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平成24年 第3回北海道議会定例会 予算特別委員会第1分科会

平成24年 第3回北海道議会定例会 予算特別委員会第1分科会
平成24年10月1日(火曜日)

(注:文章については、その趣旨を変えない範囲で読み易く訂正をしております)

一 アイヌ政策について

(一) 北海道アイヌ子弟大学等修学資金貸付制度について

1 道内私立大学が発行した文書について

小野寺委員

 アイヌ政策における北海道アイヌ子弟大学等修学資金貸付制度について、道内私立大学の副学長が発行した文書についてお聞きをいたします。

 本道のアイヌ子弟の大学等修学資金貸付制度ですが、これは道内のアイヌの子弟に大学に必要な資金を貸し付けるという制度であり、その貸付けの対象となる経費というのは、入学金、授業料のほか大学が指定するテキスト、となっているはずです。

 この道の制度とは別に、ある道内の私立大学においては、アイヌの子弟を対象とする奨学金制度を実施しております。

 私の入手した資料――この大学の奨学金に関して、副学長が自ら作成したものです――にはこう書かれてあります。

 「奨学金額は授業料と同額です。入学後に受け取った奨学金はただちにその場で大学に納めることになり、自分の手元には残りません。つまり、実際には授業料・入学金免除を意味します。しかし、授業料・入学金免除制度にすると、北海道が設けているアイヌ修学資金を利用できなくなります。なぜなら、道の修学資金は学費納入を支援するための貸付制度だからです」

 この文書は大学側が授業料の免除ではなく、奨学金ということにして道の貸付の申請をして欲しいというように、違法と知りながら学生に指導している文書と私は解するわけですが、この文書について、道はどのように考えるのかをお教えください。
アイヌ政策推進室参事
 委員ご指摘の文書についてですが、この文書は、アイヌの文化や歴史を学ぶ意欲を持ち、大学への進学を希望するアイヌの子弟の生活を支援するため、平成22年度に大学が独自に制定しました奨学金制度を説明したものです。

 大学からは、この制度の創設に際し、学生の生活を支援するため授業料相当額を給付するものであるが、支給対象は授業料に限定するものでないため、道のアイヌ子弟に対する大学等修学資金貸付とは重複しない旨の説明を受けていたところです。

 しかしながら、この文書には、「実際には授業料・入学金免除を意味します」と記載されておりまして、道の修学資金制度との関係において、不適切な内容の文書であるとの認識しているところです。
2 大学等への指導について

小野寺委員

 私は不適切では済まないと思っております。

 学生には罪は無いまでも、実際にはこの文書を出した副学長の罪は非常に重いと。

 古くからアイヌ政策に携わり、あらゆる制度を熟知しているこの副学長が、このような文書を本年度の北海道アイヌ協会の総会で配布をしている訳ですから。

 この副学長からも直接話を聞いて、実態を確かめるべきであると思いますが、如何でしょうか。また、状況によっては大学にも強く抗議をするべきと考えます。

 併せて道の見解を伺います。
アイヌ政策推進室参事
 大学等への指導についてですが、この文書が判明した本年6月以降、担当の教授からは数度にわたりお話を伺うとともに、7月上旬に大学を訪ね、この文書の内容について確認を行ったところ、大学からは、アイヌの子弟の経済的な事情を考慮し、道の修学資金を受給できるまでのつなぎの資金の確保が重要と考え、授業料相当額と相殺する事務手続きを行ってきたことなどについて説明を受けたところです。

 この大学では、本奨学金制度を含め、アイヌ文化の振興に向けた人材育成などに積極的に取組んでいただいているところですが、道としては、道の修学資金との関係について、道民に誤解を招くことのないよう強く申し入れを行ったところです。

 これに対し大学からは、今後、大学内の他の奨学金制度と同じ時期に、同様の手続きを経て奨学金を給付する方法に改めるという内容の文書をいただいたところです。
3 道の懇談会委員としての資質等について

小野寺委員

 今後、大学の他の奨学金制度と同じ時期に、同様の手続きを経て奨学金を給付する方法に改めるということは、この制度は他の奨学金制度とは別に取り扱っていたということですよ。

