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平成24年 第1回北海道議会定例会 予算特別委員会(環境生活部所管)

平成24年 第1回北海道議会定例会 予算特別委員会(環境生活部所管)
平成24年3月16日(金曜日)

(注:文章については、その趣旨を変えない範囲で読み易く訂正をしております)

一 アイヌ政策について

(一) 研究・出版助成事業について

1.研究・出版助成事業に係わる報告書について

小野寺委員

 個別具体に予算特別委員会なので質問をしたいと思います。
 まず始めに、『先住民族10年・市民連絡会国連研究プロジェクトチーム』に対して助成した研究助成事業についてでありますが、この事業に約154万円助成されております。
 この成果品である『報告書」についてですが、約200ページのうち約140ページは過去の論文をこのメンバーが書いたものを掲載しただけというものになっております。
 さらに、この事業で約26万円のパソコンと編集用ソフトが個人に支給されているという問題もありますし、これは本当にこの事業で、この報告書を作って良かったのか、私はこの事業自体に疑義を感じておりますが、道の見解を伺います。
アイヌ政策推進室参事
 研究・出版助成事業についてですが、プロジェクトチームによる当該事業は、平成19年の『先住民族の権利に関する国連宣言』の採択を契機に、『アイヌ民族の国連活動とNGO・市民運動の協力の歴史と展望』というテーマの下に研究成果を取りまとめたものと承知しております。
 この研究成果である報告書は、テーマである『歴史と展望』という視点から、全体の約3分の2がチームの属する団体が過去に機関誌に掲載した国連の先住民族に関する作業部会に参加されたアイヌの方々や大学教授など関係者の参加報告が使われております。
 こうした場合には編集や校正等の経費の積算基礎に変更が生じたり、費用対効果の観点からも影響が生じることもあることから、編集作業等の経過等が、実績報告に反映されるよう、今後、財団と協議して参りたいと考えています。
 また、アイヌ社会や文化に関する研究を推進するための研究・出版助成事業の成果については、広く活用、周知されることが大切でありますので、今後、その配布先についても、さらに詳しく報告されるよう改善して参りたいと考えております。
2.電話代等の契約等について

小野寺委員

 ということは、この報告書の大体60ページだけがこの本事業に関わる経費としてふさわしかったということになりますけれども、実際にこれを作るのに約154万円かかっており、60ページの報告書を100冊作って154万円ということは、1冊1万円かかっているわけでございます。
 さらにこの事業について伺いますが、助成を受けたメンバー、このほとんどが東京都内に住んでいるにもかかわらず、なぜか町田にある宗教法人のお寺で電話代やコピー代金を払っていたというような領収書が添付をされておりますが、なぜ、メンバーはわざわざ町田市まで行って、このようなことをしていたのか、その道としてどう考えるのかを伺います。
須貝参事
 電話代等の契約等についてですが、この研究プロジェクトチームの一人の方が、町田市にある宗教法人に勤務していることから、職場の事務機器等の研究に関わる使用の取り決めをした上で、関係者との連絡事務あるいは資料作成の経費として実績報告がなされたものです。
 道としましては、アイヌ文化振興財団が、助成要綱に基づき、事業完了を承認したものでありますが、経費に係る実績内訳と報告書に一部不整合な点が見られることから、今後、事業完了の承認に当たっては、慎重に内容を確認するよう伝えて参りたいと考えております。
 なお、コピーや電話代等につきまして、申請者と異なる他の団体等との単価契約的なものを行う場合につきましては、その取扱いについて、今後、財団と協議し改善して参りたいと考えております。

小野寺委員

 この事業完了報告書に添付されている領収書に非常に不整合な点が多々ある、ということで答弁いただきましたので、この点についてもしっかりと調査をしていただきたいというふうに考えます。
3.謝金の考え方等について

