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平成22年度食と観光対策特別委員会

平成22年度食と観光対策特別委員会開催状況(経済部観光局)
開催年月日平成22年11月24日
質問者自民党・道民会議小野寺秀委員
答弁者経済部観光振興監、観光局長、観光局参事(林、田尻)

一 北海道観光振興機構について

小野寺委員

 私は「北海道の観光政策はこれで良いのか」とずっと疑問を持っておりました。それは、本道の観光行政をコントロールするべき経済部観光局が、北海道観光の目玉施策すら観光振興機構という道の関与団体に丸投げをしていたからであります。
 今年度、道はこの観光振興機構に5億円を超える税金を投入しており、その額は毎年、年々増えているところでございます。私は、何も「観光政策の事業費を減らせ」と言っているわけではございません。もし、観光政策に力を入れるのであれば、事業費が増えて当然だと思っておりますが、私が問題としたいのは、この観光振興機構という団体の性格を本当にしっかりと把握をして、事業を出しているのか、という点でございます。
 この観光振興機構という団体は、営利企業の集まっている団体でございます。と言うことは、ともすれば、営利団体・営利企業へお金を回すような政策を、道、観光振興機構自らが企画をするかもしれませんし、観光政策のプラスが必ずしも道民のプラスにならないかもしれないということも、十分に把握をする必要があると思っております。
 また、観光振興機構のメンバーがもし、その政策を受注したときには、仲間内ということで、チェックがいい加減になる可能性もあるかもしれませんし、もしかすると、道が行うべき政策を観光振興機構が行うことによって、責任の所在が曖昧になっているかもしれないという懸念もあるわけでございます。
 ここに投入しているのは、道民の大切な血税であるということは、この点もしっかりと考える必要があると思いますし、さらに、道は、この観光振興機構に血税を投入して本当に事業をやらせてよかったのかどうなのか、そこらへんの評価を本当にしているのか、そこの部分も非常に不明確であります。

(一)特区提案に対する意見について

小野寺委員

 そこで、まず最初に、観光振興機構が2か月前に国の方に「インバウンド特区構想」というものを出しましたので、その点について、お聞きをしていきます。
 この観光振興機構が国に出した「インバウンド特区構想」でございますが、これは、政府が募集している総合特区の案として機構が国に提出をしたものでございます。その内容ですが「中国の運転免許を所得している中国人は、北海道で車を運転できるようにしてほしい」ですとか「ホテル等において、中国語を話せる従業員を増やすために、中国人に対しては就労ビザの緩和をして欲しい」といった、おおよそ実現不可能な非常識な内容が盛り込まれておりました。確かに本道への中国人観光客は増加の一途を辿っているかもしれませんが、だからといって何故中国人だけにそういう特典を与えなければならないのか、私は理解できないところでございます。また、運転免許を与えるということに関しましても、本当に交通ルールはどうなっているのか、事故を起こしたときの賠償はどうなのか等々ですね、たくさんの議論すべき点があるにもかかわらず、なぜ、観光振興機構はこのような突拍子もない案を国へ提出したのか、私はわからないところでございます。
 この「インバウンド特区構想」について、道民・国民からどのような反応があったのかお教えください。
林参事
 特区提案に対する意見についてでございますが、本年7月の特区提案の仮提出以降、本日までに北海道観光振興機構に対しましては、電話、電子メール、FAXなどにより全国から399件の意見が、また、道に対しても44件の意見が寄せられておりまして、そのいずれもが観光機構の特区提案に反対する内容であったところでございます。

(二)事前協議について

小野寺委員

 つまりですね、観光振興機構が出したこの案に対して、443件もの反対・苦情が寄せられたということは、私は非常に大きい問題だと思いますが、この提案に関して、事前に道は把握していたのかどうなのか、お教えください。
林参事
 事前の協議などについてでございますが、今回の特区提案につきましては、道は観光機構との共同提案を念頭に置いて、両者で協議してきた経過にあり、観光機構の提案内容については、承知していたところでございます。
 道といたしましては、観光機構が道内観光関係者の意見・要望を踏まえて取りまとめた提案項目のうち、中国人観光客の運転免許許可につきましては、関係機関との意見調整の見通しが立たないことから、これを除外するよう観光機構と協議して参ったところでございますが、観光機構といたしましては、直ちに実現できないものでありましても中長期的な視点に立った課題として提案に盛り込みたいという意向であったことから、観光機構単独での提案となった経緯にあるところでございます。