 このことについては追及ではなく指摘としておきますが、これは大学側の詭弁だと思っています。

 実際に、年度前の12月には必要な経費ということで10万円単位のお金をその学生から徴取をしておりますし、アイヌの方々の生活が本当に大変なのだというのであれば、大学側が配慮してしかるべきです。同じ日に口座にお金を入れて、そして直ぐ出したということも有り得ない話で、実際には入学金と授業料相当のお金を免除していたと考えるのが妥当だと思いますので、今後こういう事例があったときには、もう少し厳しく対応していただきたいと思います。

 さて、この文書を作成した副学長は、国のアイヌ施策を推進するための部会のメンバーであるとともに、知事が座長をしているアイヌ政策を考える懇談会の委員でもあります。

 違法となるような行為を学生等に指導する文書を作成しているような方が、道のアイヌ政策について意見を述べる懇談会の場に居ていいのか。

 私は相応しくないと考えますが、道の見解を伺います。
アイヌ政策推進室長
 道の懇談会委員についてですが、この教授は、大学においてアイヌの歴史や文化などについて研究され、アイヌ文化の担い手の育成などについて非常に積極的に取り組むとともに、アイヌ文化振興財団が行っているアイヌ語指導者育成やスクーリングの講師を行うなど、アイヌ語教育にも大変熱心に取り組まれている方です。

 この度の奨学金の取扱については、文書の記載内容などにおいて不適切な面があったと言わざるを得ず、教授に対しては、今後このようなことがないよう強く申し入れを行ったところですが、道としてはアイヌ文化の振興に当たり、教授の豊かな経験と知識は大変貴重と考えているところです。

小野寺委員

 いかにアイヌの歴史や文化に詳しくても、政策を作る訳ですから常識のない方では駄目なのですよ。

 そういった意味においては今後こういう委員を選ぶに当たり、非常識な方は入れないでいただきたいと、これは強く申し添えておきます。

(二) アイヌ住宅改良促進事業について

1 国への報告について

小野寺委員

 次に、アイヌ住宅改良促進事業について伺いますが、この貸付制度の財源は国及び道から25%の補助を受けて、市町村が条例や要綱に基づき実施をしているものです。

 道においては、毎年、市町村の状況を取りまとめ、国に報告していると思いますが、どのようなものを報告しているのか、まずお教えください。
アイヌ政策推進室参事
 アイヌ住宅改良促進事業についてですが、本事業は、市町村が条例等を制定した上で国や道の補助を受け、アイヌの人たちに対し、住宅の新築や改修又は住宅の用に供する土地の取得のための資金を貸し付けるもので、昭和48年度から実施しているものです。

 この事業の実施状況については、毎年度末における、各市町村の償還状況や、要因別滞納状況、住宅資金等貸付滞納状況、償還猶予実施状況、償還免除実施状況などについて道が集計を行い、国に報告しているところです。
2 要因別滞納状況調書について

小野寺委員

 答弁の中にもありました、国への報告事項のうちの「要因別滞納状況調書」というのは、どのようなものなのかを伺います。
アイヌ政策推進室参事
 要因別滞納状況調書についてですが、この調書は、市町村における当該年度の滞納の状況を把握するため、自営業や勤務先の営業不振によるもの、又は、借受人の死亡や病気・怪我によるもの、生活保護、本人の返済意志の欠如などの要因別に取りまとめ、集計したものです。
3 本人の返済意志の欠如の状況について

小野寺委員

 まずアイヌ住宅貸付資金で住宅を持っている方が「生活保護を受けている」というのも理解しづらいですが、それ以上に「本人の返済意志の欠如」とは、これは私にはさっぱりわかりませんので、どういうものなのかお教えください。
アイヌ政策推進室参事
 国への報告における要因別滞納状況の理由についてですが、「本人の返済意志の欠如」の項目に関し、国が定めた記載要領においては、納付期限を忘れていた場合や返済能力があるにもかかわらず支払額が少額の場合が挙げられているところです。

小野寺委員

 家を建てるからとお金を借りた方が返すに当たって、返済能力があるにもかかわらず支払額が少額の場合だからとか、納付期限を忘れていたなど、このようなことで本当にいいのかということです。