小野寺委員

 次、またこの事業についてですけれども、この報告書を取りまとめるに当たって、編集、校正を行うための謝金15万円というものが支払われております。
 この謝金を支払った方というのは、チームが所属している団体のメンバーでありまして、また報告書の初頭ある“はじめに”でチームのメンバーとして名を連ねている方です。さらに、円卓会議の発言内容をテープで起こしている方であり、まさに研究プロジェクトチームの実質的なメンバーなわけです。
 なぜ、この方に15万円の謝金が必要だったのかお教えください。
アイヌ政策推進室参事
 謝金についてですが、この助成事業を申請した研究チームでは、研究成果の取りまとめに当たり、チームメンバー以外の方に、報告書の取りまとめのための編集・校正・版組作業に関する、業務に対して謝金を払ったものです。
 出版された報告書を精査しますと、この方は、研究プロジェクトチームのメンバーとして登載されているほか、聞き取り調査に係るテープ起こしに直接加わるなど、実質的なメンバーとも考えられる点もあることから、財団においては、再度、当該出版事業に係る研究メンバーの役割について照会確認しているところです。
 道としては、現在行っている確認結果を待って、適切な対応を取るよう財団を指導して参りたいと考えております。

小野寺委員

 ちょっとお伺いしたいのですが、そもそもこの15万円というのは、事業計画書では何に使うこととされていたのか、お教えください。
アイヌ政策推進室長
 謝金についてですが、事業申請の段階では、中間報告書の作成という計画がありまして、最後にそれを取りまとめると。それに基づいて積算がされております。

小野寺委員

 はっきりさせていただきたいのですが、中間報告書を作るというようになっていませんか。
アイヌ政策推進室長
 中間報告書を作成するということで、事業計画書は出ております。

小野寺委員

 それは何部作るということになっていて、また、事業内容が変更したという変更届が出ているのか、お教えください。
アイヌ政策推進室長
 中間報告書につきましては、30部作るということになっております。

小野寺委員

 事業内容が変更するということで変更届が出されているのか、お教えください。
アイヌ政策推進室長
 失礼しました。変更の手続きは取られておりません。

小野寺委員

 では、誰がこの15万円は報告書の取りまとめのための編集、校正その他の費用だということで謝金として払ったものとうふうにいっているのですか。
アイヌ政策推進室長
 財団法人におきましては、事業完了報告書の際に、最後まとめました報告書とともに内容確認の上、15万円の支出を補助対象経費としたところです。

小野寺委員

 中間報告書を出すと言って計上された15万円が訳の分からない謝金に変わっていると、それで変更届も出ていないで承認もしていない財団がなぜこのようなことが言えるのか、道はどう考えるのか、お教えください。
アイヌ政策推進室長
 道といたしましては、当初の事業計画が変わりまして、事業完了したところですが、当初事業計画との積算内容に関わるものが、事業完了報告で変わっていれば、変更等の手続きが必要と思われますので、その点につきましては、今後財団と協議して参りたいと考えております。

小野寺委員

 変更届が必要なのは当然で、出ていないことについてどう考えているのかと訊いております。
アイヌ政策推進室長
 財団は限られた体制の中で、それぞれの事業申請を審査し、助成の最終的な額を決定しております。
 その中で、このような中間報告があって、最終的な報告書ができ上がるものでありますので、若干そうしたところの注意が欠けていたのかもしれませんが、今後におきましては、そういう変更等の手続きが必要なもの、これについては、そういう形で取り扱うように、財団と協議して参りたいと、このように考えております。

小野寺委員

 事業の根幹に関わることだと思うのですよ。
 中間報告書30部出す。そして、最終報告書を100部出す。
 その30部がないことを、そのように簡単な答弁で済ませていいのかと私は思いますが、たくさん質問があるので次に行きます。

