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平成23年 第4回北海道議会定例会 予算特別委員会 知事総括質疑(環境生活部)

平成23年 第4回北海道議会定例会 予算特別委員会 知事総括質疑(環境生活部)
平成23年12月7日(水曜日)

(注:文章については、その趣旨を変えない範囲で読み易く訂正をしております)

一 アイヌ政策について

(一)アイヌ文化振興財団の理事について

小野寺委員

 先ずアイヌ政策について伺います。
 私は昨日の予算特別委員会の環境生活部所管の質疑においてアイヌ政策の問題を質しました。
 その中で色々な事実を示しましたが、私が問題視している点は、アイヌ政策はもとより、アイヌ協会や財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構にはまだ多くの問題があるということ。
 北海道は、アイヌ協会における不祥事が明るみになる度に「協会や財団を指導して参る」とずっと議会で答弁をしてきましたが、これは単なる 掛け声倒れに終わっている可能性が高いということ。
 更には、アイヌ協会やアイヌ文化振興財団が、おかしな方向に進んでいるかもしれないという、この三点です。
 私は、これを非常に重要な問題だと考えております。
 そこで、アイヌ文化振興・研究推進機構の理事についてお訊きしますが、これは国と道から税金により3億円ずつ、6億円で事業を行う財団法人ですが、この団体の理事は、こともあろうに、今年の9月、天皇陛下が来道されている最中に、札幌において『天皇・皇后来るな! 天皇制は反対だ! 討論集会』開催の中心的な役割を担っており、集会において挨拶もしておりました。
 思想信条の自由は分かりますが、アイヌ文化振興財団の性格等を考えると、この理事の行動は多くの道民、国民に不信感を与えるものであり、この団体の役員としてふさわしくない行動だったと思わざるをえません。この件に関する知事の認識をお教えください。
 併せて、実はこの理事は、私が道庁を通じ問題があると財団に事実確認をした後すぐに辞任をされておりますが、この理事の辞任の理由は「一身上の都合」ということでした。
 本当に一身上の都合でこの問題を処理して良いのかと私は思いますが、知事の認識をお聞かせ下さい。
高橋知事
 アイヌ文化振興財団の理事についてですが、委員ご指摘の理事については、去る10月、ご本人から一身上の都合により辞任の申し出があり、同月の評議員会に報告され、届出を受理したものと聞いております。
 アイヌ文化振興財団は、いわゆるアイヌ文化振興法に基づく指定法人として、文化の振興や知識の普及啓発など、様々な事業に取り組んでいるところであり、その事業の推進に当たりましては、現行法制下において、国民の皆様のご理解と信頼が不可欠であり、公益法人の理事は、その目的である公益を実現するために重要な職務を担っていることを、財団においても十分に認識をし、理事の選任に当たることが大切であると考えるところです。
 今後、そうした点についても財団と意見交換を行って参ります。

小野寺委員

(指摘)
 同財団の他の理事についてなのですが、アイヌ協会の不適切な会計の問題に絡んでおり、自らが領収書の改ざんを行って、本年度の初めにアイヌ協会の三役を辞任をした方、この方が同財団の役員として居座っております。
 知事は「アイヌ文化振興財団に対ししっかりと指導する」と明言をされたわけですから、今後も、あらゆる角度から、さらにしっかりと財団をチェックしていただきたいと思います。

(二)アイヌ協会札幌支部の議案について

小野寺委員

 次に、北海道アイヌ協会札幌支部の問題について伺います。
 この支部の支部長は北海道アイヌ協会本部の副理事長を務めておりますが、この支部の平成23年度、平成20年度の総会資料によると、この支部において「自治権の要求」が議論をされ、その内容は、自治憲法制定、国旗・国歌、議会、裁判所、警察と、おおよそ、国民・道民から多額の税金が投入されている公益法人の支部とは信じがたい内容の議論をしております。
 この件について、知事はどのようにお考えになるのかお示しください。
 併せて、札幌支部の元支部長ですが、日本キムイルソン主義研究会のホームページによると、この団体が開催した北海道アイヌ協会の前副理事長が講師を務めた訪朝報告会にアイヌの方々を呼び、その会場で、「いままでアイヌ民族の訪朝者が続いていなかったことにも問題があったと思う」と述べ、「多くのアイヌ民族が訪朝することが大事だ」とまで発言し、アイヌの方々に北朝鮮の主体思想(チェチュ思想)を広めようとしているようなのですが、その件についての知事の見解を併せてお聞かせ下さい。
高橋知事
 アイヌ協会札幌支部の議案についてですが、ご指摘の札幌支部の議案の自治憲法制定などの点については、あくまでも札幌支部での議論であって、アイヌ協会本部の考え方には反映をされていないものと承知をしているところです。
 先住民族の権利に関する国連宣言においては、政治、経済、文化など、広範な分野にわたって先住民族に関する様々な権利が盛り込まれているわけですが、宣言に記述された権利は、他者の権利を害するものであってはならず、財産権については、各国の国内法制による合理的な制約が課せられるものとの日本の解釈を説明した上で賛成したものと承知をしております。
 アイヌ協会は、今後のアイヌ政策の全国展開を進める上で、重要な役割を担っており、その事業の推進に当たっては、会員である支部においても同様な役割を担っていることを十分に認識し、適切に対処する必要があると考えているところであり、こうした考え方についてアイヌ協会に対し、しっかりと伝えて参ります。