 実際には、この理由による滞納が二番目に多いはずであろうと思います。

 億単位でこの金額が滞納されているということは大問題ですし、この制度のそもそもの問題の一つであると指摘をします。
4 道の対応状況について

小野寺委員

 もう一つ、道は毎年度、市町村からこのような報告を受け、このような内容について把握してきたはずですが、これまで道として市町村にどのような対応をしてきたのかをお教えください。
アイヌ政策推進室参事
 アイヌ住宅改良促進事業についてですが、道としましては、これまでも市町村に対し、国及び道の要綱、各市町村の条例等の関係規定の遵守、貸付決定時の審査、制度趣旨の徹底、適切な償還計画の作成、滞納対策の強化、悪質滞納者に対する法的措置の検討などについて、指導を行ってきているところです。
5 制度の必要性について

小野寺委員

 指導してきた割には、本人が返したくない、というような理由が二番目に多いというのは、本当に指導の意味があったのかと思いますし、実際に道で調べた調査によると、アイヌの方の持ち家比率の方が、一般の道民の方の持ち家比率よりかなり高いという結果が出ております。

 そういう意味においては、本当にこの制度が必要なのか、もう一度見直す時期にも来ていると思いますが、道はこのような制度を継続していく必要があると考えているのか、お教えください。
アイヌ政策推進室長
 住宅資金等貸付事業の必要性についてですが、この事業は、それぞれの市町村において地域の特性を踏まえ、その必要性について判断をし、条例等を定めた上で事業を実施しているところであり、ただいま委員からご指摘のありました、アイヌの人たちの住宅の持家比率については、昭和61年の実態調査以降、一貫して一般の方の持家比率を上回っているところでもあります。

 現在、国においては、アイヌ政策の全国展開について検討を行っているところであり、この貸付事業の取扱いについても、市町村の意向を確認しながら、国と相談していく必要があるものと考えています。

小野寺委員

 この制度が大事なのか――私はアイヌ政策が必要ないとは言っておりません。本当に大切な政策をすべきで、大切でない政策は必要がない――と言っているわけですので、この点について、ぜひともしっかりと国と相談をしていただきたいと思います。

(三) 小中学生の副読本の作成について

1 小中学生の副読本について

小野寺委員

 次に、アイヌ政策における、小中学生の副読本の作成について伺います。

 アイヌ文化振興財団が平成24年3月27日付けで全国の各都道府県教育委員会及び道内市町村教育委員会に修整する、この内容を修整するという通知をいたしました。

 しかしその後、編集委員から様々な意見が出たということにより、二学期を目途に修正版を配布されるはずが、今ずれ込んでいるというようですが、未だ発行されない現状にあるのはなぜか、まずは、経過などについてお教えください。
アイヌ政策推進室参事
 副読本の修整などに係る経過についてですが、アイヌ文化振興財団が発行し、全国の小中学校に配布している『アイヌ民族:歴史と現在』につきましては、本年3月に内容を修整の上、全国の教育委員会などに通知を行ったところです。

 その後、5月30日に開催した財団理事会の議論を踏まえ、6月及び7月に現行の編集委員への説明を行う会議を開催したところです。

 その結果を踏まえ、8月2日に開催した臨時理事会において、再修整することが了承され、現在、その改訂版の発行に向けた手続きを行っているところであり、財団からは、本年10月中の発行を予定していると伺っているところです。
2 修整通知の撤回などについて

小野寺委員

 全国の教育委員会に財団から通知して半年もたたないうちに、通知を撤回し、さらには現行の副読本を再修整して発行するというように、対応は二転三転しています。

 アイヌの歴史を学ぼうとしている子どもたちや、それを教える先生に不安な気持ちを抱かせている状況にあり、国の指定法人として最もしてはいけないことをしていると、私は考えているわけです。

 現行の副読本の修整を行い、発行した後、前回の予算特別委員会では、今年度中に新たな副読本を発行する方向で検討しているように答弁をされておりましたが、それらの経過と今後の対応についてお伺いをします。
アイヌ政策推進室参事
 新たな副読本の発行予定についてですが、財団では、5月30日開催の理事会において、現行の副読本の修整後、今年度内を目途に、新たな副読本の作成を行うとしていたところです。