(三)観光機構の特区提案について

小野寺委員

 まず北海道は、共同して出せないと、これは無理だということを、機構は無理に出したということでございますが、これは多分、観光業界の利益と道民の利益が一致していないにもかかわらず、それを無視して観光振興機構が出したということで、非常に大きな問題だと私は思いますが、400件以上を超える苦情だけが寄せられたということに関しまして、私は、本道観光にはプラスにはならなくてもマイナスにはなったと感じておりますが、道はどのようにお考えなのか、また、このように勝手に特区提案されると非常に迷惑だというような思いも道民にもあると思いますが、これから何らかの対応が必要だと思いますが、道としてどのようにお考えかお教えください。
観光局長
 観光機構の特区提案についてでありますが、提案項目のうち、航空機燃料税の軽減、羽田空港からの乗継便運賃の軽減など、多くは本道を訪れる観光客にとってメリットの大きいものであるものの、中国人観光客の運転免許につきましては、先ほど申しましたとおり道内外の多くの方々から不安の声が寄せられておりますことを考えますと、こうした提案を行ったことは、本道観光のイメージにマイナスに働くという懸念もあるものと受け止めております。
 道といたしましては、中国人観光客に対する運転免許許可の項目につきましては、機構が行いました7月の仮提案のあとに、日中間に外交問題が発生したということの影響があるといたしても、多数の反対意見が寄せられたことは、軽視できないものと受け止めておりまして、今後、機構と対応をよく協議してまいる考えでございます。

(四)観光機構への対応について

小野寺委員

 お答えにいただけなかったんですけれども、二度とこのような発言等々、勝手なことをしないように道は対応すべきであると思っておりますが、その点について聞きたいのとですね、あと一点なんですけど、本道観光のイメージにマイナスに働くような懸念もあるようなことをやってしまうような観光機構というものに観光施策をまかせていいのかという疑問が残りますが、これは後々質問するとして、このような勝手な発言をしないようにするために道としてどのように取り組まれるのかということをお教えください。
経済部観光振興監
 観光機構への対応についてでございますが、機構は、本道の観光振興を目的に、観光関連企業のみならず道内各地域の市町村や観光協会、観光関係団体などを会員とする公益法人でございます。その運営につきましては、公益目的に沿って、会員の意見をきちんと反映した中で進められるべきものと考えているところでございます。
 このたびの特区提案を巡りましては、委員ご指摘のとおり、機構の取り上げ方につきましては、道民からの厳しいご意見もあるところでございます。道といたしましても機構に対し、公益法人としての役割を改めて認識していただき、その活動について道民の方々のご理解をいただけるよう、適切な運営に当たっていただけるよう、その旨を申し伝えてまいりたいと思っております。

小野寺委員

 私はそれでは無理だと思います。と言うのはですね、この特区提案の議論の過程で、ごく一部の会員だけがこの話し合いをして政府にこの案を出したというのも知っておりますし、各市町村の観光協会はそんな案を出すということすら全く知らず、出てから驚いたという話しも聞いておりますし、実際に、道民が中国人の方に運転をさせていいのかと大騒ぎをしている段階で、本当に公益目的に添った活動をしているのかというと、私はそうではないと思いますので、しっかりと認識をしていただきたいということで、次の質問に移ります。

(五)ゆとりツーリズム魅力増進事業について

小野寺委員

 この団体が、道からのお金をしっかりと使っているのか、チェックをしているのかという点について、議論をしていきますが、まず「ゆとりツーリズム」という事業について説明させていただきますと、これは平成19年度から平成21年度までの3ヵ年の事業で、北海道観光振興機構の前身である北海道観光連盟が事務局だった実行委員会が最初の1年、後の2年を観光振興機構が引継いで、今年の4月に終了をした事業であります。この事業ですけれども、高橋はるみ知事の2期目の公約である「北海道新生プラン・第Ⅱ章」の中で最も重要な公約であるとされていた政策番号1番の「北海道経済活性化戦略ビジョン」に選ばれた事業の一つでありました。つまり、この「ゆとりツーリズム事業」というのは、まさに本道経済や観光の建て直しの切り札として考えられていたということでございます。
 この、ゆとりツーリズム事業、道は、どうして行おうとしたのかお聞かせ下さい。
田尻参事
 ゆとりツーリズム魅力増進事業についてでありますが、この事業は、本道の地域の魅力を活かした滞在型観光の浸透を図ることを目的にいたしまして、平成19年度から21年度までの3カ年にわたり、全国キャンペーンを展開したものでございます。
 その内容は、団塊の世代などを主な対象に、地域でゆっくりとした時間を過ごす新しい北海道旅行のスタイルを「ゆとりツーリズム」として提案するとともに旅行会社での商品化を支援することにより、実際の誘客を図る事業を推進したものでございます。