(二) 2008アイヌ女性シンポジウムについて

1.シンポジウムの会場使用料について

小野寺委員

 次に、『2008アイヌ女性シンポジウム』について伺いますが、先日、財団職員等と一緒にシンポジウムの会場となった施設を私は訪れて話を伺いましたが、この事業の報告書に添付された会場使用料の領収書は、会場となった施設が公表している会場使用料と大きな開きがありまして、その領収書に疑義があったことから、この点を道議会で追求し領収内容について確認を道に求めてきましたが、その確認結果と、今後、道はどのように対応するのかという考えをお聞かせください。
アイヌ政策推進室長
 シンポジウムに係ります会場使用料についてですが、この事業は、北海道アイヌ協会札幌支部が財団助成事業として、平成20年度に札幌市内のセミナーセンターを会場に、『2008アイヌ女性シンポジウム』を二日間にわたり開催したところです。
 この事業の実績報告には、会場使用料として46,500円の領収書が添付されていたのでありますが、小野寺委員から施設公表使用料金と符合しないとの指摘を受け、財団から当該施設に、領収内容を文書により照会した結果、利用者である札幌支部からの依頼により、利用料金の一部について領収書を発行したものであり、その内容についてお答えすべき立場にないとの回答をいただいたところです。
 このようなことから、財団は、今後、札幌支部への現地確認調査を速やかに実施することとしており、道としては、その詳細な確認結果報告を求め、対応をして参りたいと考えております。

小野寺委員

 この領収書がおかしいのではないか指摘して三週間以上が経過しておりまして、この一枚の領収書の金額の確認に、なぜこんなに時間がかかるのか分かりませんが、次に進みたいと思います。
2.シンポジウムの講師について

小野寺委員

 このシンポジウムの開催に当たって、千葉県在住の女性を講師として講演に招いておりましたが、この女性は飛行機に乗った時間が非常に遅かったせいで会場入りも遅れ、シンポジウムの開始時間に間に合わず、実際には交流会へ登場して、他の参加者と同じような、自己紹介だけで話がすんだというように聞いておりますが、なぜ、この講師の方に謝金、さらには往復の旅費まで負担をして、この事業を行ったのか、さらに、この事業評価についても私は変だと考えておりますが、まず道の見解を伺います。
アイヌ政策推進室参事
 シンポジウムの講師についてですが、財団からは、『2008アイヌ女性シンポジウム』に参加した講師は、アイヌ刺繍の伝統衣装などの製作者としての実績などからアイヌ協会札幌支部が講師として招聘したものであり、謝金については、文化交流助成事業の審査基準に基づく運用上限額以内の25,000円を支払ったと聞いているところです。
 当時、財団では、助成申請や完了報告において、主に経費積算が助成要綱等に基づき正確であるかについて確認をしていたところですが、小野寺委員ご指摘の点について、その後の改善策を取りまとめる際に、単価を引き下げるとともに、事業内容についても厳正に審査するよう、改めたところです。

小野寺委員

 私は改善策を訊いているわけではありません。
 この本事業に問題があるかどうかを訊いておりまして、実際にこの女性の方は、シンポジウムに大幅に遅刻して、交流会も終わり頃に登場して、自己紹介をしただけだと私は言ったつもりです。
 そこで伺いたいのですが、道庁はこの点を認識した上で、この答弁を書いたのかをお教えください。
アイヌ政策推進室長
 この事業については、小野寺委員からご指摘をうけ、財団の方に確認をしております。
 財団におきましては、実績報告書の際に、小野寺委員が言われているように飛行機が遅れていると、その事実は承知しており、その際講師として活動した旨を、当時確認をしているということで財団から聞いているところです。

小野寺委員

 講師到着が遅れたのは飛行機が遅れたせい、のような話になっていますが、実際には神奈川で講演を済ませていたせいで、遅い便で札幌に飛んでおります。
 ですから、“はなからこのシンポジウムには間に合うはずがない行程を組んでいる”、ということを皆さんご理解の上で回答をしているとは思えないので、次の質問に移ります。
3.講師の移動経路について