 しかしながら、現行の編集委員会での検討結果を踏まえ、8月2日開催の臨時理事会において、これまでの副読本の一部改訂版を発行することとし、新しい副読本の作成については見送るとしたところです。

 財団からは、今後、新しい副読本の作成を行う場合には、そのあり方について、教育学などの専門的知見も参考にしながら、教育関係機関との連携などの活用促進方策を含め、検討を進めていくというふうに伺っているところです。
3 第三者評価について

小野寺委員

 副読本の発行に当たっては、専門家による第三者評価を行ったということですが、第三者評価を行うことになった理由と、評価委員の選考基準、また、どのような評価結果だったのかをお教えください。
アイヌ政策推進室参事
 副読本の内容に関する第三者評価についてですが、この評価は、副読本が学校現場で用いられるという性格を踏まえ、特にアイヌの歴史に関わる記述について客観性や正確性を担保することが求められることから、専門的知識を有する第三者による評価を行うことを8月2日開催の財団理事会において決定したものです。

 その後、歴史に関わる記述に重点を置いて評価を求めるという観点から、財団において北海道の近世史・アイヌ史に詳しい学識者二名を選定し、意見を伺い、いずれの方からも、今後改善が必要な事項についての意見が出されたところであり、これらの評価結果につきましては、次年度の発行に向け、編集委員会において議論すると伺っているところです。
4 第三者評価委員の選考について

小野寺委員

 ただいまの答弁で、第三者の評価を行うこととし、意見を伺ったとのことでありましたが、小中学生の副読本という性格から、委員の選考に当たっては、中立性が最も重要であると私は考えますが、財団における委員のその選考の考え方についてお伺いします。
アイヌ政策推進室参事
 委員の選考についてですが、本年8月2日に開催された財団の臨時理事会において、第三者評価の委員の選考は理事長に一任されたことから、財団内部において、近世史、アイヌ史を専門分野としている研究者の中から、候補者のリストを作成し、財団理事でもあるアイヌ民族史を研究している大学教授などの助言もいただきながら、最終的には理事長の判断により決定されたと伺っているところです。

小野寺委員

 私は中立性の話をしております。

 実際に、財団はあるアイヌの研究者の方から「この副読本はおかしい」という手紙を受け取っているはずです。

 私もその学者の方の手紙を見ましたが、その学者の方の指摘どおりに、一度はすべて訂正をするというふうに財団は言っておりましたが、この評価委員会にはその学者の方は選ばれておりません。

 これは私は不思議でなりません。

 実際にはいろいろな考え方があるのであれば、学者の方も両方の学者をそろえるのが筋だというふうに思っておりますし、それは、財団の方に対して、こういう考えがあるということを強く言っていただきたいと思います。
5 道の主体性について

小野寺委員

 次に、道の主体性について伺いますが、財団が発行しているからといって、道がまったくその内容について関与しないということにはならないと考えております。

 財団は右へ行ったり左へ行ったり、またその繰り返しで、もう組織として機能していないように私の目には映っているからであり、道が主体性を持って、強くこの財団を指導すべきものと考えますが見解を伺います。
環境生活部長
 財団に対する対応などについてですが、この副読本は、学校教育の場で利用されるものであり、児童生徒の発達段階に則し、分かりやすいものとなるよう、内容や表現に十分な配慮が必要であることから、作成に当たっては、有識者のご意見をお聞きすることも含め、十分な議論を重ねて検討を行うことが必要と考えております。

 今回の副読本の改定に当たり、結果として、大きな混乱を生じさせる事態となり、財団の手続きの進め方にもその原因があったものと言わざるを得ず、今後、副読本の改定を行う際には、道として、このような事態が起こることのないよう、適切に助言を行うとともに、財団を所管する国とも十分に連携を図りながら、財団の指導に当たって参りたいと考えております。