(六)ゆとりツーリズムに関する定義などについて

小野寺委員

 非常によくわかります。団塊の世代の方にたくさん本道においでいただいて、長期間、滞在をしていただいて、食ですとか、健康ですとか、そういうところにお金をたくさん落していただこうという、そういう事業だったと感じますが、それで、まずお聞きしたいのが、この「ゆとりツーリズム」の事業、北海道はいくら拠出をしたのか。その中で実際に、機構として、いくつのゆとりツーリズムのプランを作ったのかお教え下さい。
田尻参事
 ゆとりツーリズムのプラン内容などについてでございますが、平成19年度から3年間のゆとりツーリズム魅力増進事業に係る予算額は、合計で4億5千184万5千円となっております。
 また、「ゆとりツーリズム」の定義としては、ひとつの観光地にゆったり滞在し、「健康、癒し、温泉、森林浴、ウオーキング、体験観光」などを楽しみ、心身ともにリフレッシュするとともに、歴史、文化など自らの見聞を広めるための時間を大切にする観光としております。
 この取組では、3泊4日のモデルコースとして今後大量に退職を迎える団塊の世代を主な対象といたしまして、「ゆとりツーリズム」の資源の掘り起こしと宣伝誘致活動を展開し、パンフレットなどにより、平成19年度は、「北海道のルーツを探るゆとり旅」などの5コース、20年度は、釧路・阿寒の旅など5コース、21年度は、離島と空と潮風の南北海道など4コース、合計14コースを紹介するとともに、20年度及び21年度に、商品造成支援事業により旅行会社に対しまして、合計9コースの商品化に向けて支援を行ったところでございます。

(七)観光客数の実績について

小野寺委員

 この3ヶ年のゆとりツーリズムの事業で合計9コースの商品化を行って販売をしたということですが、この9コースのツアーに参加した道外客の方々の人数は何人であったのかお教え下さい。
田尻参事
 観光客数の実績についてでございますが、ゆとりツーリズムのモデルとする旅行期間が3泊4日以上であるものは、20年度分は、日本旅行からの実績報告書では189名でございました。
 21年度分は、平成22年4月から10月までの販売実績を、観光機構におきまして、現在集計中でございます。

(八)平成21年度の観光客数の実績について

小野寺委員

 集計中と言われても、10月で終わっているということでございまして、実際、21年度はクラブツーリズムと朝日旅行と日本旅行3社がこれを受注していると思いますが、それぞれ何名だったのか正確にお教えください。
田尻参事
 観光客数の実績について、重ねてのご質問でございますが、観光機構から、現時点では、クラブツーリズムが363名、朝日旅行が69名、日本旅行は不明との報告を受けているところでございます。

(九)フォトラリーなどについて

小野寺委員

 日本旅行の不明というのは、不思議でなりませんが、これは後から聞くことにいたしまして、実際に4億5千万円、宣伝にかけた事業で、実際に来た方が621名、単純に計算すると一人70万円以上お金を使っていることになりますし、4億5千万円、もしかですね、大物アーティストや芸能人を呼んだら何十万人の方が来るんでしょうか。
 私はこのプロモーションは大失敗だったというふうに思いますし、実際に来た人数がわからないという旅行会社があるというのは驚きでなりませんが、もう一つ、ゆとりツーリズムの中で、非常にいい加減なことをやっていたというような事業について、お聞きしたいと思いますが、フォトラリーという事業があったというふうに思います。
 このフォトラリーという事業について、どのように最初、企画指示をしていて、実際に、フォトラリーに参加した人は何名だったのか。そしてその結果を、道としてどう考えているのかお教えください。
観光局長
 フォトラリーなどについてでございますが、この事業は、「ゆとりツーリズム北海道キャンペーン」の一環といたしまして、平成19年10月10日から翌年2月29日までの期間に、実施したところでございますが、フォトポイントを3カ所以上を巡る旅の笑顔フォトラリーには217名の応募がございました。また、フォトラリーの参加者を対象とした旅の風景フォトコンテストにつきましては、346通の応募がありましたところですが、この人数については不明でございます。
 これらの事業につきましては、市町村の参加が低調だったことですとか、企画段階では2,000名の参加者を想定していたところですが、そのフォトラリーの応募者がただいま申し上げたとおり、少なかったことなど、費用対効果の面では、不十分な結果に終わったというふうに受け止めているところでございます。

