消を進める上でさまざまな問題があります。食育と地産地消をしっかりと結びつけた取り組みを進めていくため、今後、道はどのように取り組んでいくのかを最後にお伺いします。
赤岡農政部参事監
 学校給食における今後の取り組みについてでございますが、食育の観点に立って、地場産物の活用を拡大していくためには、地産地消の重要性について、児童・生徒や保護者の皆さんの理解を深めていただくよう、効果的な普及、啓発などに努めますとともに、委員から御指摘のございました野菜や果物の洗浄に係る作業負担の軽減を初め、学校給食の現場が抱える課題に適切に対応していくことが必要と考えてございます。
 このため、道といたしましては、北海道教育委員会とともに、生産者団体や学校給食関係者などによる検討会を設置し、地場産物の円滑な供給のための方策などの検討・実践に向けて積極的な取り組みを進めますとともに、地域におきましても、地元食材の安定供給や出荷の時期、価格設定など、具体的な課題の解決に向けた検討・調整を行うための関係者による協議の場の設置を促進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。