小野寺委員

 道が財団の指導に当たって参りたいという強い発言をしたということで、私はそれを評価しまして、絶対にそれを実現していただきたいと願います。

 では次の質問に移ります。

二 日本ユニセフ協会について

小野寺委員

 日本ユニセフ協会は、日本国内においてユニセフの活動を行う民間非営利組織であり国連の組織・機関ではありません。

 その日本ユニセフ協会の北海道支部の顧問に高橋知事が就任をしておりそのホームページでも高橋知事の名前が一番上に上がっております。

 日本ユニセフ協会と共にその北海道支部は、昨年の東日本大震災で募金を行いましたが、その募金活動の報告は私には理解のできない部分が多々あり、実際には説明責任を果たしていないのではないかと思わざるをえませんでした。

 知事が顧問を務める北海道支部が東日本大震災の募金活動を行ったのであれば、その使途はしっかりと道民に説明をできてしかるべきだと私は考えておりますので、以下質問をしてまいります。

(一) 支援物資などの公表の仕方について

小野寺委員

 まず、支援物資などの公表のあり方についてですが、日本ユニセフ協会が発信するレポート、ホームページでは多くの募金をした方達が知りたいという情報が欠落をしております。

 例えば、支援物資については支援した企業は解るまでも、その企業が何を支援し、どれだけの量を支援したのかという情報が、まったく入っておりません。

 例えば、子どもの衣服の購入に当たっては、多くの支援物資もありましたし、またユニセフ協会が買った子供服もありましたが、その内訳、総額、枚数がまったく解らない状況になっております。

 このような公表の方法をどのように考えるのかお聞かせください。
くらし安全局長
 支援物資などの公表についてですが、日本ユニセフ協会においては、東日本大震災に係る支援活動について、協会のホームページや一年レポートで概要を記載しておりますが、購入物品や数量などの詳しい内容や内訳などについては公表されていないところです。

 情報の公表に当たっては、その活動内容について募金者の理解が得られるようできるだけ詳細に公表されるべきものと考えております。

(二) 寄贈物資について

小野寺委員

 私のところに9ヵ月期間のインターシップの学生が北大と北海学園の両方から来ておりますが、その学生もこんな報告があるのかと驚いたぐらいの内容でした。

 多くの寄贈物資があった中で、高額の寄贈物資もかなりありました。

 例えば、自動車会社から多くの自動車の寄贈があったわけでありますが、その自動車の行き先、これもまったく解らない状況になっております。

 ユニセフも何台も自動車を買っておりますが、その行き先も台数すべても、まったく解らない状況であります。

 インターンシップの学生も疑問を抱いておりましたが、こういう広報のあり方についてもどのように考えるのかお教えください。
青少年担当課長
 寄贈物資についてですが、日本ユニセフ協会によりますと、寄付の事実や内容については、寄付者の許可を得て公表していると聞いておりますが、了解を得られたぶんは、寄贈された物資の贈与先などの情報についても、可能なかぎり公にされるべきものと考えております。

小野寺委員

 企業から許可を得て公表するとかしないとか言うことですが、実際に報告書には、日産という会社が自動車を寄贈したとはなっている。ただ、台数だとかが入っていない。

 日産が台数を言いたくないということはあり得ないはずであり、実際には何をどれだけもらったのかということはしっかりと報告してしかるべきだと思います。

 企業からの許可云々とは、私は詭弁だと思っています。

(三) 物資の調達方法について

小野寺委員

 次の質問ですが、次は物資の調達方法、物資の購入についてです。

 東日本大震災では、日本ユニセフ協会に39億円の募金が集まっております。

 しかし、その現金で何を購入したのかという内訳がまったくない状況です。

 それでは全く説明責任を募金をした方々に果たせないだろうと考えております。

 また、支援物資の調達先については、同じグループの会社から物品を購入しております。

 実際に牛乳に例えると1リットル160円で購入しているというのは、これは卸値ではなく売値で買っているとすると、それらの企業は東日本大震災で利益を上げたかもしれないという状況にもなりかねず、また、募金の性格からもこれはふさわしくないのではないかと私は考えますが、この点についてどうお考えかをお教えください。
青少年担当課長
 物資の調達方法についてですが、協会によると物資の調達に当たり、基本的には相見積りを取って決定していると聞いていますが、東日本大震災における支援事業については、被災地において、調達から配送までを一括して取り扱うことができる企業を活用したケースもあると聞いております。