(十)商品造成支援事業について

小野寺委員

 このフォトラリーという事業だけでも2700万円の税金を使っていたはずです。ポスターも6万部作っていたはずですが、参加者が217名で、2000名の参加者を予定していたとのことで、企画指示書には参加者2000名に参加した景品を渡すという話になっていましたが、残りの1800の景品はどこにいってしまったんでしょうね。 私は非常に不思議に思いますが、一事が万事、このような、適当なお金の使い途と、まったく事業評価をしていないということが、この「ゆとりツーリズム」の事業では多々見られるわけでございますが、さらにもう一つ事業をお聞きしたいと思います。
 これは先ほど言った、大手の3社の代理店が観光振興機構から助成を受けた事業で、この事業は「商品造成支援事業」という事業なのですが、この中の代理店の1社、先ほどの日本旅行、平成21年度、ツアーの販売、何人が本道にきたのか分らないという報告がありましたが、まず、この日本旅行、21年の「商品造成支援事業」で、どのような事業をすると機構に言っていたのか、お教え下さい。
田尻参事
 商品造成支援事業についてでございますが、この事業は、あらかじめ設定いたしました4つのモデルルートを平成21年度に旅行会社が商品として具体化し、22年度の旅行シーズンに販売展開することにより、北海道の「ゆとりルート」を広く宣伝しようとするものでございます。
 実施業者の1社として採択をされました日本旅行では、4ルートに係るモニターツアーを実施し、その後、ウェブによる旅行商品販売や、割引クーポンサイト、さらには、クーポンブックを活用した情報発信をすることとしており、観光機構では、同社の実施事業に対しまして、500万円の助成を行ったところでございます。

(十一)モニターツアーについて

小野寺委員

 まず、今ご説明ありましたけれども、モニターツアー4つ、これを実施するということでございましたが、実際に4つのモニター事業全て行なわれていましたでしょうか。お教えください。
田尻参事
 モニターツアーについてでありますが、観光機構からは、日本旅行が企画した4コースのモニターツアーのうち、「北太平洋シーサイドラインローカル線でめぐるゆとりの旅」を除く、3コースが実施されたとの報告があったところでございます。
 また、募集については、実施された3コースは当初の企画提案どおり日本旅行のホームページ、旅行雑誌「じゃらん」、雑誌「AneCan・TV」を用いて参加者を募集したと聞いているところでございます。

(十二)ツアー参加者数について

小野寺委員

 もう一か所モニターツアーでかかる経費がどこに消えていたのか、非常に不思議でありますが、私はこのモニターツアー、3つのコースしか募集していなかったことは知っておりました。
 不思議なことに、日本旅行は会社においては2つのモニターコースしか募集をしておらず、もう一つのコースは女性月刊誌のインターネットのホームページ上で募集をしておりました。その女性誌のホームページ上には、モニターツアーが格安ツアーのプレゼント商品として紹介をされているのです。しかもその紹介の仕方され方は「ラブ運UPパワースポットの支笏湖、3万円で行ける北海道モニターツアー」となっているのですが、これは本来のゆとりツーリズムの事業と大きくかけ離れておりまして、それをモニター商品の売りにしているのには、私は驚くばかりでございます。
 また、このゆとりツーリズムは主に団塊の世代を対象にしていると先ほどおっしゃっていましたが、何故20歳代後半をターゲットとした女性月間誌のホームページで募集をかけたのか、不思議でなりません。日本旅行はその方々からどのような意見をモニター旅行で聞こうとしたのか、私には全く理解が出来ないからでございます。察するに、日本旅行は「熟年者と若い女性が混在したら問題が起きる」と判断をして、このツアーだけ、女性誌のホームページで募集したのではないでしょうか。
 しかし、全ての食事や体験観光も組み込まれて、北海道への旅行が3万円で行けるというのは、道民の税金が入っているからに他ならず、このようなことに使うこと自体が大問題であるというふうに私は考えております。また、機構へのプロポーザルにおいてモニターツアーの参加者には、全員5000円のお金が払われる、ということになっておりますが、何故かこの女性誌の参加者には支払われていないと。このお金もいったい何処に言ったのか不思議でなりません。
 さらに、日本旅行は女性誌のホームページ上に格安モニターツアーをプレゼントとして提供しているにも拘らず、何故かこの掲載に「広告宣伝料」を計上しております。
 一事が万事このような調子なのですが、もう一つ、一番重要な点をお聞きをしたいと思います。この日本旅行は、この事業においては、4つの本当のゆとりツーリズムのツアーを自社のホームページで販売する、これが一番メインの目的であるというふうに思いますが、なぜ、その人数がわからないのでしょうか。
 本当にこのホームページがあったのかどうか、それを知りたいのですが、本当に人数は分らないのでしょうか。お教えください。
田尻参事
 ツアー参加者数についてでございますが、募集期間でございます10月までの実績、及びゆとりツーリズム企画商品の販売実績については、観光機構から日本旅行に対し報告を求めているところでございまして、現時点では不明でございます。