小野寺委員

(指摘)
 国と道の先住民族の権利についての見解は、昨日の質疑でも確認をしましたが、今の質問において、私が問題である考えているのは、この国と道の考え方を支部にきちんと認識してもらえさえすれば、問題はなくなると考えている点なのです。
 自治権の要求など、札幌支部においてあり得ない議論がなされていると先ほど話をしましたが、実はこの支部の支部長は、北海道アイヌ協会の副理事長です。
 さらに、アイヌ文化振興財団が全道すべての小学校四年生、中学校二年生徒に配布をしている【アイヌ民族:歴史と現在】という副読本の編集委員長を務めており、更に国のアイヌ政策推進会議の委員も務めておられます。
 その方に道は何を認識してもらおうというのでしょうか。
 その方が支部長を務める支部で、自治権の要求の議論をしているというこの重さを、知事にはしっかりと認識していただきたいと思います。
 また、後ほど関連した質問をいたしますが、今、北朝鮮による拉致によって苦しみ続けている道民の方がおられます。
 それぞれの個人がいろいろな思想を広めるのは自由かもしれませんが、今の段階で、拉致をした国家の思想を広めるということは、私は道民の感情として納得のいかないことであると思いますが、その点についても毅然とした対応を道は取っていただきたい、このことをお願いして、次の質問に移ります。

(三)今後のアイヌ政策について

小野寺委員

 今後のアイヌ政策についてですけれども、もし、今後、アイヌ協会とあり方検討委員会が北海道に提出をした報告書に多くの疑義があったと判明をした場合には、知事はどのように対応をされるのかお聞かせ願いたいと思います。
 というのは、実は私のところに「アイヌ協会本部が主導で報告書がねつ造をされている」というかなり信憑性の高い情報が寄せられており、それが事実か否かを判断する最終段階に入っておりますが、これが事実であった場合、知事はどのようにアイヌ協会と対峙をされ、アイヌ政策をどのようにしていこうとするのかお聞かせ下さい。
高橋知事
 今後のアイヌ政策についてご質問ですが、アイヌ協会においては、一連の不祥事に対する再発防止のための改善策を、平成22年3月に取りまとめるとともに、その後、組織運営のあり方等検討委員会を設置をし、財団助成事業の適正な実施の推進や本部・支部における助成事業の執行体制の適正化、新しい法人制度への移行に向けた組織運営の改善等を取りまとめ、現在、信頼回復に向け、その実施に努めているものと理解をしております。
 今後、アイヌ政策の全国展開を進めるためには、国民のご理解と信頼が不可欠であり、アイヌ協会においては、国民・道民の信頼回復に向け、さらに、しっかり取り組むことが重要であると考えるところですので、道としては、今後とも、その実施状況を聴取するなど、指導監督に努めて参ります。
 なお、今後支部などにおいて、不適切な事案が発生した場合には、協会本部はもとより支部運営のあり方や定款の見直しをはじめ、法人運営体制の抜本的な改革について、厳格に対応して参る考えです。

(四)朝鮮学校への補助金について

小野寺委員

 次に朝鮮小中高級学校について、一問だけ質問をさせていただきます。
 今年度の朝鮮学校への補助金の扱いについてですが、昨日の予算特別委員会での総務部長の答弁では、今年度の補助金の支出については、今後の監査結果を踏まえながら検討するとのことでした。
 しかし私としては拉致問題が未だ進展を見せず、日本政府が認定した拉致被害者12件、17名のうち1名の方が北海道民である現状を考えると、北朝鮮という国と朝鮮学校の深い関係に懸念を抱かさる得ないわけです。
 昨年の10月、国会において公安調査庁が朝鮮総連と朝鮮学校は密接な関係にあり、学校の教育内容や財政・人事に影響を及ぼしているとの回答をしております。
 道の学事課職員の方が授業の確認をした際には、キム・イルソン、キム・ジョンイルの肖像画が教室に掲げてあったとのことです。
 子供=生徒に罪はありませんが、このような学校をもうひとつの外国人学校、『北海道インターナショナルスクール』と同列に扱うばかりか、一人あたりのお金をそれ以上支給しているようでは、道民に説明がつきませんし、道民もそれを良しとはしないだろうと私は考えます。
 知事の見解をお聞かせ下さい。
高橋知事
 朝鮮学校への補助金についてですが、私としては本道で暮らす全ての子どもたちが、国籍を問わず、等しく学ぶ機会を整備していくことが大切と考えております。
 一方で朝鮮学校の運営などに関し、懸念するご意見もあることから、これまでの議論を踏まえながら昨年度の道からの申し入れに対する学校の取り組み状況や、今後の監査、指導検査結果などから総合的に判断し、慎重に対応していく考えです。