小野寺委員

 次にこの女性(シンポジウム講師)の移動経路についてですが、財団が依頼した旅費との行程と実際の移動経路が異なっております。
 また、この講師が連続して財団からの依頼を受けたアドバイザー派遣事業における行程も異なっておりました。
 行程が違うということは本当に問題だと思っておりますし、事業の適正な執行という点からも、この問題は非常に大きい問題であると考えておりますが、道の見解を伺います。
アイヌ政策推進室参事
 講師の移動経路についてですが、関東在住の当該講師は、一泊二日の日程で札幌の女性シンポジウムに出席し、その後引き続き、アイヌ文化振興財団のアドバイザー派遣事業により、二泊三日の行程で、福岡県内の小学校等で講演活動を行ったところです。
 この財団からのアドバイザーとしての旅行依頼は、羽田-福岡の往復でありましたが、実際は、札幌のシンポジウム終了後の翌日に、札幌から直接、福岡に移動していたことが実績報告資料により明らかになったところです。
 札幌支部の事業実績に添付している航空券の領収書の金額が片道としては過大であったことから旅行会社に照会しているところであり、また、道としては、公益団体からの委嘱を受け、アドバイザーとして活動するという性格を認識していたのであれば、当然、ご本人から行程の変更については、事前に報告がなされるべきものであったと考えておりますので、今後、財団からアドバイザーの方に委嘱する際に当たっては、改めてこの点について指導するよう伝えて参りたいと考えております。

小野寺委員

 行程の変更については本人から事前に報告がなされるべき、というように言っておられますが、とうに航空券を買っていたはずですし、しかも財団の事業でこのような問題が起こっているということであれば、それを財団が把握していて然るべきだと思っております。
 なぜこのような答弁になるのか理解に苦しみますが、次の質問に移ります。
4.他団体の用務との関係について

小野寺委員

 次の質問です。他団体の用務との関係ですが、この講師は先程来言っておりますが、札幌から福岡に飛んでおり、福岡県内のある市でさらに講演を行っております。
 これは別の自治体からの要請で講演を行っているのですが、いろいろな派遣先でさらにいろいろな事業を別の団体から依頼を受けて、アドバイザーのように講師をしているというのは非常に問題があるのではないかと思いますが、実際はどのような状態であったのかお教えください。
アイヌ政策推進室長
 アドバイザー派遣事業の関連してですが、小野寺委員ご指摘の点につきましては、財団の関係資料を確認するとともに、当該アドバイザーの方に財団と道との連名により、その事実関係等について、先般、文書照会をしたところです。
 当該講師からは、別の自治体事業の講師として参加したが、謝金等の受領については覚えていないとの回答を受けたところです。
 このため、道から当該自治体に対し、旅費及び謝金などの経費の支払いについて照会を行い、昨日、回答をいただいたところです。
 文書回答によりますと、当該自治体は人権教育啓発センター公開講座の講師謝金として支払ったということです。

小野寺委員

 その謝金の金額はおいくらですか、お教えください。
アイヌ政策推進室参事
 ただいまのご質問につきましては、承知してございません。

小野寺委員

 謝金を払った際に必要以上に高い金額であったとしたら、それにはもしかしたら旅費が含まれている可能性が、非常に高いということですよね。
 この金額を確認しないで、なぜそのような答弁ができるのか、私は分かりません。
 さらにこのアドバイザーの方ですが、これは財団のすべてのアドバイザーに言えますが、このアドバイザーは当時、約7,080円の時給で動いておりました。
 時給です。
 今は6,300円まで下がったという話ですが、非常に高い時給であると言わざるを得ません。
 この方が、いろいろな地域でこのようなことを行っているとしたら大問題だと思いますので、しっかりと調査をしていただきたいと思います。
5.宿泊費等の領収書について

小野寺委員

 もう一つ、この女性シンポジウムについて。
 この事業では、交通費等の支払いの対象となった21人が参加し、そのうち講師など16名、宿泊費約9,800円を事業費として支払っておりますが、私が調べたところ、このシンポジウムで宿泊した施設の宿泊費は3,500円であり、さらに参加した方が、9,800円の宿泊費が支給されていたことを知らないというふうに証言をしております。
 さらにこの事業完了報告書には、宿泊費を受領したという方々の領収書の添付がありません。
 この点についてどう考えておられるか、お教えください。
アイヌ政策推進室参事
 宿泊費等の領収書についてですが、平成20年度に実施されたこの事業では、東京や道内各地域から21名の方が参加し、そのうち、日帰り地域から参加した5名を除き、講師など16名に宿泊費、日当を支払ったところでありますが、当時、財団の助成要綱では、宿泊費、日当については定額で支払うこととしておりましたことから、個人ごとの領収書を事業完了報告書に添付することを求めていなかったところでありますが、制約された期間で調査を行う必要があったとしても札幌支部への調査としてはしっかりなすべき点があったと考えているところです。
 なお、財団におきましては、一連の不適切事案による改善策といたしまして、平成22年度からは、9,800円を上限といたしまして、宿泊費等についても、受領した本人からの領収書の提出を義務づけたところです。