(十三)日本旅行の商品造成について

小野寺委員

 インターネットでツアーを売るということは、瞬時に何人が来たのかということは、すぐわかるはずでございまして、その人数がわからないというのは、私は非常に不思議でなりませんが、私は道に対して、色々なデータや情報をお教えいたしました。
 それを見ると、多分ですけれども、日本旅行はそのモニターツアーを売るホームページすら作っていなかったのではないか、というふうに疑わざるを得ませんが、推測で構いませんので、道はどのように考えるのかお教えください。
観光局長
 日本旅行の商品造成についてでありますが、現在、観光機構から日本旅行に対して、委員からご指摘のあった点も含め、ゆとりツーリズムの企画商品の募集状況や販売実績についての説明を求めているところであり、現時点で機構から、詳細な報告がないことから、道としては判断がつきかねる状況ではございますが、機構からは、日本旅行の申し出ていた提案内容が実施されなかった可能性が極めて高いという報告を受けております。

(十四)観光機構からの助成の取扱いについて

小野寺委員

 道は、判断できないけれども、機構の方で調べると、限りなく黒に近いという報告を観光振興機構から道は受けたということでございまして、これは、極めて大問題だ、というふうに思いますが、道は、観光振興機構を通じて、「この事態をどのようにとらえるのか」を、日本旅行に表明させる必要があると考えますが、如何ですか。
 また、万が一、日本旅行側に問題があるのではあれば、毅然とした態度で助成金等を返還させる必要があると思いますが、見解を伺います。
観光局長
 観光機構の助成金の取扱いについてでございますが、機構では、先ほど申し上げましたとおり、日本旅行に対して正式な報告を求めている段階でございまして、その辺、報告を見て、その内容を検証した上で、対応を検討するとしております。
 道といたしましても、その推移を注意深く見守ってまいる考えでございますけど、委員ご指摘のような事実が確認された場合につきましては、助成金返還などについても検討する必要があると考えているところでございます。

(十四-再)観光機構からの助成の取扱いについて

小野寺委員

 それは、当然ですけど、実際、道の対応として十分なんですか。
 実際に観光機構からの報告は、信用するに値すると、道はお考えでしょうか。機構への調査も必要だと私は考えますが、見解を伺います。
観光局長
 道の対応についてでございますが、道といたしましては、本件における機構からの報告に関しまして、事実関係とそれらに対する機構の認識ですとか、管理の状況、また、今後の改善案などを道において確認しまして、それらを総合的に判断して、対応を決定して参る考えでございます。

(十五)観光機構の管理体制などについて

小野寺委員

 それらを総合的に判断して対応を決定するとおっしゃっていましたが、実はこの質問をするに当たり色々道側と意見交換をしまして、観光振興機構から関係書類を色々いただきました。
 その書類が、ほとんど嘘の書類であったり、実際は作っていないホームページが、さもあるかのような書類をたくさんいただきました。
 これは誰が見ても明らかに嘘だというような書類をなぜ機構側が平気で道を通して、私に提出をしてきたのか不思議でなりません。もしかすると機構側のチェックが甘いだけでは済まない話だとということで、この点はしっかりと認識をしていただきたいと思っております。
 このようなことが、一事が万事ずっと続いている訳でございますが、観光振興機構の事業に対するずさんなチェック体制、仕事のやり方等について道は本当にどのように率直に考えているのか、お教えください。
田尻参事
 観光機構の管理体制などについてでありますが、観光機構は、その職員が有する専門知識やノウハウのもと、事業の効果を最大限に発揮するよう執行に当たることが求められており、そのためにしっかりした事務管理体制を整える責任があるところ。
 委員ご指摘のように、この事業の途中過程の執行チェックや実績把握などを含め、観光機構の管理が不十分だったことについて、改善すべき点があると感じている。

