僕が森林問題をどう考えているか(後)
・・・・ 昨日のブログから ・・・・
(6)「日本の森林政策そのものが、かなり以前から崩壊している」という事実をきちんと認識をすべき。国の森林計画が崩壊をした理由の一つは「森林所有者の半数以上が、“森林施業計画”を出してない」ことであり、さらに、森林施業計画を長期間出さない所有者の中に“国の機関”も含まれている事実からも、この制度の崩壊は見てとれる。
(7)国は「外国企業でも良いから森林を売りたい」という森林所有者に対し、どう対応しようとしているのか全く解らない。国土が海外資本に買われ続けているのは「国家存亡にかかわる一大事」である。政府は早急に「すぐに森林を売らないで少し様子を見てみよう」と所有者が考えるような制度や具体的な施策に関する議論を国会や政府内で早急に始めるべき。
(8)COP10の議長国として、生物多様性に深く関与する森林を早急に把握し、その森林に関しての規制・監視を強化すべきではないか?
(9)日本の面積の約7割を占める森林が売買される時、国も自治体も「所有者が森林という国土を買った理由」を把握できていない。これは「国土利用計画法」が原因である。又、宅地や農地とは全く異なり“森林”は誰でも売買や仲介が出来る法制度も問題である。
(10)森林の区分や森林に対する規制がアバウトすぎる。所有者での区分は大雑把に公有林と私有林の2つに分けられ、規制等から見ると保安林とそうではない森林の2つの区分だけである。また、森林政策における森林の持つ機能面からの分類でも“水土保全林”“森林と人との共生林”“資源の循環利用林”という不思議な3分類のみだ。つまり、生物多様性に密接にかかわる森林や、自衛隊の基地や空港、原子力発電所という施設に隣接する森林は、他の森林と区別されていないことが異常なのだ。また、規制も保安林以外はほとんど無く、このことも議論が必要である。今後、我々は森林の場所や特性等を考慮し、その森林に合った対応をしていく必要がある。
(11) 不在村所有者の森林整備はどうするのかといった本質的な議論も必要。
追記
「環境」「生物多様性」からのアプローチについて、若干入れたが、更に深いアプローチが必要では?
CO2の吸収に関しての観点も必要では?海外資本が所有している森林は排出権量取引においてどのような扱いになるのか。
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以上が、僕が元総理の伝えしたかったことなのです。
僕は「本当に国は呑気だ」と感じています。今、まさに「国土が外国に買われ続けている」というのに、あまり議論もされず、国民の生命や財産に深く関係する事案でもあるのに、国会からはそのような危機感が伝わって来ません。
ですので、全てを伝えられたのかは解りませんが、自分の意見を元総理に言えたことは自分にとって非常にありがたいことでした。
僕は、どんなことをしても「この問題を解決に導くこと」が自分に課せられた使命だと思っているのです。