小野寺委員

 しっかりやってください。

(三)エカシ・フチとエカッタラの集いについて

小野寺委員

 『エカシ・フチとエカッタラの集い』についてお伺いしますが、これはですね単にキャンプでございまして、長老の方に謝金を払って行うキャンプという、非常に不思議な事業でございますが、この事業に28名が参加したことに事業完了報告書ではなっておりまして、申請時の事業計画では夏のキャンプの場合は、定員4~5名のバンガローを5棟借りることになっておりましたが、事業完了報告書では、実際には借りたものは2棟のみとなっております。参加者28名が、この2棟でどのように宿泊したのか、私は非常に疑問に思っておりますが、その点についてどう考えているのか、お教えください。
アイヌ政策推進室参事
 『エカシ・フチとエカッタラの集い』の宿泊等についてですが、この事業は、札幌支部が財団の助成事業として次世代を担う子どもたちに、先祖から受け継いできた伝統文化を体験させ、継承させることを目的に、夏に、穂別のキャンプ場を会場に、参加した子どもたちが、おじいさんからはチセや魚を捕る仕掛けなどを、また、おばあさんからは芋だんごなどの伝統料理や踊りを学ぶなどしたところです。
 子どもたちの宿泊費や交通費については、助成申請がなされていなかったため、支給はしておらず、したがって、領収書は添付されていないところです。
 この事業の参加者などについても、札幌支部への調査の際に、確認して参りたいと考えております。

小野寺委員

 次世代を担う子どもたちのための事業だと言っているのに、交通費や宿泊費は支給しないとは本末転倒な事業で、逆におじいさんおばあさんに25,000円の謝金を払ってるということは、非常に不自然だと思っております。
 私がなぜ、この質問をしたかというと、この本事業で、この年度に、財団から札幌支部へ返還命令があったのかなかったのか、これはあった事業だと思いますが、あったのであれば、どのような内容だったのか、お教えください。
アイヌ政策推進室長
 平成20年度のエカシ・フチとエカッタラに係ります補助金の返還額の状況ですが、当時の調査に寄りまして、謝金それから交通費等で受領されていないという方がおりました。
 それが両方合わせて8件でございます。そのほか、物件の購入で1件確認できなかったものがあったことから、総額162,010円の返還を求めているところです。

小野寺委員

 まず、この年度に返還命令を受けている事業だということです。
 謝金が返還されているということは、教えるおじいさん、おばあさんはいなかったかもしれないという話です。
 更にこのキャンプにおいては、実際に一度不正があったことからしっかりと調べた事業のはずであり、さらに問題があったとなると、それこそ大変な問題であるのではないかと私は思っております。
 ですから、その点をしっかりと明示してほしいというようにに意見交換で言ったのですが、まったくその点について明示されておりませんので、一度不正のあったこの事業について、もう一度おかしい点があったらどうなのか、どう考えるのかをお示しください。
アイヌ政策推進室長
 再度の調査結果に基づいての道の対応についてですが、この20年度の調査に当たりましては、道の調査に加えて、札幌支部独自に調査をしているところです。
 今回の調査に基づきまして、不適切な事案が生じた場合におきましては、厳正に対処して参りたいと考えております。

小野寺委員

 これはですね、北海道が知らなかったことにならないと思いますが、そこでお伺いしますが、参加者夏のキャンプ28名という、その内訳を“大人○○名、子ども○○名”で構いませんので内訳を教えてください。
(答弁無し)