(十六)観光機構の事業評価などについて

小野寺委員

 実は、不十分だったでは済まない話でですね、「実際に色々な事業が行われていたんですよね。それに関する事業報告書ですとか予算、決算、領収書等を持ってきてください」という要求に対しても、3週間以上経っても持ってこず、最終的にはありませんでした、というような報告が続いて、この質問を作成するにも非常に困難を極めたわけでございますが、このような体制で本当に十分なのか、と思っております。
 道としても、あのような書類の保管状況で十分だったとお考えかになるでしょうか。また、保管していた書類も非常に杜撰な状態で保管をされておりましたが、そのようなことをどう考えるのかお教えください。
観光局長
 観光機構の事業の執行管理などについてでございますが、機構におきましては、実施要領に規定する関係書類を保管することとなっておりまして、成果品及び支出関係証拠書類などにつきましては、事業の実施状況を確認するために必要なものでございますことから、そのための書類の整備、保管は、事業の遂行管理上当然のことでございまして、その点に不十分な点があったことから、道といたしましては、事業評価の観点からも、今後、改善を図る必要があると考えております。

(十七)ゆとりツーリズムの事業の成果などについて

小野寺委員

 あのような書類でどうやって観光振興機構が自分達の行った事業評価をしたのか、私は理解できないくらい杜撰な書類の管理とほんの少ない書類しか保管をしていなかったことに驚きましたけれども、本当にこのような団体に北海道の重要な政策を任せてよいのかと疑念すら持っておりますが、何故、このような重要な事業をこんな観光振興機構に丸投げしてしまったのか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。併せて、もし本事業が思わしい成果を挙げられずに終わってしまった場合、責任の所在は何処にあると、道は当初の段階で考えて事業の負担金の支出に踏み切ったのかをお教え頂きたいと思います。
観光局長
 ゆとりツーリズム事業の成果などについてでございますが、この事業は、道内外の観光関連事業者などとネットワークを有し、民間組織としての機動性ですとか専門性を発揮できる観光機構が主体となって実施をいたしますことが効果的でありますことから、機構への負担金事業として実施したところでございます。
 事業の成果につきましては、商品造成支援事業におきまして、昨年度もそうでございましたが、今年度につきましても目標としていた来道客数に到達しない結果が予想されておりまして、その点で、十分でなかった面がございますので、このことにつきましては、事業に当たった機構とともに、政策として立案し、機構への負担金を支出した道にも、責任の一端があると考えているところでございます。

(十八)施策の評価について

小野寺委員

 道には責任ではなく、重大な責任があると思いますし、実際に十分でなかったという話をしておりますが、これは大失敗だったのではないですか。4億5千万円かけて600人しか来ていないのですよ。こんなプロモーションってあるのでしょうかね。そこら辺のことをちゃんと、道としてどのような事業評価をしたのかということをお聞きしたいのですけれども、道の事業評価は道独自で事業評価をしたのか、それとも観光振興機構が行った事業評価をそのまま道の事業評価したのかお教えください。
田尻参事
 この施策の評価についてでございますが、「ゆとりツーリズム」の事業は、多様な媒体を用いて宣伝や商品企画、旅行募集を行うプロモーション事業でございますことから、観光機構が主体となって実施したところであり、道といたしましては、機構からの実施報告により、事業の評価を行ってきたところでございます。