小野寺委員

 本当に相見積りで牛乳1リットル160円という金額になるのですか。

 160円で牛乳を買えるときもありますよね。本当に相見積りをしてるかどうかをしっかり調べて、聞いていただきたいぐらいです。

(四) 支援活動レポートの整合性について

小野寺委員

 次の質問ですが、支援活動レポートの整合性について伺います。

 支援活動レポートは六ヵ月レポートと一年レポートがありますが、これを比較すると明らかにおかしな部分が多々あります。

 例えば、支出総額が一年レポートで減少している項目が複数ありますし、また、百万円の確定額が一年レポートは1億1千万円にまで膨らんでいるという事例もあります。

 あまりに数字がでたらめで、整合性がとれない六ヵ月と一年レポートがあるわけですが、道としてこの点についてどうお考えかをお教えください。
くらし安全局長
 支援活動レポートの整合性についてですが、東日本大震災緊急復興支援活動の収支報告に関して、六ヵ月レポートと一年レポートにおける収支報告に不整合が見受けられることにつきましては、ユニセフ協会の会計士の指導により、支出の目的に則して、適切な項目に振り替えを行ったことや、六ヵ月レポートで未計上のものを一年レポートで計上したことによるものと協会から伺っております。

 いずれにしても、内容に不整合のあるものについては、疑義を生じないよう表記に配慮すべきものと考えております。

追加 支援活動レポートの整合性について

小野寺委員

 いま答弁で、「内容に不整合のあるものについては疑義を生じないよう、表記に配慮すべきものであると考えているところ」というようにお答えいただきましたが、本当に表記に配慮しているのでしょうか。

 お聞きしたいのですが、教育支援における中高総体について、六ヵ月レポートにおいては支出総額済及び支出確定額の合計額が約8,400万円となっています。

 しかし、1年レポートではなぜか支出確定額すべて合わせて8,400万円だったものが、6,800万円にまで下がって、しかもその注釈がまったくありません。

 これで説明責任に配慮していると考えられるか、お答えください。
くらし安全局長
 支援活動レポートについてですが、日本ユニセフ協会によると、六ヵ月レポートにおいては、ただいまご指摘のあった中高総体に係る事業実績については、見込額に基づき、前払いした金額を記載したもので、事業終了後に、確定人数に応じ返還金が生じたものと聞いているところですが、一年レポートにおきましては、疑問を生じないようその旨の説明を付記すべきであったと考えております。

(五) 情報公開に係る道の対応について

小野寺委員

 つまり、配慮もしていないし、説明も足りなかったということなのです。報告では。

 しかし、高橋知事は顧問に名を連ねて、北海道支部はユニセフ協会にお金をどんどんどんどんあげていたということです。

 こんな中途半端な報告をされたら、もしかしたら道民も、高橋知事の名前があるから募金したかもしれず、迷惑なわけでありまして、しっかりとユニセフ協会にそういう対応をしていただきたいという旨を、私は伝えるべきだと考えております。

 道は、道民や募金者が知りたい情報をしっかりと把握して、日本ユニセフ協会に対して積極的な情報公開をお願いすべきだというふうに考えおりますが、今後どう対応するのかお教えください。
環境生活部長
 情報公開に係る道の対応についてですが、日本ユニセフ協会においては、東日本大震災に係る支援活動状況について、協会のホームページや一年レポートなどに概要は記載されているものの、委員のご指摘のとおり、個別事業の詳しい内容や内訳などについては公表されていないところです。

 道としましては、広く一般から募金をつのり、支援を行うというユニセフ協会の事業の内容から、募金者の信頼に応えるよう協会において適切に説明責任を果たしていくことが重要と考えており、ただいま、委員からご指摘の点を踏まえ、適切な情報公開のあり方について検討していただくよう日本ユニセフ協会に申し伝えて参ります。

小野寺委員

 ありがとうございました。

 道からの積極的な答弁をいただき、日本ユニセフ協会には情報公開のあり方について検討していただくようにいろいろと申し伝えていただけるということで満足していますが、おそらくこれが日本ユニセフ協会の最後の質問ではなく、最初の質問になるということを宣言しておきまして、私の質問を終わりたいと思います。