小野寺委員

 分からないはずです。
 意見交換でも言っていたように皆さん知らないはずです。なぜなら名簿が無いのですから。
 その事業に対して税金が支払われていたということです。
 バンガロー2つですから、もしかしたら10名ぐらいのキャンプに税金を措置し、この事業が成されていたのだとしたら大問題だと思いますよ。
 さらに講師がいなかったということで、謝金も戻されているのですから。
 こういった問題があった事業については、道もしっかりと主体性と責任を持って調査をしていただきたい。
 前回、こういう顛末でしたので、次回はしっかりとお願いをしたいということで、次の質問に行きます。

(四)全道トンコリ、ムックリ大会等について

 全道トンコリ、ムックリ、これは飛ばします。

(五)アイヌ民族の伝統文化伝承事業について

 次の質問ですけれども、アイヌ民族の伝統文化伝承事業について、お伺いをいたします。
 先の一般質問で札幌市が平成21年度に行った緊急雇用創出事業に関して、当初札幌市が緊急雇用創出事業で、取り止めたはずのチセの修復事業が、事業内容を偽って行われた可能性が高いと私は指摘をいたしました。
 道も札幌市が当初計画したチセを修復する事業費用と実際にかかった費用に大きな違いがあることを認め、市に対し説明を求めているとお答えをいただきましたが、道としては市に対し、どのように考え、また、今後どう対応していくのかを伺います。
アイヌ政策推進室長
 アイヌ民族の伝統文化伝承事業についてでありますが、経済部においては、札幌市がチセの修復のために当初計画した事業費と、実際に要した事業費に大きな違いがあり、改めて、緊急雇用創出事業で実施した伝統文化伝承事業において行われた作業内容や採取又は制作された萱(かや)などの物件とチセの修復事業との関係について、確認する必要があると考えているため、現在、札幌市に対し、委託事業者における作業内容などの確認及びその結果、また、当該事業で採取又は制作した物件の取扱いなどの事実関係について調査を実施し、今月末までに回答いただくよう求めており、今後、十分に事実関係を確認した上で、必要な対応をして参る考えです。

小野寺委員

 一点、この私のペーパーと違う答弁となっており、もう一度お聞きしますが、作業内容や採取された物件ということでありますが、採取したのは何ですか。
アイヌ政策推進室長
 その点については確認してございません。部として承知しておりません。

小野寺委員

 では、このペーパーは何なのでしょう。ここに萱というように書いていますが、実際には萱を採取したわけではないのですか。
アイヌ政策推進室長
 失礼しました。作業内容や採取又は制作されたものは萱でございます。

小野寺委員

 この萱なのですが、札幌支部が札幌市に出した見積書では、これだけで250万円かかるという見積もりを出しておりまして、緊急雇用対策の方々は、これを必死に集めていた形跡があります。
 ただ、札幌市は、これを、萱をそのまま支部からもらって支部に寄附をして、それで94万円でチセが建ったというような詭弁を言っておりますが、私は、これは許される問題ではないと思っておりますので、しっかりと調査をしていただきたく思います。

(六)札幌市委託事業と財団助成事業について

1.札幌市の回答内容について

小野寺委員

 次に、札幌市委託事業と財団助成事業についてですが、札幌市が財団助成事業で明らかにおかしいと思われる事業委託をしているということで、平成20年度、札幌市がアイヌ協会札幌支部に委託した、『第15回インカルシペ・アイヌ民族文化祭』の7事業のうち、『アイヌ民族シンポジウム』、『第17回全道ムックリ大会』、『第9回全道トンコリ大会』、第16回アイヌミュージックコンサート』、この4つの事業が、アイヌ文化振興財団の助成事業と、開催日時や場所がまったく同じであることから、先の一般質問で、私は、この事業がどのようなものであったのか、道はしっかりと把握する必要があると指摘をさせていただきました。
 改めて、札幌市の委託事業と財団助成事業の関係について、札幌市の回答についてどう考えているのか、回答内容も合わせてお訊きいたします。
アイヌ政策推進室長
 札幌市の回答内容等についてですが、平成20年度にアイヌ協会札幌支部が札幌市から委託を受けた『第15回インカルシペ・アイヌ民族文化祭』の7事業のうち、札幌市からの推薦により、札幌支部が財団助成事業として実施した4事業につきまして、日時、場所等が同一と思われる内容でありましたことから、札幌市に対し、財団助成事業が札幌市の委託事業の役務の履行内容に含まれているか否かについて文書照会を行い、札幌市からは、確認調査の結果、経費の重複はないということの回答があったところです。
 道としては、札幌市委託事業のうち、日時、会場等同一の4事業について、その執行に疑義が生じましたことから、引き続き、札幌市の詳細な調査結果を求め、適切に対処して参りたいと考えております。