(十九)観光機構に対する調査について

小野寺委員

 という答弁は、あれだけ杜撰な書類しか持っていない観光振興機構が行った事業評価をそのまま鵜呑みにして道の事業評価としていたのは大問題だと思いますし、実際これは高橋はるみ知事の経済活性化戦略ビジョンの中で議論されている議題だとしたら、毎年これを事業評価して見直しを図るというような事業であると位置づけられているとしたら、なぜこの活性化戦略ビジョンの中に入っている議題なのに、これをちゃんと道として評価をしなかったのか非常に問題があると思います。多分これを聞いても答弁できないと思いますので質問にはしませんが、道が独自に事業評価を行わず、4億5千万円をただ丸投げしてどぶに捨てていたということは非常に重いということを、認識をしていただきたいと思います。
 次に観光振興機構に対する調査でございますが、道から負担金は適切に使われていたのか、機構が行ってきた事業は税金を投入しただけの効果が上がったのか、機構が事業を行ったメリットとデメリットは何だったのか等々について、もっと詳しく客観的に検証する必要があるのは当然であり、また、本事業において事業の根幹に関わる問題が今明らかになった以上、事業評価についてもその見直しを視野に入れて分析をし直すべきであると私は考えます。そのために早急に北海道観光振興機構に対して、監査等の調査を行う必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。
観光局長
 観光機構に対する調査でこざいますが、「ゆとりツーリズム」の事業に関しましては、日本旅行が、観光機構から助成を受けた事業を契約に沿って適正に実施したかどうかについて機構が調査、確認を行い、速やかに道に報告することとしているところでこざいます。道といたしましては、機構が、民間組織としての専門性と機動性を生かし、成果につながる事業の推進に当たるとともに、その執行状況や成果を把握できるよう管理体制を確立する必要があると考えておりますことから、今後、道が、機構の事業実施状況を適宜把握できるような仕組みも含め機構と協議してまいる考えでございます。

(二十)観光機構の役割について

小野寺委員

 そのような中途半端な対応でいいのかと思いますが、最後の質問をさせていただきます。北海道観光振興機構は、道の代わりに行った事業においてしっかりとしたチェックもしなかったということは分かりました。費用対効果という概念は道も機構も持っておらず、入札においては機構以外の企業を排除したという事例も知ってございます。さらには、観光業界の利益を追求する余り、道民はもとより道外の方々からも多数の苦情を受けるようなインバウンド特区構想なるものも政府に提案したということも問題でございますし、当初懸念をしていた、営利企業によって構成されているという負の部分が多く出ているというような気がしてなりません。
 実際にこのような問題が起こってしまったということは非常に問題であります。今後、北海道が道の観光施策の一部を、今後も観光機構に担わせるというのであれば、この機構の組織としての性格をよく勘案し、機構が行なうに相応しい事業を担わせる必要があるのは当然でありまして、機構が営利企業の集合体であることから、特定の企業や関連会社に税金が使われる可能性がある事業を担わせるべきではないと私は思っております。そのために、道が行う観光政策と機構が行う政策の住み分けについて早急に議論を行い一定の基準を設けるべきであります。先日、私の帯広の家のポストに「広報北海道」の11月号が入っておりましたが、その紙面で一番多くのスペースを割いていたのは「観光客を呼ぶ一番重要な要素は道民・住民・地域である」という部分でありました。であるならば、私は「北海道観光振興機構」はこのような全道各地で行なわれている「住民のおもてなしに関する事業」や「きれいな町並みを作る等の観光に資する事業」を担うべきであり、その為に機構は地域で活動をしているNPO法人や観光協会、ボランティア団体といった営利を目的としていない団体が行なっている事業を積極的に支援していくべきだと私は考えているところでございます。そこで最後に伺いますが、道としてこの点をどのようにお考えになるのか。早急に観光振興機構への負担金を支出する事業はどのようなものにすべきかをしっかりと議論して、道民に明示すべきであると思いますが、見解を伺います。
経済部観光振興監
 観光振興機構の役割などについてでございますが、道といたしましては、今回の問題を契機として、機構に対し、個々の事業実施に当たっては、その効果を道内の各地域に広く及ぼすよう事業の内容を検討し、効率的かつ適正な執行に努めるよう求めていくことはもとより、道におきましても執行状況について適宜把握するとともに、機構のあり方につきましても、平成25年までに新しい制度における公益法人化という課題も見すえた上で、今後、機構が求められる機能や体制、また、担うべき役割などについて議論し、道民の皆様に対してもその内容を示していく必要があるものと考えております。

小野寺委員

 実はこのような問題があった事業がずっと野放しにされていて、観光振興機構へのお金が年々増額をしていたというのは非常に問題だと思いますし、これから予算要求するうえでも、非常に厳しい状況になるということは皆さんに認識をしていただきたいと思いますが、答弁の中で担うべき役割について議論をして道民に示すという答弁がありましたので、私はこれで質問を終わりますが、しっかりと本道の観光はどうあるべきかということを観光局の皆様にはしっかりと念頭に置いて頂いて、対応をしていただくことをお願い申し上げます。

食と観光対策特別委員会(PDFファイル)