小野寺委員

 経費の重複はないということの回答をいただいたとのことですが、ほかに何の回答を求めているのかお教えください。
アイヌ政策推進室長
 文書照会においては、先程答弁申し上げましたように、財団事業が履行内容に含まれているか否かについて照会をしたところで、札幌市からは、経費の重複はないという内容の回答がございました。

小野寺委員

 経費の重複がないということでは、その報告は不十分だと考えているはずですので、ならば、どういう情報を求めているのかを、個別具体に教えてください。
アイヌ政策推進室長
 この事業の関連につきましては、支部の決算書における領収書や、帳票による支出の裏付け、それと財団事業との実績がどうなっているか、こういったところについて、我々が確認をしたいということを考えております。

小野寺委員

 今、明言をされましたことを、しっかりおこなってください。
2.財団確認調査後の対応について

小野寺委員

 次に、財団の札幌支部に対し、両事業の関係確認のために確認調査に入るというような話を聞いておりますが、どのように確認を行うのか、また、その結果を踏まえ、財団はどう対応すると道は聞いているのか、お教えください。
環境生活部長
 財団の確認調査等についてですが、アイヌ文化振興財団におきましては、札幌市からの推薦のあったアイヌ協会札幌支部への助成事業と、札幌市の委託事業の一部との関連について疑義がありますことから、財団としても、助成事業の適正な実施状況を確認することの必要性を強く認識し、札幌支部に対し、現地確認調査を行うことで、現在、日程調整をしているところです。
 調査に当たっては、ただいま申し上げたような、帳票等の確認、支出の裏付け、事業の実績、また両事業の関係などについて、確認を行う考えです。
 財団としては、確認調査により事実関係の正確な把握に努めるとともに、札幌市の対応を見極めながら、必要な対応を講じて参る考えです。
3.インカルシペ・アイヌ民族文化祭について

小野寺委員

 一つ念押しをしておきたいのですけれども、この『インカルシぺ・民族文化祭』でございますが、平成21年度以降は、どのような形なのか教えてください。
環境生活部長
 『インカルシペ・アイヌ民族文化祭』についてですが、平成21年度以降の当事業に関わる関係資料について札幌市に提供を求めましたところ、平成21年度の札幌市委託7事業のうち4事業、平成22年度札幌市委託6事業のうち4事業におきまして、日時、場所等が平成20年度と同様に、同一と見られるものとなっているところでございます。

小野寺委員

 私がこれを聞いた意味ですが、財団において、今後不適切な助成金の執行がないようにするために、平成21年度に改善策を出しているからです。
 ですから平成22年度の事業において、問題があれば、さらに大きな問題に発展するということですが、この事業においては、平成22年度においても同じような不正が行われている可能性がある、疑義があるとしたら大問題だということで、しっかり調べていただきたいということで、この質問をしたのだとご理解をいただきたく思います。
4.今後の対応について

小野寺委員

 最後の質問になりますが、今までの答弁をずっと聞いておりまして、最後に確認したいのは、道はこの問題に対して、どう主体的に関わっていくのかということが、まったく見えてこないということです。
 財団任せなのか、市の報告待ちなのかよく分かりませんが、実際に、北海道はこの問題に対してどう対応していくおつもりなのか、お聞かせください。
環境生活部長
 道としての今後の対応についてですが、現在、道からは、平成21、22年度につきましても札幌市に対して照会しているところであり、札幌市の回答や財団の確認調査結果を踏まえ、厳正に対処して参りたいと考えております。
 なお、このほかの調査に当たりましても、道、財団、アイヌ協会本部が連携して進めるよう取り組んでいるところであり、3月末を目処に取りまとめるよう、努めているところでございます。